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「泥々」のこと(1)はじめに

私が運営している「泥々」という陶食器ブランドのことについての記事です。

別にこんなことを書いたところで読んでも面白くもなんともないので、書かなくてもいいのだけれど、なんとなく自分のために書いておきたくなったのでここに残すことにします。

構想自体は大学生の頃にあった。
当時、美大の建築学科に入ったものの、いまいち設計が何かわからず、遊び歩いていた。商店建築が面白くて、実物を見ようと青山のプラダとかコムデギャルソンや銀座のエルメスなど見て回っていた。だんだんと建築ではなくて、服飾ブランドっていうものが気になってきた。

ディオールの白の半そでシャツが10万。素材も縫製も抜群。形も美しい。価値はわかる。これが10万円で売れる。わかるようなわからないような世界だけど、物はすごくよかった。もちろん買えないけど。

そんな中でLVMHの存在を知った。

ブランディングという概念が存在することも知り、LVMHに関する論文がネット上にいくつかあり読み漁っていた。
「これ陶器でやればいいじゃん」と思った。
志野など独自の技術もある、釉薬の表現は独自性もある、なんにせよ歴史がある。これ絶対良い感じになるじゃん、って。
ブランディングも蓋をあけてみるとなかなかの深さで、ブランディングという考え方自体の歴史としてもかなり古かった。
その中でも、やっぱりLVMH。この壮大な仕組みにぞっとさせられた。莫大な資金と綿密な設計には太刀打ちできないと思った。

でも、LVMHのほんの少しでも陶器業界でできれば面白いんじゃないかな、と思っていた。そして、自分がやらなくても、そのうちだれかやるだろう、とも思っていた。

それから20年弱。そんなに変化してなかった。どうしようかな、と思う間もなく、なんとなく自然と自分に順番が回ってきた。迷う間もなくやることにした。構想はできていた。
伝統を重んじるなら、やっぱりまずは製造からだな、と思って始めることにした。

さて、LVMHの様相を示すのはいつなのか・・・と途方に暮れるが、急ぐ必要もないだろう。
それにLVMHと同じことをやっていてもだめ。探りつつ進めないといけないだろう。


まだまだ続きます。


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堀太一
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