『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 』 | 企業・組織における多様性とは?
こんにちは。EventHubでマーケティングを担当している中尾です!
本日は最近読んだ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』をもとに、企業・組織における"多様性"について考えてみようと思います。
多様性を考えるようになったきっかけ
最近よく耳にする"多様性"ですが、結局のところ誰による誰のための多様性なのか?はっきりせず形式的なものになってしまいます。
自分が所属するコミュニティや社会で多様性はどのように実現されるのでしょうか?
個人的な話ですが、そもそも自分が多様性という言葉を深く考えるようになったのは大きなきっかけがあります。それは2015年に欧州で難民危機が起こったことです。
当時高校生だった僕は、とりわけ移民・難民問題に詳しかったわけではありませんでしたが、この一連の出来事にはとても心が痛みました。
まず第一に、世界には迫害や弾圧を受けている人々がたくさんいること。そして安全を求め、移住した国で不当な差別を被ること。彼ら・彼女らは、不当に扱われ物理的にも、精神的も苦しい思いをしている現状に気づかされました。
特に後者に関しては、先進国の欧米諸国を中心に起きていることであり、お互いのバックグラウンドを理解できないが故に、軋轢が生じている事態に歯痒い思いをしている自分がいました。
以後移民・難民問題は自分にとって最も関心のある社会問題となり、大学で学問として学んだり、支援団体のお手伝いをするなどして、自分なりにこの問題と向き合うようになります。
脆弱な立場に置かれている方々に理解を示すことが、当時の自分にできる唯一のことでした。
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を読んで
こうしてダイバーシティの推進を考えるようになった背景もあり、多文化共生に関する本を読む機会が多く、最近この本に出会いました。
本書では、著者ブレイディみかこさんが、実体験をもとに英国での暮らしをエッセイにしています。
なんとなく海外暮らしというと、どこか憧れだったり、羨ましさを感じることも多いと思います。
が、ここでも、そのような輝かしさとは裏腹に、著者と彼女の配偶者、息子との会話を通して、イギリスの階級社会や人種問題のリアルな現状が描かれています。
知り合いに勧められて、軽い気持ちで読んでみたものの、社会に潜む不当な差別や暴力が表面化しているのが分かり、想像以上に考えさせられる内容です。
内容はぜひ手に取って読んでいただければと思いますが、さまざまなトラブル、衝突が経験としてつづられている中、次の一節が特にに印象的でした。
学校生活で理不尽な体験を目の当たりする息子が、そもそもなぜ多様性を尊重していかなければならないのかという問いに対する著者の答えです。
確かに自分と違う相手のことを理解したり、尊重することは自分には分からないことが多い分、決して簡単なことではないと思います。
でも人はそれぞれ違って当たり前。コミュニティをより良いものにしていくためにも他者理解はきっと必要。そう訴えているように感じました。
これは上述した通り、移民・難民問題にも当てはまり、さらには自分たちの日常生活にも通ずる点があるかもしれません。
EventHubにおける多様性とは?
日本で住んでいると、そのようなことに気づかずに暮らしてしまっているケースは少なくないでしょう。
とはいえ命を脅かされるような危険はないとしても、多様性が担保されなければ生きづらい世の中になってしまうはずです。
近年では、多文化共生やジェンダー、LGBTQなどダイバーシティの推進はさまざまな場面で進んでおり、日常生活を送る上では避けては通れないテーマになっています。
では仕事に励む人々が属するコミュニティ、すなわち企業・組織における多様性って何なのでしょう?
一般的には、国籍、性別などの属性に偏らず多様な人材がいる、ワーク・ライフ・バランスが整っているといったことになると思います。
EventHubも上記を大事にしていますが、僕は下記の点に注目したいと思います。それはEventHubのミッションバリューの1つ、"Be Open" です。
まさにこのバリューこそが、EventHubの多様性そのものを表しており、先ほどのブレイディさんの言葉と重なる部分があるなあと感じました。
閉塞的な環境では、議論も進まず組織の成長につながりません。特に会社の中で一番年齢が下の僕は何かを発言する際、萎縮してしまったり、的外れな意見を述べるてしまうのではと恐れがちです。
しかし、EventHubではどんなに初歩的な質問でも、思いつきな意見でも、丁寧に受け答えしてくれる土台があります。
カジュアルにコミュニケーションを取れる環境があるので、自分自身も相談や会話をする際、非常に助かっていますし、これはEventHubのチームとしての強みでもあるのかなと思います。
おわりに
多様性は考えれば考えるほど難しい概念だと感じますが、全てに共通して言えるのは「他者理解」です。
移民・難民問題や企業・組織における多様性に限らず、少しでも多くの場面で「無知」が減り、相手を「理解」するカルチャーが浸透していき、社会全体としても寛容な世界になることを願ってやみません。
今回取り上げた本では、社会問題としての側面に注目しましたが、何気ない生活の一面や家族のほっこり話もあったりして、幅広い方におすすめです。本書を通して、色んな捉え方ができると思うので、ぜひ手に取ってみてください!
次の22日目の記事は村上さんです!お楽しみに〜