見出し画像

上司は社長の伝書鳩ではいけない

上司が「社長の伝書鳩」になってしまうと、組織全体の活力が失われる危険があります。指示をただそのまま部下に伝えるだけでは、現場の状況は反映されず、経営の現実との乖離が生まれます。さらに、部下たちが指示待ちの状態になれば、組織は柔軟性や創造性を欠き、競争力を失うことにもつながります。

上司の役割は、指示を流すだけでなく、現場の声を経営陣に届け、橋渡しを行うことです。現場の課題や提案を的確に整理し、社長や経営陣に伝えることで、意思決定をより現実的で効果的なものにする責任があります。これを怠れば、現場の状況と経営判断がずれ、現場は不満を募らせ、やがてパフォーマンスの低下を招きます。

また、上司は部下を育てる「コーチ」であるべきです。問題が発生したとき、ただ解決策を押し付けるのではなく、部下に考える余地を与え、成長を促すことが求められます。「どうすればいいと思う?」と問いかけ、部下が自分で考え、行動する力を身につけられる環境を整えることが重要です。こうした姿勢は、部下の自信を育て、組織全体の力を引き出します。

さらに、上司が現場の代弁者としての役割を果たさないと、部下は「上司を信じても仕方がない」と感じてしまいます。その結果、上司への信頼が失われ、組織の結束が弱まり、離職へとつながる可能性が高まります。反対に、上司が現場の声を誠実に反映し、経営陣に自ら意見を伝えようとする姿勢を見せることで、部下たちは「この人に付いていこう」と思い、組織全体が一体感を持つようになります。

上司に求められるのは、指示をただ伝えるのではなく、現場と経営をつなぐ橋渡し役となり、部下を支えながら主体的に行動することです。そのような姿勢が、組織の成長と活力を支える礎となります。

いいなと思ったら応援しよう!