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【業界内格差が急拡大】メンバーそのままで、レイヤーが変わる
アーティストの業界地位は下がり続ける。現状維持はファンタジーであり、4年後に転職したくないのならば、意図的に必要な対策が欠かせない。このトピックでは、「生き残り勝つための“現代製”救命艇」を、知ることができる。もう引き返せない人生にしかし近未来への命綱が「勘と運」に繋がれているアーティストの、ために書く。
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アーティスト情報局:太一監督
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日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
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『 業界と企業は、頑張っている。 』
アーティストはどんな状況にあろうとも、文句を言う資格は無い。彼らはアーティストのことを守り育ててきて今なお、保護しようとしてくれている。だが不安定な生活に不服を申し立てたい気持ちも理解できる、ならば知るべき。
アーティストの不満とは、社会性を放棄してまで“創作活動”つまり無価値の価値化を担当しているにも拘わらずに業界や企業の価値を見いだせない、無能さが引き起こしているに過ぎない。呪詛の言葉をSNSに投じている業界頂点の成功者はそれほど、多くないことが証明だ。
それでも、
既存の業界が、時代に即することができないことは事実。
理由は、業界を管理運営しているのが“企業”であるためだ。
もう企業型ピラミッドの人間関係は、社会に機能しない。
そこで、日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。
■ 最新国際ニュース:Writers Guild East(全米脚本家組合)の岐路、どの業界を優先するか?
組合選挙では、「テレビ」と「映画」の他、「放送作家」と「デジタル メディア従事者」の利害が分かれることが予想されている。
組合の評議会は分裂している。すなわち、従来の構成員であるテレビ、映画、放送ニュースのライターにとって最も重要な問題を優先させるのか、それとも急成長しているオンラインメディアの組合員を同じように増やし続けるのかだ。
「デジタルメディアの組合員が急増して組合の優先順位が変容する恐れがある」とする一方で、長年優勢だった映画やテレビの脚本家が2022年には組合員の約半数にまで減少するため、組織化コストが組合の財政にダメージを与える可能性があるとしている。
ギルドのメンバーがオンラインニュースをめぐって公に喧嘩をし始めたのはごく最近のことだが、評議会のメンバーによると、内部では1年以上前から緊張関係が続いていたそうだ。さらには、両方で執筆しているメンバーもいる。
ます)。)Inclusion & Experienceの候補者は、デジタルメディア労働者と映画・テレビ・放送局のニュースライターの利害が一致しているとは考えていません。Inclusion & Experienceの綱領では、組合の規約は後者のライターに合わせて作られており、これらの組合員は一般的に同じ雇用主のもとで働き、健康保険や年金制度を共有しているが、デジタルニュースライターはそうではないと主張します。私が信じられないのは、合併した組合が労働者を代表する最も効果的な手段だということです」と、「The Wire」の生みの親であるデビッド・サイモンは言います。
オンラインメディアの組織化がこれまで通りに進めば、映画やテレビの脚本家がこうした傾向に不満を持つだろうという懸念がある。
ギルドがどのような道を選ぶにしても、「台本のないエンターテインメント」つまり、ポッドキャスティング、アニメーションでより多くの組織化を図りたいという問題は残る。 - SEPTEMBER 09, 2021 THE Hollywood REPORTER -
『 ニュースのよみかた: 』
全米脚本家組合、メディアとプラットフォームの進化に対応できず、分裂の危機、という記事。
「業界内格差」の拡大だ。
どう抗っても当然に時代の向きは自由であり、“業界”という構造が対応できないならば、分裂か滅びへと向かう。企業も同様だがその場合、シュリンクに適した“縮小化”という過程がある。コアコンピタンスの移譲などポジティヴな、プログラムの再構成な場合もあるが多くの場合、滅びへのストロークに過ぎない。
重要なのは、その中で機能している「個人」だ。
『 業界の中の“個人成分”こそが救命艇 』
アーティストの多くがキャリア向上を求めているがその実、“地位は不可逆”だと信じている。業界地位は“あがるもの”だと想いこんでおり、現在のポジションを失うなどとは考えていない。だが、失う。
勘の良いここ「アーティスト情報局」の読者なら理解している通り、時代は業界と企業に見切りをつけて、「コミュニティ」へと移行している。コミュニティの中でも“教祖×信者”のピラミッドではなく、「非中央集権型」の「個人で構成されているコミュニティ」だ。
それはさながら、業界や企業というタイタニックから発出された、小さな救命艇。タイタニックは沈むがしかし、無数の救命艇が一斉に沈むことは無い。「非中央集権型“個人”コミュニティ」は、進化を続ける。
『 非中央集権型“個人”コミュニティ 』
リーダーを持たず企業に属さない“個人”で構成されているこのコミュニティは、定型を持たない。
Facebookの非公開グループであったり、業界間に組成されたコネクターだったり、定期的なイベントが繋ぐ“話題”であったり、季節にリンクしている習慣だったりする。企業の「自社ビル」やオンラインサロンの「収益」のような“かたち”を持たず、観える化に依存せずに息づくことが特徴である。
そんな中に生きること、昭和を生きた“中高年”には簡単ではない。だが実に、“そのコミュニティの中にいる”、ということ以上の難題はない。むしろ、“努力をしない”ことが重要。たとえば、先輩風を吹かしたマウンティングと“親切心”なんてものを、発揮しないことだ。
中高年の親切心はコミュニティにとって、無価値以下の負荷である。
『 コミュニティ、そのマナー 』
若い彼らは、必要になれば質問ができる。
ググればわかる時代に、“知識”の価値は下がり続けている。
中高年の経験から時代に活用可能な知識は、無い。
つまりは叱られることを承知で申し上げるが、“昭和生まれ”が「現代製コミュニティ」の中に持ち込む価値のある情報、技術、知識は、一切無い。
金を出し、ネットワークを開放し、口に出すのは礼だけでいい。
求められたなら全力で協力し、終えたならまた最後列で黙れば良い。
気付いているだろうか、その最後列も人々の中心も、地位に違いは無い“同じレイヤー”なのだ。最後列だろうと最前列だろうと、慌てる必要が無いのが「現代製コミュニティ」である。
『 編集後記:』
顧問弁護士との会議を終えた。
心療内科よりも精神安静に貢献してくださる先生方はつねに、変わらぬ誠実さを示してくれる。だが現場では、相手への気遣いと配慮までもが一流で。
司法試験の最年少記録が、“現役高校生”へと更新されたそうだ。
資格の先に求めるべき現在地を見誤らず、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。
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