
国際チームの中で働く僕〜ちょっと癖のある僕のバランス感覚とは~
皆さんこんにちは
人道支援家のTaichiroSatoです。
ちょうど昨日、残していたミッション後の記事を書き上げたので、その流れで自分なりに振り返った「国際チームの中での自分のバランス感覚」について書いていこうと思います。
チームリーダーのOsama。体のどでかいヨルダン人で、体重管理をするために階段の上り下りを毎日しながら、膝が痛い、ヒザがイタイと口癖のようにいっている。
非常に人懐っこい彼は、いつもシシャ(水たばこ)をベランダで吸っていて、うちのチームメンバーは寒いのに事あるごとにベランダに集合しOsamaを囲んで話をするのが日課のようになっている。
何を隠そう、自分は彼のスタイルが大好きだ。
身長は190cm、体重は100キロを超えるであろうぽっこりお腹にあまり筋肉質ではない肩。。失礼。もちろん、体型のことではない。彼のマネジメントスタイルのことだ。
できることにしっかりとスポットライトを当てて、ゴールの期間までのチームの道筋を立てていくのが上手で、何より人を巻き込むことが非常にうまい。適材適所を常に考えていて、どんどんと人をその気にさせ、巻き込んでいくのである。
国際チームの中で働くと、よくも悪くもいろいろなことが起こる。
自分の考えや信念に基づき行動する人や、
他のことには目もくれず一目散に一つの問題に突進していきズバズバと問題を解決していくような人。
全体を俯瞰してまとめていくことが上手な人など
それぞれの良さと、その反対側にもろさというのか悪い側面もある場合もある。
このようなチームの中で働くこと。言語のバリアを超え、文化や宗教、それぞれが経験してきた今までの医療の当たり前という壁を越えていく中で、
国際的なチームで働くようになってから、最初の頃は台風の暴風域に自分から突っ込んでいくような、そんな感覚があった。(シップナースとしてのキャリアをスタートした当初。)
「あなたの意見を聞かせて。」
「君はどう思うのか?」
「何を考えているのか説明をしてほしい」
当時は英語で自分の100%の気持ちや考えを説明しきれるだけの引き出しがない(もちろん、今でもない!)上に、
もともと日本で自分に立場からの意見、自分の中から出てくる言葉や思いを相手につたえる訓練をしていなかったこともあって、
どうしていいかわからなかった。
うまくいかないと思ったのを覚えている。
次々にズバズバと自分たちの意見を言う仲間たちを見て、これが正解で、こうであるべきなのだ、と自分自身にムチを打つ。
MSFに入ってからもインターナショナルなチームの中で、
自分の立ち位置を確保するために、とにかく前に出る、周りに引けを取らない自分、意見を衝突させディスカッションをことが正しい。少し焦りにも似たような感覚で仕事やディスカッションをしていたのを覚えている。
ここは日本じゃないのだから、と海外用の自分を作り上げようとしていた。
、、が、、どうもしっくりこないのだ。
自分の中から出てくる言葉を100%発すること、意見が対立したらそれを仲間とぶつけ合うこと、あたかもそれがインターナショナルのチームの中での正義であると思いこんでいた。
幼い頃からずっと野球をしていて、キャプテンなどもやる機会が何度かあったのだが、チームの中には勝ちたい選手や試合に出たい選手、ただ楽しく野球がしたい選手。社会人になってからは、更に年齢にも幅がでるようになりどんどんと野球をする目的そのものが多様化していく中で、僕は、「みんなが同じ方向に向かっていける方法」を常に模索していた。
皆が同じ方向を向いたチームは強い。
これが僕の考えるインタナショナルチームに必要なもの。
バックグラウンドがこんなにも違う多様性の中で、現地にとってbetterな選択を導き出す、サポートする側も現地の人達もみんながハッピーになれるような、同じ方向を向けるような自分たちのあり方と、一体感。
ここに僕の強いこだわりがある。
最近になって、なんとなく自分なりにつかんできた感覚を説明してみる。2つの視点から説明してみる。
すごく説明が難しい感覚なのだが、努力して言語化してみるのでみなさんも想像しながら読んでみてほしい。
①自分は自分である
(意見やアイデアの。ディスカッションやインタナショナルチームという名の)嵐の中でいつも通りのパフォーマンスを出す、いつも通りの自分でいられるということは簡単なことではない。これは経験から言えることなのだが、周りの環境や状況がどうであれ、自分は自分である、ということである。
ズバズバ意見を言い、意見の違いをぶつけ合うのは自分は好きじゃないのだ。この自分に正直になること。
意見が違ったら、少しでもみんなが納得した落とし所を見つける、こっちが自分が好きな道。
自分の意見も、チームメンバーの誰かと同じなのであれば、同じだよ、と一言伝える。いちいち自分の言葉で同じことを1から10まで説明はしない。国際チームのミーティングは、ただでさえ話が行ったり来たりして、とっ散らかることが多く、ミーティング自体が長くなりやすいということを防ぎたいという狙いもあるが笑
自分のイメージとしては、台風の中でも自分は台風の目(雨風がなく晴れている場所)の中に立っていて、台風を内側から静かに見ている、そんなイメージでインターナショナルなチームで仕事をしている。どうやったらこの台風の被害を最小限にできるか、台風はどっちにいくのか、それを自分ならどうアシストできるか、そんなことを考える。
②チームのパフォーマンスの最大化を考える
僕は、チームの中で潤滑油になる、ちょうどいいバランス(チームがよく機能すると思われる状態)でいられるように自分の立ち位置をとるのがとても得意で、正直、自分の役割は何であってもいい、と本気で思っている。
ゴールをシェアする人がいなければ、リーダーになってもいいし、アイデアマンになっても、切り込み隊長になっても、批評家にだってなれる。
それでチームが同じ方向へ一体となって前に進める、チームのパフォーマンスが上がるのであれば。みんながハッピーになれるような選択になれば。
あたかも、自分自身も一つの将棋の駒であるようだが、自分自身をも含めた将棋盤を眺めて勝てるように一つ一つ駒を活用していく。それがとても自分らしい気がする。
客観的や俯瞰する、これらの言葉が表現としては近そうだ。
ここまで読んでくれた方の中には、ん?と思われた方もいるかもしれない。
①と②は、相反しているのではないか。
①自分は自分であっていい!といいながら、②全体のバランスをとる、自分は何色でもいい、という。
でも、これが自分なのだ。
この複雑で説明することがややこしい感覚を持っている、これが自分の居心地のいい場所、立ち位置、自分らしさのひとつなのだと思う。
今回パレスチナで、リーダーのOsamaとメディカルチームのことをいろいろディスカッションしながら、どうやったら現地チームがうまく機能するか。それにはどんなMSFチームであったら、Expats達であったら効果的か、いろんなことを共に考え、過ごしてきた。
彼は、常にチームが一体であること、これを彼自身に課している。だから、彼のチームはほとんどのスタッフがハッピーだ、とフィードバックしていた。言うまでもなく、僕もその一人だ。
よく、こういう質問を受けることがある。
みんながハッピーになる選択なんてあるのだろうか。
僕はあると信じたい。
難しいのは僕も痛いほどわかっている。
でも、みんなが考えていることに自分から触れ、理解しようと努力することはできる。みんながお互いを理解することはできる。そんな小さな積み重ねが、いつか、
みんな同じ方向に向かう
みんながハッピーでいられるチーム
になるんだと信じる。
友達の眼鏡屋さんが言っていた。
お客様の100%を満足させることは出来ない。
けど、
今より1%でも、100%に近づけることはできるよね、と。
僕もそうでありたいし、そうなれるように
みんながWin-Winであれるような、
自分の在り方も模索し続ける。
自分が誰かになる必要もない
嵐の中で自分が自分であること
自分らしく、そして、柔らかく。
これが、僕のバランス感覚。
ちょっと説明がややこしい感覚であるが、
皆さんに伝わっただろうか。
自分のバランス感覚を信じて、前に進む。
※投稿内容はすべて個人の見解です。
他にも色々配信しています。のぞいてみてください!
フォローも是非お願いします!!
Instagram =HP
TikTok =日常の風景
Twitter =つぶやきと情報RT
また次回お会いしましょう。
Best,
Tai
2022年4月より
最後まで記事を読んでいただきありがとうございます!!
皆さんの「知らない世界🌎」を少しでも身近に感じてもらうきっかけになったら幸いです。
全文公開にしていますが、有料記事設定してみました。
自身の収益目的ではなく、所属団体にまだ寄付したことがないので、頂いた金額を団体への寄付として還元しようと考えています。
応援して頂けた場合、皆さんへの感謝😌と頑張れ👍気持ちを込め、より一層投稿への活力になることと思います。お互いに取ってwin-winで応援し会える関係を築くことができたら、こんなに嬉しいことはありません。
是非とも応援よろしくお願いします☺
ここから先は
¥ 100
いつも記事を読んでいただきありがとうございます!!記事にできる内容に限りはありますが、見えない世界を少しでも身近に感じてもらえるように、自分を通して見える世界をこれからも発信していきます☺これからも応援よろしくお願いします🙌