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夏の終わりと一騎討ちの始まり〜24-25カーリング追いかけ日記#3

先週の振り返りが思いのほか長くなってしまったが、今週(第5週)の大会については目次からジャンプしてください🙏


先週(第4週)の振り返り

先週の追いかけ日記はこちらから。

🇯🇵アドヴィックスカップ

すでにご存知の方も多いと思いますが、男子はコンサドーレが稚内みどりCHALLENGE CUPに続いて連勝、女子は稚内と同じ決勝のカードで、今回はフォルティウスが優勝となりました。コンサドーレは、ビックエンド(3点以上)を取られることもなく、スチールされることもなく、完勝と言っていいと思います。来月から始まるカナダ遠征、そしてPCCCへと、期待が高まります。男子で印象的だったのはKiT CURLING CLUBで、点差のついた2連勝スタートから一転して、SC軽井沢、ドラーゴ、SC軽井沢、TM軽井沢と1点差で決まった試合を4試合戦い抜きました。結果的に“8エンド先攻、1点リード”の状況(期待勝率は55%ぐらいでほぼ互角)からSC軽井沢に2回負けたのが結果に響きましたが、最後まで崩れない試合運びができるのは実力がある証拠だと感じます。男子の北海道カーリングツアーは今年はこれで終わりですが、2月までにどうレベルアップできるのか、それを横浜での日本選手権でどう見せてくれるのかが、楽しみなところです。世界ジュニアB選手権に出場予定のジュニア代表(アイスライン)やアジア大会代表(チーム関東)は苦戦する場面が多かったですが、今回の経験が大会までの準備にとって有意義なものになると良いですね。

フォルティウスは、“先行逃げ切り”が得意なチームでというのが私の中のイメージで、一度リードしたら逆転させてくれないという印象が強い(相手からしたら、ハンマーも取られたくない)のですが、強豪が集まった準決勝・決勝をそういう得意な展開で戦えたことも、優勝できた理由かと思います。3人で戦ったロコ・ソラーレや石郷岡選手が全試合に出場した中部電力などは、シーズン序盤であることをある程度意識した上での戦いだったようにも見えて、その中でも一定の成績が残るのは(特に2連敗から準優勝した中部電力は)さすがでした。その一方で、日本選手権で決勝を戦ったSC軽井沢と北海道銀行が準々決勝で負けてしまったのが、試合は最後まで接戦だったとはいえ、少し残念でした。真価が問われるのは、カナダ遠征だったり、今後のもっと大きな大会だったりするとは思うので、“勝ったり負けたりの負けが、このタイミングだっただけか”という風に後から思えるようになってほしいですね。

男女の🇰🇷韓国代表チームは、🇰🇷キム・ウンジが3位とその実力の片鱗を見せた一方で、🇰🇷イ・ジェボムは、勝てそうだったSC軽井沢戦を逆転で落とし、結果的には3連敗と残念な結果に終わってしまいました。まだ若いチームではありますが、今年から🇨🇳中国もPCCC-Aに上がってきますし、そこに向けて、きちんと準備してほしいですね。

🇯🇵日本ミックスカーリング選手権

今年のミックスカーリング日本代表は、関東ブロック代表のチーム市坪となりました。前回のミックスダブルス日本選手権を見ていた立場からすると、前回と今回のミックス日本代表は“浦瀧-市坪リレー”にも見えるのですが、“東京のチーム”がミックス4代表になるのは、まだ実質4回目の大会で2度目で、今回も予選はAブロックもBブロックも関東のチームが1位通過だったので、何か秘密でもあるのかなと思ったりはします(働きながら競技を続けやすいんですかねぇ…)。決勝戦は最後までわからない熱戦だった(最後しか見ていないのですが…)ようですが、予選が混戦模様だった中でも、結果的に無敗の7連勝で優勝したチーム市坪が強かったのかと思います。手元の情報だと、世界ミックスカーリング選手権(2024年10月12日〜19日@🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿アバディーン)では、🇳🇴ノルウェーや🇪🇪エストニアや🇩🇰デンマークのいる比較的難しい組に入った(情報の信憑性は怪しい)ようですが、前々回から継続中の予選通過を続けてもらって、あわよくばもっと良い成績を残してもらえればと思います。

🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿ユーロ・スーパーシリーズ

🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿ユーロ・スーパーシリーズは、男子が🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿󠁿󠁴󠁿󠁴マウアット、女子が🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿ヘンダーソンの優勝となりました。男子は、大方の予想通り、🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿ホワイトとのスコットランド頂上対決が決勝のカードになりましたが…🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿ホワイトは、プレーオフでの🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿󠁿󠁴󠁿󠁴マウアットとの直接対決に全然勝てないですね。昨季は決勝で3回当たって、すべて🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿󠁿󠁴󠁿󠁴マウアットの勝ち(Euro Super Series、Stu Sells Oakville Tankard、Perth Masters)で、今季ここまでの2大会も準決勝と決勝で󠁴󠁿󠁴󠁿󠁿󠁴󠁿󠁴🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿マウアットに負けて敗退。一方、昨季🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿ホワイトが優勝した大会(Shoty Jenkins Classic、スコットランド選手権)では、プレーオフでの🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿󠁴󠁿󠁴󠁿マウアットとの対戦はありません。“非公開の選考基準”で選ばれるスコットランド代表を争う上でも、本当は一般の大会の段階から“󠁿󠁴󠁿󠁴🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿マウアットの代わりが務まる”ところを見せたい🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿ホワイトですが、今日8月27日にやっと30歳になるB.󠁿󠁴󠁿󠁴マウアット選手やそのチームメイト(32歳〜27歳)には、まだまだ衰える様子は見えません

一方で、女子は2023年世界ジュニア選手権優勝スキップのF.ヘンダーソン選手が率いるチームが、🇺🇸ストラウス、🇨🇦マクミラン、🇮🇹コンスタンティーニというランキング上位勢をプレーオフで下して優勝しました。スコットランド代表の🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿モリソンを破ってスコットランド選手権で優勝した去年のチームに、今年は世界ジュニア優勝時のサードであるR.ムンロ選手とL.デビー選手が加わり、カナダからスコットランドに移住したばかりのC.グランディー コーチからのサポートも受けられるようです(ずっとコーチ席で観戦していました)。この数年と違うチームがスコットランド代表になるのは、男子より女子の方が先かもしれません。世界ジュニア決勝の最後の1投を覚えているからかもしれませんが、フォースの投げ手としては、F.ヘンダーソン選手の方が(相手からすると)怖い気がしています。(ちなみに、この大会の🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿モリソンは、S.ジャクソン選手がリード/スキップで、R.モリソン選手はフォースでした。)

北海道の夏を締めくくる🇯🇵アルゴグラフィックスカップ

前半が長くなりましたが、そろそろ今週(第5週)の大会の話をしましょうか。

女子の北海道カーリングツアーの最終戦は、北見で行われる🇯🇵アルゴグラフィックスカップ(推定SFM:4.5)です。施設に観客席が設置されていないため、現地観戦はできない大会ですが、韓国から🇰🇷ハ・スンヨンも出場し、 日本勢と同様にその後カナダ遠征に出発していく模様です。

アルゴグラフィックスカップ 予選対戦表

予選2ブロックでそれぞれ上位2チームがプレーオフに進出しますが、4人で出場するのかが気になるロコ・ソラーレは、Aブロックで🇰🇷ハ・スンヨンと同組。意外にも、ともに代表チームだった一昨季にPCCCや世界選手権で対戦があったのが最後で、昨季は対戦がありませんでした。一方、ここまで2大会でともに決勝進出している中部電力やフォルティウスは、Bブロックで先週に続いて予選同組。どちらもこの大会で優勝すれば、グランドスラム第2戦「カナディアン・オープン」の出場確率がかなり高まります(細かいポイント計算は別で記事にするかも)。他の6チームも国内の強豪チームばかりなので、ランキング上位チームを押し退けてプレーオフに進出できるのか、注目しています。

欧州の夏を締めくくる🇳🇴オスロカップ

“欧州開幕3連戦”の最後になるのが、ノルウェーで行われる🇳🇴オスロカップ(推定SFM:男子 5.0・女子 5.0)です。試合は日本時間29日(木)22:15から始まり、決勝は1日(日)22:00から行われます。(配信の状況は不明です)

男子の部には、🇸🇪エディン、前年優勝の🇨🇭フースリ、シーズン開幕から上位進出が続く🇨🇭ブルナー、アメリカから遠征する🇺🇸シュスターなど、欧州の強豪〜中堅チームを中心に20チームが出場します。5チームずつ4つのグループに分かれて、全体の1位〜8位がプレーオフに進出します。

女子の部には、🇸🇪ハッセルボリ、🇸🇪ヴラノー、🇨🇭X.シュヴァラーなどのランキング上位勢に加えて、国の代表チームとして欧州選手権Aに出場が見込まれる🇳🇴ルルヴィク、🇪🇪トゥルマン、🇩🇰デュポン、🇹🇷ユルドゥズ、🇱🇹ポーロースカイテなど、12チームが出場します。2つのグループに分かれて、各グループの1位が準決勝進出、それ以外に全体6位までの4チームが準々決勝に進出します。

🇸🇪スウェーデン女子世界選手権代表選考の対象大会

今大会の注目ポイントの1つは、🇸🇪スウェーデンの女子世界選手権代表争いの対象大会の第1戦であることです。今季のスウェーデン女子の世界選手権代表選考規程では、指定された7つの大会のうち、獲得ポイントの大きかった6大会のポイントを合計した数値で、世界選手権代表を決めます(ちなみに、欧州選手権代表は、2週間後の代表決定戦で決定)。7つの大会のうち、4つはグランドスラム(1月のマスターズまでの4大会、欧州選手権出場チームはグランドスラム1大会の代わりに欧州選手権のポイントを使うことも可能)で、残りの3つの大会は指定された一般の大会なのですが、その一般の大会の1つ目がこの🇳🇴オスロカップです(残り2つは、第8週の🇨🇭ウィメンズ・マスターズ・バーゼルと第11週の🇨🇦Stu Sells トロント)。“7大会中6大会”なので、1大会は失敗しても大丈夫ということになりますが、その余裕を最初の対象大会で使いたくはないでしょう。仮に決勝で対戦するようなことになれば、代表決定戦第1戦と見紛うばかりの負けたくない試合が両チームによって繰り広げられることでしょう。

ちなみに、今回の記事のトップ画像は、この大会にちなんで、オスロにある🇳🇴ノルウェー王宮なのですが、その前に立つ銅像は、この城の建設を命じた当時の🇸🇪スウェーデン王カール・ヨハンだそうです。

その他の大会

🇨🇦U25 NextGen クラシック(若手強化指定枠争奪戦)

今週、一番最初に始まる大会は、若手を対象にした「🇨🇦U25 NextGen クラシック」です。この大会は6月30日時点でのチーム4人の合計年齢が100歳(平均25歳)以下のチームしか出場できず、優勝したチームは25歳以下の強化指定チームに選ばれ、2シーズンにわたって、強化合宿に参加できたり、活動の支援を受けられたりします。25歳という区切りには、大学卒業後も競技を継続できるようにする狙いがあると思われますが、大学のカーリングチームも多く出場しています。(他には、ジュニア選手権優勝チームを対象にしたU-21や国内ランキングで選ばれるU-27のカテゴリーもあります。)

まずは4人制の大会が日本時間の28日(水)早朝5時から行われ、31日(土)早朝4:30から決勝が行われます。その後、ミックスダブルス(MD)の大会が日本時間の31日(土)午前9:30から始まり、その決勝が3日(火)早朝3:30から行われます。会場はエドモントンにある「サヴィル・コミュニティー・スポーツセンター」です。

🇨🇦アイスブレーカー・チャレンジ(北米でのシーズン初戦)

マニトバ州のモリス・カーリングクラブで行われる大会で、北米では今季最初のツアー大会と言えるでしょう。国境を超えて🇺🇸アメリカから参加するチームが目立ちますが、特に女子の方では、🇨🇦キャメロン、🇨🇦スカーリク、🇨🇦セベノットなど、女子カナダ選手権に出場経験があるチームもエントリーしています。


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