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勉強して 技術磨いて 業界マナー 守っていたら、なんか標識でた。

真面目に、ひたむきに、誠実に生きてるアーティストが使い捨てられる時代。冒険してみたり投資してみたり妥協してみたり手を尽くした挙げ句、先は見えなくなるばかり。ただそれ、路が違うだけ。となり、高速だから。

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太一(映画家):アーティスト業界情報局
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日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
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『 変わるのは 業界ルール、だけじゃない 』

社内のルールに苦悩している次元の人は論外だが、“業界ルールの変化”に困惑しているアーティストは多い。業界歴30年くらいのベテランになると若手育成も責務になっている頃だが、そもそも、教えられるだろうか。未来を。

業界ルールは、時代と共に変わっていくもの。

というとつい納得してしまうかもしれないがこれ、時代を見失った誰かがつくった名言風の嘘だ。業界ルールを変えるのは時代ではなくいつも、どこかの企業や、作品、個人だ。時代は、彼らに続くもの。業界は、その後に。

『 ゲームチェンジャーは、近くに居る 』

個人が業界を動かすことなど、できようもない。きれい事は抜きで。
だが、時代を変えてしまうこと、業界常識を変えるのが個人にも可能なことは、誰もが気付いているはずだ。例を挙げるまでもなく、無数にいる。

が、そんな大胆な話を広げようという気は無い。ここは自己啓発ではなく、アーティストのための “具体情報” を届ける場なのだから。
「ゲームのルールを変えてみよう」というだけの話だ。明日からできる。

著名人と繋がっていることからわたしはよく、「監督になりたいんだけど、」「脚本家として食べていけるように、」「プロデューサーで成功するためには、」「アーティストとしてブランドに、」なんて相談を受けることがある。

わたしは救世主ではないので、方法だけお伝えする。自分でやって欲しい。

・映画監督になる方法:
 → 映画監督を指名する立場の“プロデューサー”になる。
 → 自分を指名する。

・脚本家として食べていけるようになる方法:
 → お金を稼ぐ。
 → 脚本の執筆料と取材費を永年無料に設定する。
 → 脚本は一切書かずに、“プロット(あらすじ)”を書きためる。
 → プロデューサーと組んで、ロイヤリティ契約する。

・プロデューサーで成功する方法:
 → 命に代えても、逃げない。
 → すべての責任を、個人で負う。(※会社ではなく)
 → 企画開発期間中の、全経費を自腹で払う。

・アーティストとしてブランドになる方法:
 → 下請け業務をすべて断る。
 → 作品は一切つくらずに、ファンを創る。
 → ファンと一緒に、傑作を創りつづける。

各行の解像度を上げれば、「まず部屋を片付ける。」から始めることになる。部屋にモノが多い人、散らかっている人、ましてや汚れている人は、
絶対に成功しない。それが、最新のデファクトスタンダード傾向。

『 プレゼン資料、時代遅れ 』

PowerPointやKeynote使用禁止! 企画書はペラ1枚だ!
とかいう時代もあったがそれ、作業の軽減であって根拠がない。

「資料を限界まで減らすことこそが、内容を徹底的に推敲する習慣付けなのだ!」なんて自演会議室おじさんは今、Webカメラの前で、時代を語れているのだろうか。

“紙の新聞”を読まなくなったのは、何故だろうか。
「前日の古い情報が紙で届く、高額なサブスク」という意見が多い。新聞は“情報伝達媒体”ではなく、“時代の文章化の参考書”になった、というのが正解だ。活用意義が変わったといえる。

しかし、“プレゼン資料”、この使い道が無い。
素人文章、素人デザイン、こじつけ数字、自画自賛語りなんて、読了する価値がない。致命的なのは、毎時間瞬時のアップデートがされないこと。

クラウド上のフォルダ内で資料を共有し、都度、その瞬間のオンライン会議を併用することで、兄弟会議から100億円事業までが遂行できることを体験してきている。「プレゼン資料」をつくる人、持ち歩くタイプは、優秀な貴方のパートナーに相応しくない。

『 技術習得をやめて、プロと組め 』

偉そうな物言いに相応しい人間ではないが、これだけは、先輩の胸ぐらを掴んででも断言したい。個人の努力で習得できる技術など、数万円のプラグインを導入するだけでクリア出来る時代。付け焼き刃の技術拡張は、直ちに中止すべき。

ただし、
「職人のコダワリ」は、“技術”ではない。
「無から価値を生む」崇高なアクションなのでこれはいずれ、別記したい。

世界の創作活動のルールは変わり、変わり終わっている。
「企画・製作・脚本・監督・編集・音楽・配給・プロデュース:映画太郎」みたいな天才が日本には未だに存在しているのだが、早く滅んでほしい。

“人類の至宝たるプロフェッショナルたち”が、日本に生息している。
映画に限らず、すべての業界全分野に、存在しているのを感じる。
これはどこの国でも当たり前、ではない。日本が、スゴいのだ。

自身の“偏愛”を徹底し、担当業務を狭め、尖るべきだ。
時代に逆行している、と感じた人がいたならその人は未来人なのだろう。

現在の世界は、“鋭利な偏愛”が動かしている。

あぁ、ところで。
まだ日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。

■ 最新国際News:ディズニーの配信サービス「Disney+」が2024年までに各国に50のプロダクション委託を発表、オリジナル作品のラインナップを公開

Disney+は、すでに10作品以上のオリジナル作品を製作中だ。フランス、ドイツ、イタリア、オランダなどで製作中の10タイトルは、2024年までに大きく拡大することになる。同社は2024年までに各国に、50のローカルプロダクションを開設し、オリジナル作品の製作を始めるものとみられている。既にイギリスでも、プロフェクトが始動している模様。「これらは私たちの野心的なビジョンを、ローカル製作で実現することを意味しています。私たちはその国々で最高のストーリーテラーたち、卓越した多様な才能とともに、その地域的な作品製作をするつもりです。」Disney+はディレクターにLee Masonを起用し、大西洋全体での事業拡大を実現する考えだ。Mason氏は英国のネットワークチャンネル4に10年間勤務し、ドラマコミッショナーを務めていた人物。Disney+VPであるLiam Keelan氏の直属となり、コンテンツディレクターのJohanna Devereauxと連携する。 - APRIL 08, 2021 THE Hollywood REPORTER -

『 編集後記:』

“ローカル プロダクション”の本格稼働は良くも悪くも、各国の映画業界仕様を一変させる。過疎の郊外にイオンモールが建つようなものだ。

音楽業界ではユニバーサルをはじめ、各社になじみ深い形式だ。映画界ではワーナーなどの活動もあったが現在でははっきりと“NETFLIX色”だ。すでに、「NETFLIXでなら、世界レベルの映画が撮れる!」と、各国の映画監督が夢見るプラットフォームになっている。

そこに御大ディズニーの参上は、事件だ。ディズニーはNETFLIXと連携する気、ゼロ。なんなら吸収する気100%のスケール資金を全力投下してくることは目に見えている。各国の映画製作会社が団結しても、名刺代わりにもならないサイズだ。

各国業界の才能は一瞬で、国外のストリーマー方程式に適合するかたちで塗り替えられるだろう。業界が培ってきたルールや仕組みなど、瞬時に消滅する。実際のところそれはもう、起きている。

これからは毎年倍々の勢いで、それが加速していく、ということ。
抗うか、飲まれるか、自在に泳ぐかそれは、今日明日の貴方がどう学び、決断し、ただ一度も間違えることなくデファクトスタンダードを使いこなせるかどうか、で決まる。

個人で学ぶこと、闘うことは絶対に不可能。気取ってる場合じゃない。
友人とつるむのは、時代遅れ。“正しい仲間”と共に進む意外、路は無い。

マニアがコモディティ化して平凡が徴用される映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。

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アーティスト情報局:太一監督
■ 太一(映画家):アーティスト業界情報局 × 日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、 監督がスタジオから発する生存の記