9月だョ!カナダに全員集合〜24-25第6週プレビュー
北海道カーリングツアーが終わり、“欧州開幕3連戦”も終わり、カーリングシーズンの中心がカナダに移動していくのが今週第6週です。
カナダ遠征に来るのは、日本からだけじゃない
一般的な傾向として、地理的な近さなどを理由に、日本を含む東アジアのチームは、アルバータ州を中心とした西部〜中西部の大会に出場することが多く、反対に、欧州のチームはオンタリオ州の大会に出場することが多いと思います。ただし、これはあくまで全体的な傾向で、
グランドスラムの前後にその近くの街の大会に出る
遠くても強いチームの集まる大会に出る
その週には近くに大会がないから長距離移動して大会に出る
トップ選手を集めるのが上手な大会に出る
みたいなことは日常的に起きているようで、今週も日本から遠征する7チームのうち、2チームはオンタリオ州の大会に出場します。グランドスラム初戦が東部沿岸部(プリンスエドワードアイランド州シャーロットタウン)で開かれることもあり、SC軽井沢男子は10月中旬まで中東部〜東部の大会に出場するようです。
西の玄関口 🇨🇦サヴィル・シュートアウト
“玄関口”と言うと空港か何かのようですが、東アジアやカナダ西寄りの上位チームのシーズンの初戦によく選ばれるのが、このサヴィル・シュートアウト(推定SFM:女子6.5/男子4.5)です。今年は男女合わせて、🇯🇵日本から5チーム、🇰🇷韓国から1チームが参加しています(他は🇨🇦カナダと🇺🇸アメリカ)。去年に引き続き、カナダ協会の強化指定選抜大会「U25 NextGen クラシック」を行うサヴィル・コミュニティ・スポーツセンターで、その次の週に行うので、大会を実施できる環境は整っているのでしょう。男女20チームずつ(それぞれ5チームずつ4組)の合計40チームが10シートの施設で対戦を進めて、4日間で全日程が終わります。
女子の部には、日本から🇯🇵ロコ・ソラーレ、🇯🇵中部電力、🇯🇵北海道銀行の3チームが出場予定です。各組のランキング最上位チームが🇨🇦エイナーソン、🇨🇦ローズ、🇰🇷キム・ウンジ、🇯🇵ロコ・ソラーレと、グランドスラムの常連チームですが、それに続くチームも侮れないチームばかりで、20チーム中16チームがランキングTop50に入っています。男子の部にも、日本から🇯🇵TM軽井沢と🇯🇵ロコ・ドラーゴが出場予定です。🇨🇦マキューウェンや🇨🇦カラザースなどのカナダの上位勢も出場しますが、特に🇯🇵ロコ・ドラーゴ vs 🇨🇦クーイーの対戦が予選で実現するのが、楽しみです。気が抜けない試合が多いでしょうが、北海道で“肩が温まった”状態でカナダに来たと思えば、日本のチームには良い成績を期待したいですね。5チームすべて予選通過することもあり得るでしょう。
東の玄関口 🇨🇦Stu Sells オークヴィル
一方で、トロントから車で30分ほどのところにあるオンタリオ湖畔の街 オークヴィルで行われるのが「Stu Sells オークヴィル」(推定SFM:女子6.0/男子7.0)です。男女を合わせた全体の参加チームの構成を見ると、🇯🇵日本(2チーム)や🇰🇷韓国(1チーム)や🇨🇳中国(4チーム)のチームもありますが、🏴スコットランド(6チーム)、🇨🇭スイス(5チーム)、🇮🇹イタリア、🇩🇪ドイツ、🇳🇱オランダ(各1チーム)など、欧州のチームが多いと言えるでしょう。Stu Sellsというのはトロント周辺で不動産事業を営むチームで、毎年「Stu Sellsシリーズ」として、オンタリオ州を中心に多くの大会を開催しています。今年も7大会が予定されています。
トリプルノックアウト方式のこの大会に、日本から参加する2チームは、女子のフォルティウスと男子のSC軽井沢クラブです。女子の方は🇮🇹コンスタンティーニや🇨🇭X.シュヴァラーなどがランキング上位ですが、海外のチームは若いチームが多いので、戦い方次第では、フォルティウスの上位進出が十分見えるでしょう。一方、男子の方は、🏴マウアット、🏴ホワイト、🇨🇦グジュー、🇨🇭Y.シュヴァラーなど、歴戦の猛者たちに加えて、🏴クレイク、🇩🇪ムスカテヴィッツ、🇨🇭フースリなど、欧州の若手上位チームも多く参戦しています。SC軽井沢クラブは、全28チーム中、世界ランキングは14番目ですが、強豪との対戦経験を積み重ねられるぐらいには勝ち進んでほしいですし、ベスト8に残るチャンスは十分あると思うので、健闘を期待しています。
世界が注目する“もう1つの集まり”
このように今週はカナダでの大会が本格的に始まる週で、“シーズン初戦”が来週以降になるチームは、シーズン開始時の世界ランキングTop30の中でも女子の3チーム(🇨🇦ホーマンと🇨🇭ティリンツォーニは来週から、🇨🇦キャリーは2週間後から)と男子の3チーム(🇨🇦ダンストンと🇨🇦ハワードは来週から、🇨🇦ジェイコブスは3週間後から)だけで、今シーズンをスタートさせたチームが90%に到達するのが今週です(カナダに行っていないチームは結構まだ残っていますが)。
ただ、今週カーリング関係者が集まる場所には、もう1ヶ所あります。それが🇨🇦モントリオールで開かれる世界カーリング連盟の総会です。74の加盟協会のうち56の協会を代表して、およそ230名の代表者が集まるようです。
大事な決定事項のうちの1つは、2名の副会長を含む、理事4名の選任です。任期の制限により再選が可能なのはこの中の1名だけで、他の3名は任期の上限を迎えた方々ですが、これまで理事を務めていた小川豊和さんの任期も上限に達し、退任されることになりました。4つの席に対して、立候補者が13名いて、元選手もいれば、選手経験のない人もいます。候補者の簡単な経歴は、こちらの英語記事に掲載されています。
ミックスダブルスもまずは欧州から
(追記)
4人制に関しては、“欧州開幕3連戦”などと言って、カナダよりも先に大会が行われていることを紹介していましたが、ミックスダブルスについてもカナダでの大会が本格化する前に欧州では大会が始まります。今週は🇨🇿チェコで「🇨🇿プラハ・オープン」が行われます。
出場するペアは、地元チェコや東欧のペアが多いですが、前回のミックスダブルス世界選手権に出た選手としては、🇨🇿パウル/パウロヴァー、🇪🇸オタエギ/ウナヌエ、そして、🇩🇪S.トツェック選手は最近ご結婚されたお相手(2019年世界ジュニア優勝チームのリードだった🇷🇺V.ティウリアコヴァ選手)と一緒に出場されています。他にも、世界選手権の最終予選では、よく上位に進出している🇵🇱ヴァルツァック/アウグスティニアック ペアや🇫🇮M.シピラ選手(普段のパートナーは負傷離脱中)、チェコの若手ペアである🇨🇿J.ゼリングロヴァー/ハビチョフスキー(世界MD2回出場)や🇨🇿ファルコヴァー/ヤクルなどのペアが出場しています。今年はジュニアMD世界選手権も新たに実施されますが、若いペアには新しい目標となっていることでしょう。
欧州での主要なミックスダブルスの大会は、来週にもあり、来週の🇪🇪タリンMDインターナショナルには、🇯🇵小穴/青木も参戦する他、欧州の世界ランキング上位チームがさらに参加する予定です。そして、その後、おそらく上位チームはそろって🇨🇦カナダ入りして、再来週のスーパーシリーズ初戦に臨むと思われます。(追記ここまで)
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