完璧じゃない状態で進むさじ加減について
ちょうど担当しているサウンドロゴ制作の案件がありまして、そこで改めて「チームでモノを創るという」ということについて考えてみました。
フリーランスだからこそ大事なことなのかなと。
人に相談したり、頼ったりするのが苦手な人っていますよね。
僕自身、できる限り人に迷惑をかけたくないと思うし、自分なんかのために...とか考えて、つい自己完結してしまうタイプでした。
ただ、一人では手に負えない状況や、どうしても納得のいくクオリティに達しない時など、たくさんの困難に直面してきたことで、僕なりの仕事の考え方、進め方が最近明確になってきて、すごく楽になってきた気がします。
僕はギタリストとして自分のバンドでオリジナル曲をやることもあれば、クリエイターとしてCMソングやBGM、サウンドロゴなどを制作担当することもあります。
オリジナル曲、ってほんと難しいですよね。難しいというか苦しい。
何が一番苦しいって、苦労して生み出した先に「あれ、、この曲は果たして良いのだろうか…」という自分との戦いが発生する事だと思います。
大体途中までノリノリで作るんですが、だんだん、メンバーがなんて言うだろうか、お客さんは気に入ってくれるのか、そもそも自分はどこまでこの曲に自信を持っているのだろうか…。
考えれば考えるほどストレスになり、バンドだったらもはやリハに行くのがめんどくさくなってしまったり、ライブが延期になればいいのに、って思ったり、制作案件ならシンガー収録の日程をずらしてもう少し考えようか、って思ったり、納期を後ろにできないか、と本気で打診しようと悩んだり。
でも当然のことながら世の中は自分を中心に回っているわけではなく、嫌でも時間は来てしまうわけで。例外はなく今日もリハや本番、収録の時間は刻一刻と迫ってくる。
僕だけでなく、そんな悩みをずーっと抱えながら毎回苦しんでいる人は少なくないはず。
そんな僕がたどり着いた答え。
「仲間の力をとことん信じて、ありがたく借りる」
全て一人で完結する天才系アーティストは別かもしれないけど、大体はバンドだったり制作チームで動いていたり、歌はシンガーに歌ってもらう、というように、大体の作品は誰かと作っているんですよね。
僕はある時気づいてしまったんです。
もしかして...メンバー集めた時点で勝ち?
正直、めちゃめちゃ自信のない状態の曲やアイディアの時もあるんですが、僕が信頼して集めたメンバーに投げると例外なく予想以上のものになって返ってくる。
ある時から僕はあまりデモを自分で最後まで作り込まず、どれだけラフスケッチで、でも方向性だけはちゃんと示せているか、というところだけを意識して作品を作るようになりました。
ミュージシャンやアレンジャーがそれをもらった時に、それぞれの個性を出せる「余白」をできるだけ多く残しておくと、自由にスケッチしたり、付け足したりできる、っていう状態ってめちゃめちゃクリエイティブだと思いませんか?
もちろん予算や時間の都合上、一人で全て完結しないといけないこともあるんですが、最近は極力人を巻き込んで一緒に制作する方が自分には合ってると思っています。
そういえば昔からシングルスポーツよりもチームスポーツが大好きでした。
「お前の為にチームがあるんじゃねぇ、チームの為にお前がいるんだ」
大人になった今、安西先生のこの言葉がどれだけ大切な意味を持っていたのか、実感してます。(スラムダンク世代ど真ん中の中高バスケ部です。笑)
とにかく僕はボールをしっかり運んで、仲間にパスを繋ぎ、万が一シュートが外れた時のためにリバウンドを取れるようにしておく。
その上で意識している大事なこと。
・まずはとことん自分なりに苦しむこと
→適当に投げたボールは誰もとってくれない
・仲間の得意な部分を出来るだけイメージできるようにしておく
→なぜその人に頼むのか、という明確な理由が大事
・レベル50くらいの人の力を借りるために、自分のレベルもせめて35くらいまではあげておく
→あまりにこちらのレベルが低いと相手も本気を出さない
・最終的な責任はすべて負うという覚悟をもつ
→関わる人が多いだけ不測の事態は発生するという想定
・「力を貸してもらう」という気持ちを忘れない
→当たり前のことだけど感謝の気持ち、お礼。
特にフリーランスという働き方がメインのミュージシャンにとって、信頼できる仲間を集めておくと、一人で抱えるストレスから解放され、クオリティをがっつりあげられるし、仕事の幅も広がる。
逆に自分が頼まれる側の時も自分の役割や目的を見失わないで動ける、という効果も。(これは結構大事。借りは必ず返す。)
最近はそんな自分なりの仕事の進め方、ポジションをめちゃめちゃ意識して仕事してます。
一人でどうにかしないと!って思っている人の参考になれば幸いです。
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