「承認欲求の奴隷」を卒業せよ。
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賞賛される人生は、その性質上、もっとも多く目に入る。それは多くのメディアによって取り上げられ、より人目を惹くように、より煌びやかに磨き上げられ続け、そして、さらにできるだけ目に入りやすい場所へと置かれるからだ。
大勢のひとが褒め称えたり、憧れたりする人生というのは、無限のグラデーションの中に存在する人生の在り方のひとつにすぎない。
「小学生」にとって、大人とは皆「プロスポーツ選手」や「芸能人」や「学校の先生」であるかもしれない。けれども、それが幻想であったことを僕たちは知っている。それが「ただ目の前に多くあった」だけにすぎず、それは「真実とは限らないこと」も、僕たちは知っているのだ。
褒められる為に生きる人たちがいる。大勢いる。
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褒められること、怒られないこと、バカにされないこと。この3つのスローガンを持って生きているひとがいる。それを本人たちは知らない。それが「自分の個性だ」と思って生きている。
これはどれも「じぶんでじぶんの人生に評価を下すこと」の放棄から生じるニーズである。評価を輸入に頼っている。そこに「土壌が育っていない」から。何も特別なことはない。内に足りないから、外に求める。足りないから、取られたくない。減らされたくないのだ。
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もう、飽き飽きしている。褒められる為に生きる人生の味には。人生にはもっとグラデーションがあるはずだ。それは唯一無二でなくたっていい。そんな無茶はいわない。ただ、そこには「じぶんの出した青」くらいあっていいだろ。
じぶんで選んだ絵の具と、色と、水分量と、その混ぜ合わせ。油をのせる紙も、そこに描かれる対象も。褒められる為に描かれた、レシピ通りの人生。もう、食べ飽きてしまった。
褒められる為の人生もある。否定しない。それも人生のひとつだからだ。けれども「そのひとつばかりになっている世界」には、飽き飽きしている。みんながみんな、同じものを追いかけて、同じような形になっていく。同じような人生を送っていく。これは他人の人生を食い物にしている人間のエゴでしかないが、そんな生き方はさっさとやめてほしい。もっと、お前の味を出してくれ。絵の具からつくれ、とは言わないからさ。
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生きてるだけでえらい。余計なことをしなくてえらい。きょうも人を殴らなかったし、嬲らなかったし、殺さなかったからえらい。そしてすごい。こうした事象が、世界には常に隠れている。「したこと」ばかりが見えて、「しなかったこと」が見えづらいだけなのだ。そこには無限の「えらい」が存在している。だから、それ以上えらくなくていいのだ。
特別、褒められることをする必要だってない。存在するために必要なのはメシと寝床だけであり、褒められても1カロリーにも、1分の睡眠にもならない。褒められる為に生きる必要はない。生きているだけでえらいのだから。
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たしかに、褒められることは手段になる。アレクサンドロスだって、世界征服のために「褒められること」を利用したし、それが成果につながった。ひとに評価されることは、そこに名誉を生み出し、名誉ある者には多くの人間を扇動する力が宿る。そういった意味で、評価されることは有用である。
けれど、多くのひとは勘違いしている。どれだけ多くの他人に褒められても、その人生の慰めにはならない。じぶんの人生を承認できるのは、その所有者であるじぶんだけ。他人の評価は、じぶんの人生を承認しない。そこにあるのは、じぶんのモノサシを紛失し、他人の評価でしか人生を測れなくなった人生だけである。結局、その「測り方」を承認するのはじぶんであり、そして、それを「妥当なデータである」と承認するのもじぶんだ。
褒められる為に生きなくていい。褒められる為に生きているのは、そこに「世界を見る目」がないから、それを「輸入に頼るしかない」からだ。生きているだけでえらいのだから、それ以上に賞賛はいらない。米くってりゃ死なない。パイナップルもピザも、ぜんぶ余剰。なくてもいい。あったらいいな、を「なけりゃ困る」に変換するな。
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「だれにも褒められない人生だってある」だって?本当にそんなものがあるなら、それをぼくは賞賛する。ぜひ見せにきてほしい。それは、いったいどんな味がするのか。たのしみだな~。だれにも褒められなくていいから、「褒められない人生」をたくさん食べていたい。もっとグロテスクな世界になってほしい。する。妖怪だらけになった世界を山の上から見下ろしたい。する。よし、世界征服じゃ〜。
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を書いた。補足、だと思ってもらえれば。
今日のTips①
・承認欲求は盲目から生じる。
・「やらないであげたこと」が無限にある。
・生きてるだけでえらいので、わざわざ褒められる為に生きなくていい。
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