【業界ルール激動】アーティスト個人が、企業より強い時代だ
あなたが所属している業界のルールは、もう無い。
このトピックでは、「企業に頼らないアーティストの活動方法」を、知ることができる。近未来で勝つためなら業界の常識を捨てられるアーティストの、ために書く。
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アーティスト情報局:太一監督
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日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
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『 業界は、企業のもの 』
貴方は自分が属している業界のことをどれだけ明確に、語れるだろうか。アーティストの多くは、自身の業界に詳しくない。数字を語れず推移に注目していず現状のアップデートに無関心で、取引のある企業と担当者を中心とした小さな同心円を、業界だと想いこんでいる。
あなたが“個人のアーティスト”なら先ず、想いだして欲しい。業界は、企業のものであることを。それから、貴方は業界とはほぼ、無縁であることも。
業界とは、マーケットを共有する企業からなる事業体である。われわれアーティストの多くは業界にとっての、道具または材料である。それも多くは、企業が管理している。言い過ぎだろうか。
だがわたしはそれでいいと想っている。わたしは、誰からも重宝される優秀な“映画を創る道具”になろうとしている。それは国際マーケットにおいて珍しい存在ではなくむしろ、“純度の高いアーティスト”として、価値が高い。
なにしろ“業界”という事業体自体には一切、価値は無いのだから。
そこで、日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。
■ 最新国際ニュース:THE Hollywood REPORTERの「プロデューサー オブ ザ イヤー」を受賞したエヴァ デュヴァーネイが、ブロックバスター(王道大作企画)を追わない理由を激白
多忙で知られるエヴァ デュヴァーネイ プロデューサーは、インディペンデント映画の映画宣伝マンから映画監督へと転身て成功。以来、次々とプロジェクトを増やして配給会社Arrayに至る。パンデミック前には“椅子取りゲーム”映画人たちの動向は把握できていたが、プラットフォーム上で展開する視聴者の動向は、業界を一変させた。彼女が語った。
「数年前、J.J.エイブラムスとスティーブン スピルバーグと一緒に食事をしました。私は、"有名になって一般人から理解を得られない生活は、苦しくありませんか?"と尋ねました。二人とも、私がおかしいという顔をして、“そんなことは放っておけばいいんだ”と言っていました。私には、特権意識が欠落しています。」
多くの人が、包括的な業界的正義、あるいは“ハリウッドの闇”について、あなたに相談するでしょう。広報のキャリアから、どう応じていますか?
「“ハリウッドの無関心”に、働きかけようとしています。私は独立系の映画製作者ありながら、大金を持つ大規模なスタジオシステムの中で働いていました。誰も見ていない“無関心”の時が最も好機だといえます。人の心を動かし、考えをかきたて、理解を助ける。それがプロデューサーという仕事の価値です。」 - JULY 02, 2021 THE Hollywood REPORTER -
『 ニュースのよみかた: 』
映画界最大の業界メディア「THE Hollywood REPORTER」の“年間最優秀プロデューサー賞”を受賞したのが小さなインディペンデントであり彼女は、ハリウッドの王道を否定している、という記事。
二大巨頭“J.J.エイブラムスとスティーブン スピルバーグ”は、ハリウッドを代表する「The ビジネス系クリエイター」だ。担う立場空は当然ながら、アーティストには程遠い。一方で、映画“パイレーツ オブ カリビアン”を手がけるジェリー ブラッカイマーはハリウッドを代表する“エンタメ系プロデューサー”だが、彼は純度高い正真正銘の、アーティストである。
事業家タイプも“アーティスト風ブランディング”を徹底しているが、話せば5秒で見分けられる。事業家タイプには、“現役感”がない。
一般人でも見分けられる方法をお教えしよう。“自分で運転してこない”だ。国際的なスターは基本、単身で行動する。付き人やマネジャーを引き連れて後部座席から現れる連中は、アーティストではない。ただの成功者だ。
『 アーティストは、業界に属していない 』
アーティストとは、業界に作品を納入する製造者である。まぁ落ち着いて欲しいここでは業界という空っぽのシステムを、説明しようとしているだけだ。アーティストや作品価値の話を、していない。
材料も商品も納入されていない倉庫を、想像してみるといい。どれだけ業者や従業員が詰めかけようと、なにも始まらない。それが“業界”だ。
ではなぜ我々アーティストは“業界に属している”と、勘違いしたのだろう。それは、そう願ったからだ。幼い頃に願った現在の生活を観える化するために、“業界”という妄想を描いたのだ。
証明してみよう。
『 業界、その正体を知る日が来た 』
あなたが最も詳しいその業界、その“中心地”は、どこだろうか。そして、業界の“頂点に君臨する人物”は、誰だろうか。それぞれは軽々と、想い浮かんだことだろうしかしそれぞれは、“別の場所”だったはずだ。
業界の中心に、業界のトップは存在していない。
業界はただの“箱”であり、業界の頂点はただの“人”である。
業界など、最初から存在していない。
『 “業界”の成立例 』
各国の司教、10億人のカトリック信者を束ねるのがバチカンのローマ教皇庁、その頂点に君臨するのは、「教皇(ポープ)」。
そのポープが座る椅子が(聖ペテロの司教座)をカトリックの首席教会堂であるサン ピエトロ大聖堂に収めねばならなかった理由が、判るだろう。
例えには不適切かも知れないが、“業界の観える化”を実現するには、これ程までの力が必要になるということだ。図らずもこの大聖堂こそが、芸術界の中核であることは皮肉なものだ。
業界を運営しているのは企業であり、企業はどれもが業界よりも、自社を最優先する。つまり、業界は存在していないのだ。
『 業界が誕生する瞬間 』
業界の中のルールとはつまり、想いこみ、だ。
妄想に縛られて自粛するくらいなら、弱体化した企業に代わり、突き抜けてしまうべきだ。あなたは個人として素晴らしいアーティストであり、世界中のファン、後続の才能たちを導く可能性に溢れている。
“業界”は、貴方を圧さえない。
成功した瞬間あなたが、“業界”になる。
『 編集後記:』
「靴磨きの源さん」は、“革靴の表面にガラスをのせる”と評される一流だ。世界が熱狂するスターや首相の靴も、手がけている。大物の彼らはわざわざ自らの靴を源さんの元まで運び、承諾して貰えれば依頼し、現金で支払いを済ませる。そこには美しい“業界”が観える。この業界は広さにして僅か2畳。ホテルの中の片隅の、さらに奥。
その油脂香る聖堂は美しく輝き、中央には王がいる。
もう一つの世界に魂を与えるべく、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。