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【定住したがる人々】豪邸を買った国際人が信用されなくなる理由

生活に安定を求めてインテリアを充実させる成功者はもう、アーティストではない。このトピックでは、「“日常”を求めるリスク」を、知ることができる。観客の可処分時間を奪うくせに自身の時間は自ら消費するアーティストの、ために書く。

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アーティスト情報局:太一監督
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日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
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『 ワーク ライフ バランス 』

政府広報の定義によるとワーク ライフ バランスとは、“働くすべての方々が「仕事」と育児や介護、趣味や学習、休養、地域活動といった「仕事以外の生活」との調和をとり、その両方を充実させる働き方と生き方のこと”とある。

実に立派な一般人に理想的で、アーティストに相応しくない“生き方”の提唱である。

そこで、日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。

■ 最新国際ニュース:ハリウッドの映画関係者たちが、国中に移住し始めている

ハリウッドの移動先:在宅勤務が短期的な解決策ではなく、生活の質を高め、税金を下げるために、ハリウッドの人々は国中に移動し続けている。

テネシー州:
ハリウッドの海外駐在員にとって、音楽都市ほど最適な場所はないかもしれない。現在自宅としているナッシュビルについて語る者がいる。「すでに多くのアーティストや業界関係者が集まっています。州の所得税もなく、教育も充実していて、清潔で美しく、手頃な価格の街で、人もいい。夢のようです!」

ネバダ州:
複数のマネージャーが、税制上の優遇措置があることからネバダ州を移転先として挙げているが、具体的な内容については誰も言及していない。ロサンゼルス(ラスベガス側)やシリコンバレー(リノやタホ湖の近く)に近いことは、確かに悪いことではない。

テキサス州:
オースティンにもまだ人が集まっている。「デジタル メディア人材の分野では、テキサス州のほうがお得だと判断した大企業の経営者が2人ほどいます」と語っている者がいる。

フロリダ州:
「マイアミは誰にとっても楽しい街です」と、サンシャインステートに向かったクライアントについて語っている。

選外佳作:
ジョージア州、キャロライナ州、ユタ州、ワイオミング州、ワシントン州も人気がある。「皆、税金や相続税の節税効果よりも、生活の質や家族を重視しています」と言う者がいる。「私たちは、そのような節税効果に惑わされて判断を誤らないようにしています」と。 - NOVEMBER 14, 2021 THE Hollywood REPORTER -

『 ニュースのよみかた: 』

ハリウッド映画人の成功者たちがワークライフバランスを求めて移住し始めている、という記事。

コンテンツ産業の頂点にあり世界第1位の映画マーケットを有する国のブランドファクトリーが分散化している、という記事ではあるがそこには実に重要な近未来への警鐘が響く。ハリウッドは、弱体化している。

『 地球を俯瞰してみる意識 』

時代スピードを見極めていたならこそ、一か国に半年停滞していることにすら危機感を感じるのが常識である。一ヶ月前の業界状況になど依存できず、相応しいな場所に“移動”する必要がある。

昭和から続いたマーケットやムーヴメントを追うこととは、訳が違う。地球儀を想像し、その表面を“ヒートマップ化”してみるといい。その設定を自身の活動業界ジャンルに合わせてから、「アクセス」「情報発信」「話題性」それぞれに変更しながらぐるり、地球を周回してみよう当然に、毎時間だ。

『 定住できるわけがない。 』

定住できるほど安定的に注目できる場所は、1箇所しかない。ISS(国際宇宙ステーション)のみだ。

時代の最先端を“手がける”ために、定住できる場所など存在しないわけだ。どれだけ成功している富豪であろうとも定住している人物は必ず、時代に遅れている。ましてや、情報に遅いアーティストという人種にとって定住とはすなわち、敗北と同意である。

『 日常を求めることのリスク 』

日常は、喜びと幸福に満ちている。それは素晴らしいことで、人類の誰もにとって必要な意義ある価値であると理解している。アーティスト以外に。

「アーティストが幸福になることを否定するのはおかしい!」という言葉があるのは当然であり、その通りである。アーティストが幸福になることが一般化しておりその結果、“アーティスト風偽者”が作風だけを模してプロフェッショナルを気取っている。

観客が求めているのは自身の幸福であり、アーティストの幸福ではない。アーティストが“日常”を求めることは、間違いだ。“非日常”を提起するのが責務であるのだから。まだ時代は、そこにある。

『 編集後記:』

やっとCRISP SALAD WORKSで食べることに、罪悪感を感じなくなってきた。そもそも食にまったく意識が高くないわたしは子供味覚であり、あの“わかってる者エリア”がハードル高い。街の何を食べても美味しいし、この店でなければならない理由もない。先のお店は、あぁ容器が硬くて立派だ。使い捨てるのは気が引ける。やはりまだ何らかの罪悪感があるのでわたしは、スーパーのカット野菜とスモークのサラダチキンに中濃ソースでいい。

膨大な価値ある素材を取捨選択する罪悪感と闘いながら、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。

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アーティスト情報局:太一監督
■ 太一(映画家):アーティスト業界情報局 × 日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、 監督がスタジオから発する生存の記