セカンドハーフ通信 第58話 40年ぶりの再会

40年ぶりの再会

高校時代は剣道部に所属していた。その仲間と40数年ぶりに会う機会があった。

医者、出版社の発行人、教師、会社社長、会社員などなど職業は様々だ。体型や風貌は皆、正真正銘のおっさんだが、第一印象は「みんな変わらないなあ」だった。話をしてみると、やっぱり性格は変わっていない。だからタイムスリップしたように、すぐに40年前の人間関係に戻っていた。

とはいえ、話をしていると自分と同じように、それぞれが40年の間に様々な体験をしていることがわかった。医者の息子だったA君は2浪して医者になった。病院勤務をした後WHOで10年近く働いて、今は在宅医療の医師を続けている。外人の奥さんと結婚して御嬢さんはハーフだ。意外なことに彼は剣道を続けて今は7段になっているという。

週刊誌の記者になったB君は独特の路線で有名だった女性雑誌が休刊になると会社を辞めて自ら新しい雑誌を立ち上げた。芸能情報に強いことは今でも変わらず、マル秘情報をどんどん話してくれた。未だに終電まであちこちを走り回っている「永遠のミーハー」は変わらない。

一番頭のよかったC君は東大に行き物理学の大家になるのではないかと思っていたが、なぜか方向転換し高校の先生になった。その後、夜間専門の学校にいき、今も先生を続けている。彼は長い間水俣病に関する活動にもやっていると聞いた。これも彼らしいと思った。

皆それぞれの人生があるが、高校時代の性格そのまま、その人らしい生き方をしていると改めて思った。ずっと会うこともなく別の人生を過ごしてきたが、気の合う仲間の今でも変わらない性格がうれしかった。また会えるのを楽しみにしている。


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