![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70796500/rectangle_large_type_2_d71dda521e6854a619312b0709b47e9c.png?width=1200)
Photo by
ted2lasvegas
書評「天国のうた」
「ここではない どこかへ / 理想の地を探しても見つからないだろう」
冒頭のポエムの一節である。理想を追い求めるあまり、遠くの地を探すのは人の常である。「今、ここに在る理想をつかまえる」こと。それが重要なのだ。
本書は表題作「天国のうた」を含む、計8作品の短篇集である。
祖父と暮らしはじめた女の子、天国を創るように依頼された学生、サッカーを愛する少年……。
それらの物語に通底するのは「若者の挑戦」である。どの若者も自分の殻を破り、己を成長させてゆく。その姿は、読者を清々しい気持ちにさせてくれる。
「この地に天国をつくる」のは、いつの世も若者の役目なのかも知れない。
A5サイズ、117ページ。税込1375円。
著者:雨音多一。
2020年9月22日、Next Publishingさんより出版。