45歳からの外資転職ノート 第7話 外資系企業のワーキングスタイル
第7話 外資系企業のワーキングスタイル
外資系企業と日本企業と違いの1つはそのワーキングスタイルにある。会社のオフィスレイアウトは、日本企業とは大いに異なる。特にスタッフ部門において、個人のスペースはプライバシーが保たれている。
私の入社した会社では各部門は背の高いパーティションで区切られており、個人のスペースも、前にいた日本企業の倍くらいの広さがあった。机を横に並べることはなく、各個人ごとにパーティションで区切られ、プライベートなスペースを確保している。部長レベル以上のポジションになれば完全なプライベートオフィスをもつこともできる。
つまり、外資系企業のオフィスではそれぞれが個人のプライバシーをしっかりと保たれるようにできているのだ。外国人の同僚は机のまわりに家族の写真や置物をおいて自分の部屋のようにしていた。正直言って一度このスタイルに慣れてしまうと日系企業のオフィスは味気なく思えて、もう戻りたくない。それほど居心地がよいのだ。逆に外国人が日本企業で働くのはつらいだろうと改めて思う。
一方、営業部門はまったく異なり、非常に合理的なレイアウトだ。彼らは基本的に顧客企業への直行直帰で仕事をしており、いつもオフィスにいるわけではない。だから個人ごとの机をもたず、フリーアクセスの机を使っている。机の前にいるよりお客さんと会うことが仕事なのだ。もちろん電話などのモバイル機器は絶えず携帯しており、伝言やメールは四六時中チェックしている。
日本企業で20年働いた私の感覚からすれば、そんなに自由でいいのかと思うこともあるが、実際、何が問題かと問われれば、その答えを探すのが難しい。このような勤務が可能なのは、各々が即戦力でプロフェッショナルであるという高いプライドとモラル意識をもって仕事をしているからだ。会社に来ないことで、仮に弊害があるとすれば、社員同士の横のつながりや組織を超えたつながりが少なくなることだ。よほど意識をしなければ部門内でのコミュニケーションが少なくなってしまうのも事実だ。
チームワークを尊重する日本企業のスタイルと個人の独立性を尊重する外資系企業のスタイルのどちらがベターなのか。最終的にはどちらがより成果が出るかで決まると思う。とすればその答えは単純にはだせないが、社員の意識と組織の成熟度によって決定されるべきものかもしれない。
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