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Sandler Training #2 / 7 @HubSpot Japan 〜営業は"UFC"で期待値調整しよう〜
こんにちは!HubSpot Japanの代理店営業、橋本太一です。前回10/20の #1 / 7 投稿から少し時間が空いてしまいましたが、#2 / 7の投稿です。HubSpot Japanの営業チームでは月末週だけは避けてSandler Trainingを受講しています。ロープレなどを取り入れながらインタラクティブになるように講師のYasueさんが上手くコントロールしてくれています。
タイトルにもある通り、今回はUFC(Up-front Contracts)と呼ばれる営業のテクニックについてトレーニングを受けました。私見も織り交ぜながら、理解を深めるためにもアウトプットしていこうと思います。結局マインドセットが一番大事なので、#1 / 7 投稿を読んでいない方は遡ってみてください。
UFCとは?
UFCはUp-front Contractsの略称で、日本語だと「事前契約」。どうもピンとこないですよね。文字通り「事前契約」という意味ではなく、事前に売り手と買い手の期待値をすり合わせるための一つのフレームワークです。
商談に臨む際のセールスパーソン(売り手)と見込み顧客(買い手)の心境を想像してみてください。(今風にZOOM商談のイメージです↓ ちなみに、HubSpotではコロナ以前からもオンライン商談が主流でした。)
セールスパーソン...入念に準備したプレゼンをしっかり聞いてもらうぞ!!😎
見込み顧客...比較検討のために、手短に商品デモを見たいな🙃
皆さまお分かりでしょうか。この悲しい現実を。
事前にお互いの期待値を設定しておかないと、不幸な未来が待っています。大体の場合ネガティブに作用することが多いです。
(例1) 最初から見込み顧客側が部署の全員をミーティングに連れてきた!
(例2) 確保していたはずの商談時間が諸事情で10分しかない...
つまり、セールスパーソン目線に立ってみると、結果として見込み顧客(プロスペクト)に踊らされることになってしまいます。
しかも更に悪質な事に、踊らされている間は見込み顧客の無茶な要望に応えるためにバタバタ忙しいので、仕事してる感が出てしまうので自分では気付かないことも多いのです。
次の商談の準備も疎かになって他の見込み顧客さまにまでご迷惑をかけることにもなりかねない。営業成績がふるわないセールスパーソンはなぜか忙しい忙しいと言っている傾向がある気がします(小声)。これは無症状の伝染病のようなもので、得体の知れない恐怖を感じます。どうしたらこの負の連鎖から抜け出せるのでしょうか。
そんなあなたに、Sandler TrainingはUFCという特効薬を処方します。
(※私はSandlerの社員ではございません)
UFCの2つのメリット
事前に売り手と買い手の期待値をすり合わせるための一つのフレームワークと前述いたしましたが、2つのメリットについて言及していきます。
UFCを活用して期待値調整ができていると...
メリット① 信頼関係を築くことができる
買い手目線で考えると、商談前に入念な準備をしてくれていることが分かって、商談の目的もクリアに伝えてくれるセールスパーソンって好印象ですよね。
私自身、あえて営業を受けてみることがあるのですが、最初から聞いてもいないのに料金説明をされた後にだらだらと質疑応答する時間は地獄でした。正直、この営業マン(あえてここではこういう言い方をします)はサボっているのだろうと分かりました。
持論ですが、高機能なプロダクトを活用してもらうことだけが顧客体験ではなく、営業プロセスから顧客体験は始まっているはずなので、このプロセスがフレームワーク化されていることは会社全体の利益にも繋がる発想だと思います。
メリット② 対等な関係性を築くことができる
確かにお金を払うのは買い手側で、最初はそのプロダクトに対しての価値が見えていない状態からのスタートなので、売り手側はどうしても下手に出がちです。しかし、最終的には購買してもらうタイミングでは、価値の等価交換であることが重要です。売買とはそういうものなので。
等価交換という行為自体、対等な関係性が築けていると非常にやりやすくなる傾向があるので、最初から対等な関係性を築いてしまいましょう。「このプレゼンを聞いていただいた後には、お客様にとってベストな選択ができるようになっているはずです」という具合で事前に伝えられていると良いですよね。
価値の等価交換をするために、最初から対等な立場に立った方がお客様のためになるというセールスパーソンのポジション表明をするのにUFCは最適です。
UFCの具体的なステップ
具体的にどういうステップなのかを以下に図解でご紹介します。
5つのステップで構成されています。
1. Time/Purpose ミーティングの目的の確認
2. Prospect's Role 買い手側の期待値の確認
3. Your Role 売り手側の期待値の確認
4. Outcome ミーティングを通じて得たい成果
5. Biggest Concern プロセスに関しての懸念点
これだけ見てもなかなかしっくり来ないですよね。HubSpotで実際にお客様とUFCを作り上げていくときの売り手目線トークを例に落とし込んで紹介してみます。
1. Time/Purpose ミーティングの目的の確認
「本日はお打ち合わせに40分ほどお時間いただき、誠にありがとうございます。お問い合わせに関しての疑問点をクリアにするためにお話しさせていただくという認識でよろしいでしょうか。」
2. Prospect's Role 買い手側の期待値の確認
「通常弊社までお問い合わせをいただく場合は、すでに色々とお調べになられることが多いですが、何か事前に確認しておきたいことはありますか。」
3. Your Role 売り手側の期待値の確認
「まずは御社のビジネスの理解を深めるための質問をいくつかさせていただき、その中でお互いの理解が深まれば幸いです。」
4. Outcome ミーティングを通じて得たい成果
「ビジネスの相互理解が進んでメリットが見えた後は、貴社のためにカスタマイズしたデモなどをお見せできればと思います。」
5. Biggest Concern プロセスに関しての懸念点
「このようにお伝えしているのは、お互いにとってのメリットが見えない限り、HubSpotの多機能なツールを見てもらってもあまり意味がないことが多く、お互いの時間の無駄にしたくないからです。」
以上1-5の要素を含んだ事前の期待値調整があれば、その後に始まる商談がうまくいく気がしませんか?ここの部分をアイスブレイクの延長としてぼやかしてしまうと、商談にもいまいちメリハリが出てこないのではないでしょうか。
UFC作成のタイミング
これまでUFCは商談の事前準備であるとお伝えしてきましたが、実はUFCはいつでも作成可能なのです。電話で商談をセットするタイミング、商談の始まり、商談終わり、クロージングをするときなど、やり過ぎることはないです。
商談中に次のステップを固めていく作業って意外と難易度が高いのですが、UFCのようなフレームワークを活用するとグッと簡単になりますね。
クロージングをするときにUFCができている営業は、本当に素晴らしいと思います。前述の顧客体験の話にも繋がりますが、お客様としても安心して購入に進めますし、カスタマーサクセスとしても営業からお客様の期待値を聞いて導入支援などを行えるのでいいことだらけです。
UFCってすごい。
余談
HubSpot Japan社員から見たUFCは、
営業プロセスの中で何回でも行うべきだ!
テストクロージングのようなものだ
カスタマーファーストのマインドセットだ
見込み顧客との認識のズレがなくなる
という意見が出ました。
私自身も営業のテクニックも全て元を辿るとマインドセットの話になるのでは無かろうかと感じてきました。
長くなってしまいがちなので第3回と第4回のトレーニング内容は1つのnoteにしてしまおうかと考えてます。お楽しみに。