【サハラ砂漠🇩🇿】story⑪ 高血圧症 (英:ハイパーテンション)〜個性的な砂漠青年の話〜
みなさんこんにちは
人道支援家のTaichiroSatoです
今現在は、イエメンにて活動中ですが、
ちょうど去年の今頃(2020年春、アルジェリア)は、
サハラ砂漠で仕事していました。
投稿と時間感覚がかなり飛んでいますが、お付き合いください。
大人気!?国際看護師のサハラ砂漠シリーズ。
今回は個性的な青年の話です。
タイトル「高血圧症の丸尾くん」
僕の働く砂漠のメディカルセンターに毎日体の不調を訴えたり怪我をしたりする労働者が来る。
基本的には、中年層の男性が来ることが多く、若者が来ることは珍しい。
ある日、一人の青年が訪る。
青年はアルジェリア人。
しかし、何故だか
見た目も性格も、どこからどう見ても僕には、
ちびまる子ちゃんに出てくる丸尾くんにしか見えないのだ
ここからは愛を込めて 丸尾くん と呼ぶこととする。
丸尾くんはメディカルセンターに入るやいなや
血圧を測ってほしい、、と、ポツリという。
そのうちに丸尾くんは連日メディカルセンターに通うようになるのだった。
高血圧。英語では、ハイパーテンション。
一昨日も昨日もメディカルに血圧を測りに来る。
ご丁寧に、毎日まいにち、おんなじ時間に。
丸尾くんは、明日もきっと来るだろう。
血圧はもちろん正常。無症状。
なんっかい説明しても分かってくれない。
丸尾くんと僕のやり取りはこうだ。
僕: あなたは至って正常、つまりはノーマルです。
丸尾くん: 「いいえ、僕はハイパーテンションです。」
あの、えっとー血圧ってね、
「いいえ、僕はハイパーテンションです。」
この繰り返し。
ある日、僕の口から発された言葉が彼に火をつけた。
ほら、血圧なんて走ったりしたら上がるし、
「。。。は、はしったら、、血圧が、あがる。。??」
次の日。19時。
1日の仕事を終えて、メディカルセンターを閉め、事務処理をしていた時だ。
ガダン!!!
ものすごい勢いで突然ドアが開く。
何が起こったかと僕が顔を上げると
そこにものすごい顔をした
汗だくの丸尾くんが立っているではないか。
(タイトル画像参照)
「、、は、はやく、、」
え?
「は、はやく!!俺の血圧をはかってくれーーー!!!
測ってくれ!!血圧を!!い、ま、す、ぐ!!!」
あ、はい。
とてつもない感情の温度差が
丸尾くんと僕、二人の間に流れる。
僕はしぶしぶ血圧を測る。
(自動血圧計)ブーーーーーン、ぶ、ぶ、ぶ、ブーーーン。
、、、プシューーーー
(じーーーーーーっ。)
うわぁ、丸尾くんが、すっごぃこっちみてる。。
丸尾くんに伝える。血圧180だよ、と。
「ま、マニュアルでもはかってくれ!!」
あ、はぃ。
手動血圧計でもはかる。もちろん、同じ180。
「ひゃ、ひゃくはちじゅう!!たかい!血圧がたかい!!
全力疾走、2周したからねぇーー!!」
丸尾くんは叫ぶ。
、、、、、
自分の言語の引き出しの中をどんなに探しても、
今の丸尾くんにかける言葉が見つからない。
血圧じゃななくてさ、
ハイパーテンションなのは あんただよ。
隣でラクダルが腹を抱え、
涙を流して大爆笑しているのが、僕の救いである。
いろんな人がいる。
世界は広い。
だから面白い。
※もちろんノンフィクションです。
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また次回お会いしましょう。
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Tai
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