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次のステップに進む3チーム〜24-25第10週ふり返り

今週は、現地火曜日からグランドスラムが始まり、月曜日まで日本のチームの試合があったので、すごく長い1週間だった気がしますが、同時に幸せな1週間だったような気がします。推しチームの成績によっては、そう思えない方もいるとは思いますが、“世界トップクラスのカーリング見放題”は今までなかったことかと思いますし、今後どうやって持続可能な形に落ち着くかが次第に明らかになっていくでしょう。

今回から、結果の紹介はそこそこに、Curling Zoneにお任せして、もう少し自分の気になったポイントに寄せてみようかと思っています。今週のグランドスラムのプレビューその他の大会のプレビューは、こちらからどうぞ。


身近に感じられたグランドスラム:ツアー・チャレンジ

新しい運営主体の元で開催された初めてのグランドスラムになりましたが、全試合の配信が始まり、そこで何が起きているのかが世界中に伝わるようになっただけで、こんなに身近に感じられるものなんだな!というのが、私の正直な感想です。今までみたいにショット率とにらめっこするのも1つの楽しみ方(今回もTier 2はそういう応援の仕方でした)ですが、試合ごとに配信があるありがたみ(それによって ABEMAでの配信が可能になったという面も含めて)を感じています。あとは、カメラを動かすスピードが速いテイクアウトに追いつけば…(苦笑)。“石同士が当たる瞬間”は、さすがに見られるようにしてほしいですね。

久しぶりにベスト4まで来た🇯🇵ロコ・ソラーレ

 日本のカーリングファンの多くにとって、グランドスラムは“🇯🇵ロコ・ソラーレを見に行くところ”だったとも言えます。昨季までの配信の仕方だと、必ずすべての大会でその姿を見られる訳ではありませんでした。プレーオフに残れば、試合時間のおよそ4分の1は配信してもらえましたが、昨季、予選を初めて通過できたのが、当初の予定を変更して日本選手権直前に参戦した第4戦「カナディアン・オープン」でした。

幸いにも、今季からは予選通過しなくてもその試合を視聴できる訳ですが、当然、良い成績を期待することはやめません。そして、その期待にすぐに応えてくれました。ベスト4に進出したのは、2023年「チャンピオンズ・カップ」以来1年5ヶ月ぶりでした。🇨🇦エイナーソンに0-12(!)で負けたあの準決勝を覚えている人もいるでしょう。

今回はそんな一方的な試合にはならず、エクストラエンドまで続く接戦でしたが、当時世界ランキング1位🇨🇦と4位🇯🇵で準決勝に臨んだ2チームと違い、今週は世界10位🇨🇦と11位🇯🇵の2チーム。お互いに苦しい時期を過ごしたことが表れていますが、最終的に優勝した🇨🇦エイナーソンとともに、良いキッカケになりそうな大会だったと思います。特に私なんかが“ひさしぶりのベスト4おめでとう!”みたいなのんきなことを感じている中で、準決勝敗戦後のインタビューは、悔しさと向上心と今後の自分たちへの期待に満ちあふれていたように見えました

準決勝で印象的だったのが、第8エンドの🇯🇵後攻4投目の選択でした。相手のミスの直後で、ドローでNo.1&No.2が作れる状態でしたが、ハウス手前に3つ並んでいた相手の石のガードを動かしました。解説者も意外そうな選択で、1点ビハインドなので2点目をとりあえず作りたいのもわかります。ただ、ガードがこのままだと、カマーやタップで相手に強いNo.1を作られた後に、ランバックが決まるかどうかの勝負になる可能性があります。一方で、ガードがなければ、ドローのコースが残り、ハウスの中を直接狙う展開になりやすいでしょう。

こういうときに“スイープを生かしたカーリング”を自称して志向するチームがどちらを選ぶかを考えると、私にはガードをはらう方が自然に感じられました。もっと言えば、ノーティックルール導入後に各チームがそれに対応していく中で、この2択が🇯🇵ロコ・ソラーレの苦悩の1つだったような気すらしています。そこで“自分たちらしい”方の選択肢を選ぶことに決めた、決められるようになったのであれば、今後も良い方向に進める気がします

女子の2チーム目を期待し始めて早2年…いきなり4チーム?

今回、大会前からひとつ気にしていたのが、第2戦「カナディアン・オープン」の出場チームでした。数週間前からその時点の世界ランキング自体とは違う計算をして、女子は日本の3チームのどこか1チームでもグランドスラム出場権までランキングを伸ばしてほしいと思いながら、シミュレーションの結果をまとめていました。第2戦「カナディアン・オープン」の出場チームは10月8日の世界ランキングで決定されることになっていますので、ツアー・チャレンジの週のポイントまでが加算されます。ツアー・チャレンジが始まる時点では、日本の3チームの競争相手になりそうなチームはいくつもありましたが、🇯🇵ロコ・ソラーレの勝利で🇺🇸T.ピーターソンが予選敗退となり、🇨🇦スカーリクや🇨🇦キャンベルが予選通過を逃し、🇰🇷ハ・スンヨンもベスト4止まりになったことも相まって、女子Tier 2準決勝終了時点で、今週10週目終了後に13位🇯🇵北海道銀行、14位🇯🇵フォルティウス、15位🇯🇵中部電力と、日本の4チームがグランドスラムの出場権内に入ることが決まりました

カナディアン・オープン 女子出場権争い
ちなみに 男子はこんな感じで 🇩🇪ムスカテヴィッツが圏外に

私個人としては、Twitterで「🇯🇵中部電力がグランドスラム出るかも」と、言い始めたのがおよそ2年前(下のツイート)で、今まで🇯🇵中部電力も🇯🇵フォルティウスもあと少しのところで届かなかった(または日程の都合で参加できなかった)のですが、今季に入って🇯🇵北海道銀行がその2チームをあっという間にランキングで追い抜いていきました。それに触発されたか、カナダ遠征中は、🇯🇵中部電力が「サヴィル・シュートアウト」でベスト4に入る(日本のチームで3番目だから、すごさが伝わりづらい…)など予選通過する大会を積み重ね、🇯🇵フォルティウスもTier 2での決勝進出で最後に滑り込んだ、という感じでした。ただ、いきなり1チームから4チームに増えるとは、さすがに思っていなかったですね…。出場チームについては正式発表を待ちたいですが、11月のグランドスラムであれば、どのチームも出場してくれるでしょう。(今回Tier 2を3連敗で終えてしまったSC軽井沢女子もぜひそのうち…)

グランドスラム出場の重要性については、今の方がより強く感じている部分があります。🇨🇭スイスや🇸🇪スウェーデンなど、他の国がグランドスラムでの成績を重視して代表を選んでいる(揺り戻しもあるようですが…)状況で、🇯🇵日本が強い日本代表を選びたいのであれば、a)日本選手権での一発勝負をやめて、グランドスラムを含む、もう少し長い期間での成績で選ぶか、b)日本選手権で、世界でも強さを発揮できるチームが優勝するようにするか、どちらかになると思います。グランドスラムが世界でも数少ないアリーナアイスでの大会で、そこでの経験が同じくアリーナアイスで行われる世界選手権で好成績を残す上で役に立つことは、様々な選手が示唆しています。同時に、“強い日本代表を選ぶ”ために、日本の競技環境において今の日本選手権が果たしている役割を奪うのは、必ずしも得策とは言えません。それを両立させるために、日本選手権を横浜のアリーナアイスで開催するというのは、1つの方策ではありますが、もう1つできることは、参加チームの中に、アリーナアイスでの競技経験が多いチームを増やすことです。極端に言えば、“日本選手権でどのチームが優勝しても、アリーナアイスで実力を発揮できる”のであれば、日本選手権で代表選考するというフォーマットを残しても、“世界でも強い日本代表チーム”が選ばれる可能性は高くなるでしょう。グランドスラムに出場する日本のチームが増えるのは、この点において大きな利点があると考えています。ですから、1大会と言わず、今後も継続的に複数のチームが出場してほしいですね。(まぁ、それを継続するのが大変なのですが…)

ツアー・チャレンジ関連の他の話題を一気に

  1. 🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿󠁿󠁴󠁿󠁴マウアットのグランドスラム全大会制覇
    実は大会が終わって、ある記事を読むまで全く気づいていませんでしたが、男子ではこれで🇨🇦グジューに次いで2チーム目。波があるように感じる時もありますが、良い時は本当に手をつけられない強さを見せるチームです。

  2. ピーターソン姉妹のいない🇺🇸Tb.ピーターソン
    妹のタラ選手は先日出産されたばかりですが、姉のタビサ選手も産休に入られた(ちなみに🇨🇦K.ローズ選手もこの大会後に産休)ようですが、久しぶりにスキップを務めたC.ティーシー選手がどこかイキイキしていたような印象も受けました。2022年の世界選手権に出場したチームと比べると、3人は当時のチーム🇺🇸クリステンセンの選手でした。アメリカは協会主導(強制ではないらしいですが…)でチームの統合・解散をしているようで、ちょっと強引な感じに見える(特に女子)のが、個人的には少し残念です。

  3. おなじみのグランドスラムで自信を取り戻した🇸🇪ヴラノー
    今季も🇸🇪ハッセルボリとの代表争いを繰り広げている訳ですが、欧州選手権代表決定戦では4連敗。特に心配だったのが、チームの最大の武器とも言えるスキップのI.ヴラノー選手のラストロックが今ひとつ決まらないこと。初戦 vs🇨🇭X.シュヴァラーでも決まれば勝ちの場面を決められず、ずるずる行ってしまうのかと思いましたが、2戦目のvs 🇨🇦スターメイでエクストラエンドの後攻ラストロックを決めた後のチームメイトの喜び方を見て、“きっとその辛さも共有されたいたんだろうし、これでもう大丈夫かな”と思っていたら、そこから3連勝でプレーオフに進出しました。
    🇯🇵ロコ・ソラーレとか、🇨🇦エイナーソンとか、男子の🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿ホワイトとかもそんな印象なのですが、グランドスラムの常連チームの中には、“水を得た魚”のようにグランドスラムに来ると元気が出るタイプのチームがあるような気がします。🇸🇪ヴラノーのように代表で活躍するチャンスは少なくても、グランドスラムを自分たちの居場所だと感じ、自分たちの力を証明できる場所だと考え、同時にそれが簡単じゃないとわかっているからこそ、力が出るんでしょうかねぇ

  4. 軽井沢の2チームはあと一歩だった男子Tier 2 
    日本の男子チームでは、🇯🇵TM軽井沢と🇯🇵SC軽井沢クラブがTier 2に出場し、初戦でいきなり対戦していました。両チームともBイベント決勝まで駒を進めたものの、そこから2連敗で予選敗退。Bイベント決勝まで来たこと自体が、プレーオフも狙えるだけの力があることを示していると思いますが、接戦も多かったように見えるだけに、選手も悔しさを感じているのではないかと想像しています。🇯🇵ロコ・ソラーレについては、一度負けた🇺🇸Tb.ピーターソンに勝ってプレーオフへ!とか言っていましたが、逆に、🇯🇵TM軽井沢が一度勝った🇺🇸キャスパーに最後負けてプレーオフを逃すと、やはりモヤっとします。

  5. 🇨🇦クライターと🇨🇦ブラックのTier 2優勝
    Tier 2では、🇯🇵フォルティウスが惜しくも準優勝でしたが、男女の優勝チームにとっては、大きな意味のあるTier 2 優勝だった気がします。男子Tier 2で優勝したサスカチュワン州の🇨🇦クライター(Kleiter)は、これまでスポンサー枠で1度グランドスラムに出場したことがあるだけでしたが、今回の優勝で第4戦「マスターズ」の出場が決定。男女ともに毎年州代表が変わる印象のサスカチュワン州で、今季は🇨🇦マキューウェンがすでにカナダ選手権出場権を持っていて不在なため、州選手権の優勝候補筆頭と言えそうですが、州選手権の直前に行われるマスターズが良い“助走”になるかもしれません。
    一方の🇨🇦ブラック(Black)は、3年連続でTier 2のプレーオフに残り、3度目の正直でついに優勝。プレビューの中では若手の優勝を阻む“門番”になりそうだと書きましたが、第15シードから自ら頂点まで上り詰めました。昨年も一度スポンサー枠でグランドスラムに出場しましたが、ノバスコシア州選手権を勝ち抜くことができず、女子カナダ選手権には出場できませんでした。ただ、東部沿岸部の代表的な女子選手では、スザンナ・バート選手(Suzanne Birt)が一線を退き、アンドレア・ケリー選手(Andrea Kelly)が北オンタリオに移籍し、K.バージェス選手(Karlee Burgess)のような有望な若手がマニトバ州のチームでプレーする中で、実績豊富なジル・ブラザース(Jill Brothers)をサードに迎え入れた🇨🇦ブラックには、大きな期待が集まっていることでしょう

  6. 恒例の予選通過予想の結果は…
    グランドスラムのたびに(勝手に)行っている予選通過チームの予想(優勝チームはとても当たりそうに思えないので…)ですが、女子はTier 1もTier 2も8チーム中4チームが当たっただけ男子はTier 1が6チーム、Tier 2が5チームと多少マシでした。軽井沢国際に来る予定のTier 1チームが全チーム予選敗退とは…そんなことあります?🇨🇦スターメイや🇨🇭ブルナーはまだしも、🇮🇹レトルナスも🇸🇪エディンも🇨🇭ティリンツォーニも🇸🇪ハッセルボリも、そろって予選を通過できないなんて普通予想できないですよ…。

🇯🇵小穴/青木と🇯🇵松村/谷田の終わりなき対戦:Aly Jenkins ミックスダブルス メモリアル

ミックスダブルスでは、今週も🇯🇵小穴/青木と🇯🇵松村/谷田が同じ大会に出場し、ともにプレーオフに進出し、準決勝で対戦しました。稚内でのミックスダブルス日本選手権推薦チーム選考会で2回対戦し、その後、公式戦では先週に続いて2回目の対戦となりました。結果は🇯🇵小穴/青木の勝ち(8-5)でしたが、エクストラエンドまで続く熱戦でした。

カーリングに引き分けはないので、当然のように勝敗がつくのですが、お互いに多少のミスはあるにせよ、特に今週の試合は”この小さいミスで勝敗がついてしまうのか”と思えるような状態。1つのエンドが一方的に終わることも少ないし、小穴/青木がエンド中盤で見事にテイクしても、すぐに松村/谷田のドローが空いた空間に入ってくるような印象でした。選手自身は“小さなミスの大きさ”を理解しているのでしょうし、私のような感覚ではないのかもしれません。ただ、この2試合で松村/谷田の後攻で複数点が一度も取れていないのは、やはり小穴/青木がうまくやっているということなのでしょう。後攻でリードを広げられないなら、うまくハウス内の良い位置に先着して、スチールの回数を増やして勝つような方法も模索するのかもしれません。

日本の五輪代表選考では、ミックスダブルスでも“世界ランキング国内最上位+日本選手権3位以上”という方法で五輪代表決定戦に出場することができます。他のチームにも門戸は開かれていますが、実質的にはこの2チームの一騎打ちとなっています。現在は小穴/青木が24ポイントほどリードしている状況です。松村/谷田はまだ出場した大会数が1つ少ないですし、遠征を続けてさらにポイント増加を狙うのでしょうが、小穴/青木も2度目の遠征では4大会目のポイントを上書きして来るでしょう。2週間後の大会では、MD専門の選手は少ないですが、エドモントン周辺の4人制の選手が多く出場します。今季からのSFM計算式の変更によって、4人制でのランキングもMDでのSFM計算に反映されるため、SFMが従来よりも高くなりそうで、松村/谷田にとってはありがたい変更になるかもしれません。一方で、場合によっては、松村/谷田が遠征を1週間伸ばして、残り2回のMDスーパーシリーズに逆転をかける可能性もあるのかもしれません。いずれにしても、まだ十分に逆転もありうる差だということは言えそうです。

第10週終了時点でのミックスダブルス日本最上位争い

PCCCのリハーサル?:Prestige Hotels&Resorts カーリング・クラシック

男子の🇯🇵コンサドーレ、女子の🇯🇵ロコ・ステラと🇯🇵フィロシーク青森が参加したのが、Prestige Hotels&Resorts カーリング・クラシックでした。男子の部には、各国代表が出場しており、🇯🇵コンサドーレの他、🇨🇳シュウ・シャオミン、🇰🇷イ・ジェボム、🇳🇿フッド、そして、チャイニーズタイペイ代表のケン・シュウと、PCCC-Aに出場する8カ国のうち、5カ国(他は🇨🇦カナダ、🇺🇸アメリカ、🇦🇺オーストラリア)が出場していました。ただし、実際に対戦が実現したのは、🇯🇵コンサドーレvs🇨🇳シュウ・シャオミンがAイベント決勝と準決勝で2回対戦しただけでした。最終成績は🇨🇳シュウ・シャオミンが優勝、🇯🇵コンサドーレがベスト4、🇰🇷イ・ジェボムがベスト8、他のチームは予選敗退でした。

中国のチームは🇨🇳シュウと🇨🇳フェイの2チームが参加しており、この2チームが同じ大会に参加するのはこれが今季3回目でしたが、実際には2チームの間で選手の入れ替えが行われており、8人(または7人?)が2つに分かれて試合をしている状態のようです。この大会の🇨🇳シュウは、
リード: 李 智超(Li Zhichao/リ・チーチャオ)
セカンド:王 智宇(Wang Zhi Yu/ワン・チーユー)
サード/バイス:费 鹤清(Fei Xueqing /フェイ・フーチン)
フォース/スキップ:徐 晓明(Xu Xiao Ming/シュウ・シャオミン)
のラインナップだったようです。

試合を見ると、スキップの背中に“COACH”(コーチ)と書いてあるのに気づきますが、これはシュウ選手が最近まで選手ではなくコーチだったためでしょう。中国が2023年の世界ジュニア男子で優勝した時のコーチがシュウ選手、スキップがフェイ選手、そして、セカンドがリ選手で、その時の教え子と一緒にチームを組んでいる状態です。一方、ワン選手は、まだ20代後半ですが、世界選手権や北京五輪などにもセカンドとして出場歴がある選手です。この4人でそのままPCCCに出るかはわかりませんが、若い選手と経験のある選手を融合させて作ったチームだと言えるでしょう。

試合を見ると、Aイベント決勝の方は、🇯🇵コンサドーレが第1エンドに3点を取ったことで、終始ペースを握る展開でした。相手が自分の石をテイクアウトするようなミスも出て、試合としては🇯🇵コンサドーレが危なげなく勝ったという感じでした。一方で、準決勝で対戦した時には、相手のセカンドとサードの良さが出る試合になってしまいました。セカンドの1投が正面にフリーズするような形になって、取り除くのに石の数が多く必要になったり、サードのダブルテイクアウトで相手にNo.3まで持たれたりと、🇯🇵コンサドーレから見るとなかなか苦戦する場面が多くなりました。後半は逆転のために多少難しいラストロックを投げることになり、🇨🇳シュウのスチールが続く形になりましたが、フォースのところでどうにかできる形になっていない場面も多かった気がします。安定したパフォーマンスを見せるセカンドのワン選手と、難しいショットも投げ切って来るフェイ選手は、本番にも登場するならなかなか厄介な存在になりそうです。

アジア女子だらけのプレーオフ

一方、Prestige Hotels&Resorts カーリング・クラシックの女子の部は、6チームのプレーオフ進出チームのうち、5チームがアジアのチームとなりました。優勝は🇰🇷カン・ボベ(チョンブク特別自治道庁)、準優勝は🇨🇳チャン・ユジエ、ベスト4に🇯🇵ロコ・ステラと🇨🇳ワン・ルイ、ベスト6に軽井沢国際にも出場する🇰🇷パク・ユビン(ソウル市役所)が入りました。

🇰🇷カン・ボベは、昨年から選手の補強を続けており、前々回の韓国選手権の時から3人が新たに加入していますが、最年少でセカンドのシム ユジョン選手(심유정)が韓国選手権後の7月に加入してから、それぞれに合ったポジションも見つかったのか、チームの雰囲気も良くなり、冬季ユニバーシティゲームズの代表にもなりました。🇰🇷パク・ユビンや🇰🇷キム・スヒョン(カナダの別の大会で今週優勝)とともに、上位3チームを追いかけている状態です。

2位になった🇨🇳チャン・ユジエ(张渝洁)は、スキップ含め、選手のうちの2人が西部の青海省(チベットやウイグルに隣接する地域)のチームに所属しています。従来は中国の北東部、特にハルビンなどのある黒竜江省の選手(🇨🇳ワン・ルイとか)が代表になることが多かったのですが、2022年には同じ青海省の2人を含むチームで世界ジュニアB代表として優勝しています(ただし、世界ジュニアに出場したのは黒竜江省主体のチーム)。中国でもカーリングに取り組む地域が広がっているのかもしれません。

次のグランドスラムには、日本と韓国で最低でも女子の6チームは出場することになりそうですが、それを追いかけるように他のチームも活躍を見せていて、今後、東アジアのカーリングがどう発展していくのかは、興味深いところです。

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