【個展開催】アーティストは、スポットを浴びてもいい
観客の進化が加速している。アーティストはつまり、変わるべき時代にある。このトピックでは、「アーティスト自身が語る覚悟」を、知ることができる。職人を気取って受注仕事に明け暮れるうちに実はこのまま現役人生が終わるのだと気がつきはじめたアーティストの、ために書く。
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アーティスト情報局:太一監督
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日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
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『 アーティストは、変わっていい。 』
業界マナーは絶対だ。それは、作品と観客への敬意と感謝を表するにひつようなプロセスであるのだからしかし、「業界ルール」を過信してはいけない。叱られることを承知で申し上げるが、業界が提唱するルールとは、業界を管理運営する企業にとっての都合が導いた非常識であり、デファクトスタンダードにも合致しない。遵守するに、論拠が無い。
怖がらなくて良い、世界で成功を収めた巨匠こそが変わり続けているのだ。
そこで、日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。
■ 最新国際ニュース:デヴィッド フィンチャー監督、Netflixで“ドキュメンタリー映画シリーズ”をサプライズ発表
デヴィッド フィンチャーは、Netflixと提携して、映画を讃えるビジュアル エッセイの新しいドキュメンタリーシリーズ「Voir」を制作していると発表した。
Netflixの映画専用のTwitterアカウントは、次のようなツイートをして映画ファンを騒がせた。"Something special is coming tomorrow from David Fincher..."
フィンチャー監督は、今後のプロジェクトについてほとんど明かしていない。このプロジェクトに携わっているライターのドリュー マクウィーニー氏が「10分から30分の"私たちの興味をそそるもの、動揺させるもの、映画とのつながりに関係するもの "をテーマにしている」と明かしている。
フィンチャー監督は、「ファイト クラブ」、「ゾディアック」、「ソーシャル ネットワーク」、マドンナの「ヴォーグ」のミュージックビデオなどを手がけ、数々の賞を受賞している。これまでに「ハウス オブ カード」や「マインドハンター」などでNetflixと協力してきたフィンチャーは、最近、Netflixと4年間の映画契約を結び、マイケル ファスベンダーが出演すると言われている暗殺者ドラマであるNetflix映画「The Killer」を監督している。
有名監督の中には、Netflixやその非伝統的な劇場配給方法に対して率直な意見を述べる人もいるが、フィンチャー監督は異なる。
「与えられた自由に、感謝しているよ。Netflixほど、ある場所で働くことが幸せだったことはない。映画が存在する場所があるというのは、素晴らしいことなんだ。」 - OCTOBER 13, 2021 VARIETY -
『 ニュースのよみかた: 』
商業映画界で成功した巨匠デビッドフィンチャー監督の新作は、「ドキュメンタリーのシリーズ×Netflix」という記事。
業界にルールがあるのだとしたなら、この巨匠監督は例外なのか。現代の観客が求める“正直な表現”が、ドラマツルギーから乖離しはじめていることを認めてはいけないのか。
126年前、映画には“脚本”がなかった。
しかし、ドラマは存在した。
『 アーティストが変わる、ということ 』
アーティストは、“変わらないこと”を努力してきた。
「作品外で語るべきではない」と学び、「時代を意識するのは商業主義だ」とされた。だがそのアーティストが属する業界全体が、新たな潮流に呑まれている。NFTに始まる新たなマーケットの誕生が、芸術に無縁だった人々を導いている。
ならばこそ、変わることが現実である。
『 メジャーが変わる、インディペンデントはどうだ 』
メジャーとインディペンデントは世界一時停止以降、奇妙な平等の中にある。顧客主義の興業が停止し、結果、マーケットの法則はゼロと化した。再起動したメジャーは一気に、“変わる”道を選んでいる。
プラットフォームを変える、客層を変える、企画の趣向を変えることまでは想定内であったが実に、“ジャンルの壁”を超え始めた。たとえるなら、「メジャーのインディペンデント化」だ。
インディペンデントはそれを、どう受ける。
わたしは堂々、“メジャー化”を提唱する。商業に対する話では無い、アーティスト本人が“スター”になるべき時代が到来したのだ。
アーティストは、スポットを浴びても良い。
『 諦める覚悟があるなら、挑むのも構わない 』
アーティストの常識はもう通用しない。業界が変わり、観客が進化した今、気兼ねする必要は無くなったのだ。
アーティストが個展を開き、観客と直接言葉を交わすことも、無い話では無い。結果は、わからない。だからやってみよう。わたしたちにはいつでも、諦める覚悟があるはずだ。ただし映画人ならばこそ、叶わないから、と諦めるのはどうかと想う。
映画企画が叶わないからなんだというのか、叶えることが映画なのだから。
『 編集後記:』
アーティストの個展準備を始めた。搬入当日、日本、フランス、中国の精鋭たちが銀座のギャラリーに集い、ブレーカーが落ちるほどのチャレンジをはじめた。搬入される4Kモニター十数機、撮影用照明、カメラ、作画台では今正に新作が誕生しようとしている。配信システムも到着し、連日の著名人対談の中継をも計画している。ドキュメンタリー監督が密着撮影しており、ハリウッドスターを担当する写真家が、来場者を撮り下ろす。
これが、たった独りのアーティストの個展である。もう、タブーは無い。
銀座の深夜に職を求めるアーティストたちでコンビニに癒やされて、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。
■ 太一(映画家):アーティスト業界情報局 × 日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、 監督がスタジオから発する生存の記