見出し画像

クリエイターが、経済をリードする日

「好きなことで、生きていく」2014年、YouTube。あれから7年。
親を不安にさせながら人生を貫いてきた、クリエイター、アーティストの仲間たち。いよいよだ。

--------------------------------------------------------------------------
太一(映画家):アーティスト業界情報局
×
日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
--------------------------------------------------------------------------

『 最近のはなし: 』

「ストーリー」という長かったブームが終わった、
という独りゴッコをしていたら、最近の生活に合点がいった。

・部屋の窓を締め切って、世界のLIVE-Cam.映像を流している。
・登録チャンネルに、自分以外がめったに知らないだろう一般人製“ゆる”番組が入っており、欠かさず巡回している。
・スタジオの上級な編集環境を私用して、ASMRを堪能している夜がある。
・ストリーミングの映画を選んでいるうちに、観た気になって閉じる。

わたしの日常からは確実に、ストーリーが減っている。
もしも世界から「ストーリー」が消えたなら、
その時、映画はどうなるのだろう。

126年前、
世界中で空前の大ブームを巻き起こした新テクノロジー「映画」。
そのころ、映画にストーリーは無かった。

さて、はじめよう。

『 映画を楽しめない方法 』

このごろいよいよ、映画を観るのに気合いが必要になってきた。このことは大勢の先輩方に聞かされてきていたので、驚きはない。ただ、その頃には理解できなかった、理由、を知ってしまった。

老い。体力の低下。

よりも遥かに致命的な理由。
観る前からかなりの確率で物語が把握できており、楽しみ難い、のだ。

なんなら、ここから10分以内にどんな役割のキャラクターが登場してくるかが判ってしまう。そこから18分後に発生する何らかのトラブル、それがどの程度の事件なのかも、そこから30分以内に展開する主人公の感情が、理解できてしまう。映画の終盤にさしかかろうものなら、初見映画のラストシーンを言い当てられてしまうこともしばしば。

これは、楽しみにくい。
特殊能力の話を、しているわけではない。
映画を業として35年。半世紀を生きると必然、
映画人の平均年齢より高齢になっている。

とあらば、現在公開中の新作映画の製作者たちよりも勉強期間が長く、圧倒的に比較対象情報を多く有しておりそもそもに、映画のドラマを構築するための方程式“パラダイム”に精通してしまっていることから、
物語を“逆算”できてしまうのだ。

老いた巨匠が、地味すぎる“心の機微だけの映画”を撮りたがる理由に気付いてしまった。もう「物語り」では楽しめず、「人の生き様」を観たいのだ。

『 低カロリー コンテンツ 』

現代は、“低カロリーなコンテンツ”が人気だ。

視聴者が構えずとも視聴できまた、クリエイターの作品製作に消費カロリーも低い作品にこそ、心地よさを感じている傾向がある。
需給バランスまでが、絶妙だ。

視聴者に脳筋トレをさせる難解なドラマよりも、
“誰かの日常”それが、求められるコンテンツになっている。
わたしにも、想い当たるふしがあるだけに、反論もできない。

ということで、ここ、
「アーティスト業界情報局」のカロリーを下げるところから初めてみようと想った。

『 “アーティスト業界情報局”のカロリーを下げる 』

まず、「長い」。
読了できないクリエイターをふるい落とす意図があったが、読者にストレスを与えるのは本意では無い。簡潔を心がけよう。「もっと時間があれば、短文を書けたのだが。」とは、誰の言葉だったか。賢い人の言葉は、簡潔だ。

まず、「難解」。
クリエイティヴとビジネス、技術やコミュニティの国内外を網羅する余りに、情報成分過多だ。伝えることよりも伝わることを優先せずに、情報ばかりを詰め込むのは、頂けない。過剰な解説は控えてみることにしよう。

明日から、はじめてみる。
上手くいくかどうかも、明日考える。

あぁ、ところで。
まだ日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。

■ 最新国際News:YouTubeのチーフ ビジネス オフィサー、「クリエイター エコノミーが、ハリウッドを、そして世界を変えた。もう誰もこの事実を、否定はできない」

YouTubeチーフ ビジネス オフィサーの、ロバート キンクルが語る。「TikTokのような新しいプレイヤーも、“クリエイター エコノミー”を採用している。インフルエンサーやクリエイターたちがデジタルメディアの切開を、ゆっくり、そして確実に支配していることを、我々は知っています。クリエイター エコノミーが、世界を大きく変えました。今日のクリエイター エコノミーの成長速度に、企業、ベンチャーの巨額投資が続いていることも、証明です」YouTubeの言葉を借りれば、このプラットフォームは個々のクリエイターの力で成り立っており、市場を拡大させている。YouTubeは、シナリオありきの番組よりも、よりクリエイター主導のシナリオの無い番組へと移行している。YouTubeオリジナルの番組である「Liza On Demand」を知っているだろうか。これが、今年末に最終シーズンを迎え、そして、シナリオのあるオリジナル番組は、終了となる。ニールセン社の調査結果によると昨年09月、18歳ー49歳の全ての年齢層で、テレビの視聴を上回っている。テレビのライフサイクルはスマホやPCに比べて、長い。しかしその時が来たなら、大きな効果が示されるだろう。「YouTubeは、世界を映す鏡です。誰もが公開できるオープンなプラットフォームでありながら、様々なコミュニティにより添い、クリエイターが支援されていることを実感できるような環境へと進化させます」 - MAY 04, 2021 THE Hollywood REPORTER -

『 編集後記:』

YouTubeが、“オリジナル映画製作”を捨てた。よりクリエイター主導型へと支援していく、というニュースだ。

SCRIPT(映画脚本)はもう、必要とされていない。もちろんそれは映画業界にとって大きな事件には発展しないだろうしかし、確実な動きとして、理解することが大切だ。

YouTubeの登録チャンネルと、映画、気楽に観られるのは確実に、YouTubeだ。映画ファンはこの比較を許さないだろうしかし、世界の圧倒的過半数は、映画ファンでは無い。現実はいま、目の前にある。

最大感謝と愛をこめて、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。

■ 太一(映画家):アーティスト業界情報局 × 日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、 監督がスタジオから発する生存の記