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【ローカル主義】あなたの作品は、国外仕様になっているか
加速度的に、ジャンルの業界の国の境界が消滅していく。芸術界を生きる表現者たちはいま、どこに立つべきなのか。このトピックでは、「国際アーティストの在りかた」を、知ることができる。作品に国境は無いなどと嘯きながら国外を知らず身辺の日本人に向けて作品を創り続けているアーティストの、ために書く。
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アーティスト情報局:太一監督
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日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
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『 “外国作品”という意識が、未来を別つ 』
自身の作品が“どこ”に根付く作品なのかを意識しているアーティストは、多くない。自ずと、“自国作品”だと想いこんでいるためだ。作品に国境は無いしかし、その「作者が国際人」で無いならばそれはただの“ローカル作品”であり、それ以上の存在では無い。
そこで、日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。
■ 最新国際ニュース:ストリーマーとアワードの話題性が、デジタル時代の「外国語映画」を盛り上げる
「Dune」や「No Time to Die」などのハリウッド大作が米国の興行成績を独占している一方で、外国語の専門的な作品が劇場でその力を発揮している。
2019年にポン ジュノ監督作「パラサイト」が歴史的な作品賞を受賞したことがきっかけとなり、米国のアワードシーズンは英語以外の作品にも門戸が開かれている。
ソニー ピクチャーズ クラシックスのトム バーナードが語る。「今、最も驚いていることのひとつは、外国映画を製作する会社が非常に多いことです、収益化する方法も増えている」
フランスの販売会社、メメント フィルムズ インターナショナルの代表エミリー ジョルジュが指摘する。「成功しているのは、“議論や論争を巻き起こすようなパワフルなテーマの映画”です。」
観客は、ストリーミングサービスのおかげで字幕に慣れた。また、映画祭で一定の注目を集めた作品、メディアに取り上げられる可能性の高い問題提起型の作品に適している。Comscore社のDergarbedianが言う。「観客が(専門的な作品に)興味を持っていることは数字が示しています。」 - NOVEMBER 08, 2021 VARIETY -
『 ニュースのよみかた: 』
“外国語映画”が一般映画と同等に強くなっており、“ニュース性ある作品”に注目が集中。その成果はメジャー級という記事。
『 国際マーケットに精通すべき 』
アーティストが生み出す作品は結果、オンラインを介するつまりは、“国際作品”である。ただし、作者が“ローカル”であるなら注目されるのはキュレーターかバイヤー頼り。その可能性は、ゼロだ。
アーティストは、国際人でなければならない。
なお、“企業内アーティスト”は戦力外である。
世界のマーケットつまり観客と企業傾向を熟知していれば、“自国と合わせて無敵”なアーティストになれる。
『 世界を知った“国際アーティスト”こそが自由 』
世界にも自国にも精通している“無敵のアーティスト”とは、時代と状況そして、作品テーマに応じて自在に、その活動域を更新しながら活動できる万能型アーティストだということ。
一方で、“器用なアーティストは無価値”という不文律もある。専門性と偏愛の深さが評価対象である芸術界において、マイナスなのである。しかしここで言う“無敵のアーティスト”とは、技能と能力、情報とマーケットに精通している「選べる強さ」を有するということだ。
無敵のアーティストがその能力を遺憾なく発揮する場所は、決まっている。
『 ローカル主義こそが正義 』
“世界を選べる”無敵のアーティストがその全能を開放できる場所とは当然に、「自国」である。世界のどんなエキスパートであろうとも、ネイティヴが活動するローカル領域に勝機は無い。
自国に詳しい国際アーティストが、「国際用自国製作品」で世界を魅了することが、これからの成功である。
『 編集後記:』
ハットの衣替えシーズンだ。
夏を共に過ごしたパナマハットは、紫外線と湿気にいじめられている。秋冬用のウールフェルトもデリケートだがそちらは、日常的なブラッシングと蒸気で世話できるしかし、パナマハットは完成の瞬間から、ただ痛み続ける。
パナマハットと過ごした日常は写真の中に輝くしかし、枯れて割れる日がくる。修復は不可能で、きっとその日は突然に。
来年の夏も、共に歩こう。
埃をはらい、絞ったタオルで拭い、ハットケースの丸い蓋を閉じる。
別れを知るいまを輝かせるべく、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。
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