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プロダクト大好きセールスが本気で社内コンテストを企画してみた #SaaSLovers DAY3
皆様おはようございます。そろそろGWから現実に戻って来られておりますでしょうか。私は10連休をいただき、かなりリフレッシュできたのでバッチリ復帰できております!さて、GW明け一発目でお馴染みDoubleVerify小松さんから始まった#SaaSLovers ブログバトン企画ですが、今回のメンバーは以下の17名です!
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3日目の私は、社内コンテスト運用のコツについて書きます!
自己紹介
現在はHubSpot Japanにてプレイングマネージャーをしております。新卒のキャリアは楽天からスタートし、その後HubSpotに転職し在籍中に起業→独立して挫折→再入社といった形で関係各所にわがままばかり聞いていただいてます。。今でも温かい目で見守っていただける皆様には本当に感謝しかありません。必ずや恩返しする所存です!
前回SaaSLoversブログバトン企画に参加した際には営業DXについて等身大に噛み砕いて説明しましたが、SaaSなどのプロダクトを販売している営業組織において、社内向けのプロダクトの価値(を)浸透(させること)は最も重要だと考えます。それなしにDXと言い出しても何も変わらないはずです。では、具体的にどうすれば実践できるのか。今回は一つの手段としての社内コンテスト運用のコツをシェアできればと思います。
目的:社内向けのプロダクトの価値浸透
一つの手段:社内コンテストの開催
【本記事を読んで欲しい方】
・営業DXに興味がある方
・プロダクト(特にSaaS)を販売しているセールス/マネージャー
・ITベンダー、IT代理店関係者様
社内コンテストとは?
一般的にはチーム対抗戦で、ある課題に対してそれぞれのチームで期間内に準備をしてもらい、明確な審査基準に基づいて発表内容を評価し、上位入賞チームに豪華景品を贈呈するような社内向けのイベントのことを指しております。
2022年3月にHubSpot Japanでやった社内コンテストは以下のような概要でした。
形式:チーム対抗戦、セールスだけでなくカスタマーサクセスも参加
お題:実在するHubSpotのお客様に対して、Sales Hub Enterpriseを販売してください。
制限:コーディングなどを含む応用編の提案は無し
アウトプット:15分のプレゼンテーション
カスタマーサクセスにも参加してもらうのは意外と思われるかもしれませんが、HubSpotではセールスがカスタマーサクセスと連携してクロスセル/アップセルをすることも多いので(いつもありがとうございます)、その連携をさらに強化する目的もありました。
運営サイドはセールスメンバー4名/セールスマネージャー2名/CSマネージャー1名/セールスイネーブルメント1名の8名ほどでした。この手の施策は現場感がないと上滑りしてしまうので、現場の課題感を認識しながら全員にとって納得感のある形で進めました。
社内コンテストの前に
先述の通り、社内コンテストの開催は、社内向けのプロダクトの価値浸透という目的のための一つの手段に過ぎません。また、コンテストというアウトプットのために、必ずインプットが必要になるはずです。特にBtoBのSaaSプロダクトの場合、我々が用いたインプット方法を横展開いただけるのではないでしょうか。
具体的には以下のアジェンダで社内コンテストの1ヶ月ほど前から営業チームにインプットを促しておりました。
※Sales Hub Enterpriseというプロダクトについて、以下SHEと省略します。
・なぜ今SHEにフォーカスするのか?
・SHEとは?基本機能の理解
・SHEは誰に対して価値提供できる(=売れる)のか?
・SHEはどうやって売るのか?簡単なワークショップも
その中で、作成したスライドのイメージを以下にざっくり共有します。
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機能だけを理解して販売をしてもお客様の成功に寄与できない。一方で、バリューだけを把握して販売をしてもお客様の細かい要望に応えられない。
日々目まぐるしくアップデートされるプロダクトの仕様を隈無く理解し、自分の言葉でお客様にその価値を伝えられてこそのSaaS営業ですよね。(迫真)
社内コンテストの準備
コンテストの準備には1ヶ月ほどかかりました。この準備のフェーズが1番大変だと思うので、是非今後社内コンテストをご検討されている方の参考になれば幸いです。弊社内では大事な要素だけ押さえて、次はまた他の自社プロダクトにおいて横展開しようと構想しております。
決めたこと一覧はざっくり以下のような内容です。
・お題の対象となる既存のお客様
・ルール(制限事項)
・スケジュール
・チーム
・審査基準
・景品
それぞれの項目について、詳細を詰めていった時のポイントについて話したいと思います。
お題の対象となる既存のお客様
セールス側としても、CS側としてもやりとりが多く、お客様自身の課題をしっかり認識できている会社がお勧めです。今回具体名は伏せますが、いわゆる導入事例に載っていて社内の認知が高い会社だと進めやすいです。
ルール(制限事項)
先述の概要内の『制限:コーディングなどを含む応用編の提案は無し』にあたる部分です。この制限を設けておかないと、あるチームだけ突出したアウトプットになり、不公平だと思われるリスクがあるので、かなり慎重に考えました。
『応用編の提案は無し』という言葉にかなり集約されてしまっているのですが、最終的にはどこまでOKなのかのラインは曖昧になりがちなので、そのラインを確認するための質問を各チームからスプレッドシートに質問として投げてもらい、全員に見える形で運営局が回答していくような運用にしました。
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お客様の課題感に関しての質問がとても多かったのが印象的で、社内セールス&CSメンバーの顧客思考や想像力が垣間見得たのが個人的にはとても嬉しいポイントでもありました。
スケジュール
とにかく余裕を持ったスケジュールを組みましょう。(自戒)
この点に関しては本当に今回反省したのですが、仮決めとして延長できる余地を残しておかないと大混乱を生んでしまいます。
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ただ、チームとしてお勧めの動き(ミーティングの頻度など)を併記しておいた点は良かったと思います。審査をされるスケジュール感だけ共有されてもいまいちピンとこないと思うので、暗に本番までに5回くらいはミーティングしておかないと厳しいよという期待値設定にもなります。
チーム
なるべく違うチームの違うroleのメンバーを上手く混ぜて構成することをお勧めします。普段業務で直接関われない方から学べることも多いです。
各チームにはディスカッションをリードしてくれるようなシニアメンバーを最低1人はアサインする点も大事です。
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審査基準
じつは今回の社内コンテストは1st RoundとFinal Roundの二本立てにしたのですが、審査基準も少し変化を持たせました。
1st Roundにおいてはクリエイティビティー / ビジネスインパクト / ストーリーテリングの3つのポイントを満遍なく押さえられているかを審査基準としました。
Final Roundにおいては参加者全員がしっかり参加して楽しめることを重視しました。すでに1st Roundを経て上位3チームに絞られているので、ずばり審査基準は「どのチームから買いたいか?」この一点に絞りました。
審査基準も簡単なムービーで紹介しました。今回renderforest.comで作ったのですが、PR系の動画などもサクッと作れて本当に便利ですね。
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景品
まずは全力で社内の予算を集めてきましょう。通常業務の隙間を縫って準備してもらう以上、最高の景品を用意しない限りコンテストはもりあがりません。以下画像はサンプルです。でもどうでしょう、やる気に満ち溢れてきませんか?
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社内コンテスト当日
タイムテーブルを作成し、それぞれのパートでのオーナーを決めて進行しました。関数入りスプレッドシートをテンプレ化したのでよかったらそのままコピーしてご活用ください。
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当日使ったスライドは某お笑いコンテストを模倣した内容でしたのでnote上での詳細の公開は難しいですが、気になる方は直接お問い合わせいただければお見せします。笑
やって終わりじゃない。社内コンテストのその後
準備が大変な分、運営側としては開催だけして満足しがちな社内コンテストですが、以下2点だけは必ず併せて実行することをお勧めします。
①成果をトラッキング
②参加者からのフィードバックアンケート
①成果をトラッキング
HubSpotユーザー様にはおなじみかもしれませんが、弊社ではよくSMARTゴールという言葉を使います。簡単にいうと、測定可能で、具体的に達成プランを描きやすい、ビジネスに直結する目標を立てましょうという発想です。
その発想の基、『〇月から〇月の間に1セールス担当あたり〇〇件のSHE見込み案件を作成する』というゴールを立ててその成果をトラッキングしていきました。CRMやBIツールを使って常にダッシュボードに可視化して誰でも見える状態にしておくことがお勧めです。以下のイメージです。
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そして、嬉しいことにコンテスト以来SHEの売り上げがグングン伸びてます。セールスチームの皆さん、引き続きよろしくお願いしますね!笑
②参加者からのフィードバックアンケート
こちらは定性的に今回のコンテストの振り返りをして、次回以降より良いものにしていくための取り組みです。具体的に上がってきた声のサンプルも共有させてください。まずは学びに関してです。
・各roleで得意分野が様々だったのでいろんな角度からナレッジをいただけました。また、他チームの発表を聞けたのも非常に勉強になりました!
・提案のストーリーの進め方、多角的な視点での提案
・プレゼンテーションのストーリー作り、営業チームメンバーとのネットワーク
・SHEの与件を整理することができた
・ストーリーテリングの重要さを学んだ
・営業の方の提案の組み立て方が勉強になりました
・SHEというよりも、上手い人のプレゼンの方法を学べた
・各部門の着眼点が参考になったことと、本日のプレゼンの内容や見せ方、今後の提案に行かせそうだと思いました!
・SHEと直接関係ないですが、営業の方が売るためのプロセスをしれたのがとても勉強になりました(具体的には、誰に売るかを掘り下げること、そしてその「誰」に向けて、資料やデモを作ること)
次に、次回以降の要望に関する回答サンプルです。具体的にフィードバックいただけて非常にありがたかったです。
・日程がタイトだったので、経験が長い方にリードして頂く部分が少なからずあり、負担が偏ってしまった気がします。
・負荷が高かった
・FBで言いますとチームのスケジュール調整が難しかったので、課題発表からレコーディングまでにあと1週間位あると嬉しいです。
・コールがあったので最終発表に参加できなくてすみません・・・!
・〇〇も売っていきたいなと思うので、そういったコンテストあると嬉しいです!
運営局としてもかなりモチベーションに繋がりますし、次回は絶対全員に「非常に有意義だった!」と思ってもらえるような内容にブラッシュアップすると心の中で誓いました。
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もちろん満足度(≒eNPS)を数値としてトラッキングすることも大事ですよね。SMARTゴールと言いましたが、個人的には極論世の中数値で測れないことはないのでは?と考えます。
明日へのバトン
以上、社内コンテストをできるだけリアルにレポートした上で運用のコツをお伝えしましたが、参考にしていただけそうでしょうか。
もし実際うちでも社内コンテスト考えてて、、みたいなことがあれば可能な範囲でアドバイスさせていただきますので、いつでもお気軽にTwitter DMください!もちろん最近できたSaaSLoversアカウントにご連絡いただくのもありですよ。
さて、明日の#SaaSLovers ブログ執筆者の方は、Scalebaseでおなじみアルプ伊藤さんです!(いつもお世話になっております。) なんと今回ブログ企画参加は5回目で皆勤賞とのことでした。
どんなテーマで書いていただけるのでしょうか。お楽しみに…!!