オンラインライブ体験記(演奏する方)
今やライブの新しい形として定着しつつあるオンラインライブ。YouTubeライブインスタやらツイキャスやら、いろんなサービスがありますよね。
僕自身、実はお店から提案していただいたり、打診は頂いておりましたが、今のところ必要性がないというか、正直あまりピンときていない部分があり避けていました。
しかし今回、4月に開催予定だった山口いづみさんの延期公演が、やはりコロナの影響で無観客配信ライブにしよう、と決まりまして、このライブが僕にとって初めてのオンラインライブになったわけです。
この初体験の感覚はきっと特別なものだろうから、今の気持ちを残しておきたいな、と思ったので早速日記にしてみますね。
さて、どんなものかなー、なんて思いつつ、まぁ普段のライブと変わらないんだろうな、なんて漠然と思っていました。
感想は二つ。
①何はともあれ他の楽器とアンサンブルできるのって最高...(涙)
こればっかりは本音というか弱音でして、ちょっと最近さすがにライブが少なすぎてふとこの感覚を忘れそうになるんです。もともと例えば学生時代にバスケやってた時も、バスケを上手くなりたい、というよりはチームで成長するのが楽しい!って思うタイプだったので、1人で練習とか全然好きじゃないんですよ。(爆)
ライブ、レコーディングがあるからギターを弾きたい、上手くなりたい。じゃあライブが全然決まってない場合、何をモチベーションにしたら良いの?って。
久々にバンドで音を合わせて、その音の中に自分がいる感覚。日々の生活のめんどくさいこととか、全部忘れさせてくれるような時間はやはり僕にとって特別なモノなんだなぁと思いました。
ピアノの音に反応してギターのフレーズを変えたり、あれ、今ギター鳴ってなくていいな、ってベースとドラムに委ねたり、そんな空気に反応して歌の表情が変わったな、とか、アンサンブルでしか味わえない感覚です。
ほんの数ヶ月前には当たり前だったことが、今では特別なことになっている。それはもう紛れもない事実だけど、この感覚だけは体に染みついているんですよね。とても不思議です。
やっぱり僕にはライブが必要でした。
②これは僕の知ってるライブとは違う、新しい何かだ。
なんか...新しい未来って感じでした。それか過去と未来の切り替わる狭間みたいな。
だって会場にはお客さん1人もいないのに、リアルタイムでコメントがきて、画面の向こうではたくさんの人がライブ見てるんですよ?
もう意味わからんです...
ライブが終わってカメラに向かって挨拶してるときにふとタイタニックの、沈みゆく船の中で演奏をやめないバンドのシーンを思い出しました。
みんな会場から逃げ出してるのにバンドだけ最後まで演奏やめないんです。それしか生きる道がないから。パニックになってる人たちを落ち着かせようとしていたのかもしれません。いずれにせよ音楽家すごすぎです。
(僕だったら速攻逃げます。)
※画像はホームページからお借りしました。
(ちなみにタイタニックを思い出したのは、ラドンナの内装が見方によっては豪華客船っぽいから、というだけかもしれません。この柱とか、丸い感じとか。)
でも、いづみさんのライブは間違いなく観てる人がいて、リアルタイムでたくさんのコメントが流れてきていました。だから、顔は見えなくても確かにそこにお客さんを感じるんです。
これはやはりヘンテコな感覚でした。
僕が、「ミュージシャンになりたい!」って思ってた高校生の頃、誰がこんな未来を想像したでしょうか。
もはやこの先10年後にライブシーンがどんな風になってるか、想像もつきませんが、きっとその時代にあった表現方法があるんだろうなぁなんて考えてしまいます。オンラインライブに慣れてきた頃にはもう違う形が出てきたりして...
20××年「有観客ライブ禁止法成立」とかシャレになりませんよね...汗
とにかく今、音楽の歴史が目まぐるしく変わってるまさにその瞬間なんだと思います。
なんとか対応していき、今音楽家を目指している若者に希望を繋げたいものです!
ボーカル:山口いづみさん
ピアノ:寺村容子さん
ベース:熊谷望さん
ドラム:松尾明さん
そもそも、山口いづみさんとは10年ほど前に(10年て!まじか...)
というCD制作の際にアレンジなどを担当させて頂いたのがきっかけで今でもお世話になってます。
いつも綺麗で優しく、まさに憧れの大人、って感じです。
音楽を通して、こうゆう方とお仕事させていただけて、本当にありがたいです。きっとファンの方もテレビでみていた女優さんにこんな近くで会える、「ライブ」という機会を心待ちにしているはずですよね。
半年後か1年後かわかりませんが、ちゃんと通常のライブができる日常が戻ってくることを心から願っています。
追伸:note、いつもサポート頂きありがとうございます!8月はライブもないのでまたじっくり文章書きたいと思ってます。