セカンドハーフ通信 第109話 吉本問題の本質

吉本問題の本質

吉本興業の反社会勢力との裏営業事件が表面化し、話題となっている。有名人が次々に登場すること、社長のおかしな会見など、さながら吉本喜劇を見ているようだ。

マスコミが参議院選挙以上に吉本問題に時間をとるのはおかしな話だと思っているが、時間をとるなら本当に大事なことを議論すべきだと思う。

今回の事件の大事なポイントはなんだろう。1つは反社会勢力をサポートするようなことを芸能人がやったことだ。サラリーマンであれば懲戒処分になる問題だろう。但しこれは社内処分の問題であり、社会への影響力はあるものの個人が責任を負うものだ。

2つ目はもっと大きな問題だ。会社と社員である芸能人の間に書面の雇用契約がなかった。従ってこの問題が会社の知っていたことなのか、芸能人個人の問題なのかがわからない。雇用契約がないこと自体一流企業としては論外だ。

もしも、反社会的勢力との関係を会社が察知していたとすれば、会社のコンプライアンスが大甘であったということだ。契約の状況から想像するに、一流企業としての体制が整備されていない。

そんな企業が、最大で100億円も国から予算を割り振られているクールジャパン機構の教育事業の推進者であることは、安易で、おかしな気がする。

マスコミが取り上げるべきことは、誰が辞める辞めないと言ったということではない。それは芸能ニュースでしかない。

吉本が今日のように社会的に大きな影響力をもち、国の政策にもかかわる状況において、会社としてのガバナンスができているのか?ロールモデルになる会社なのか?という点を議論すべきだろう。

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