曽我太一 ジャーナリスト

エルサレム在住ジャーナリスト |2020年からエルサレムに拠点を置き、イスラエル、パレ…

曽我太一 ジャーナリスト

エルサレム在住ジャーナリスト |2020年からエルサレムに拠点を置き、イスラエル、パレスチナ、中東などの動きをウォッチ。わかりにくい界隈のニュースをわかりやすくまとめます。

マガジン

  • イスラエル・パレスチナを深読み

    イスラエルとパレスチナの問題には、様々な歴史的な経緯や伏線が多くあります。特に中東は情勢の変化が早く、ついていくのが難しいのも事実です。ニュースを「より深く」理解するための背景情報を中心に解説したり、おすすめの記事を紹介したりします。

  • ルポ・観光地の裏側と国際政治

    世界各地には美しく輝かしい観光地がある一方で、紛争や対立の歴史など様々な事情を語られています。仕事やプライベートで行き、見聞きした複雑な事情を書き留めるためのマガジンです。

  • メディアとテックとダイバーシティを考える

    信頼を失いつつある「トラディショナル・メディア」の牙城、勃興する新興メディア。サブスクリプションやポッドキャスト、最新テクロノジーのジャーナリズムへの活用や、ビジネスモデルの変化、メディアのダイバーシティなど、メディアを取り巻く環境の変化について、思いつくことを書いていこうと思います。

最近の記事

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【ウェビナー案内】ハマス被害者はなぜ平和を訴えるのか

フリーランス・ジャーナリストの曽我です。ショートノーティスではありますが、イスラエルとハマスの戦争が続く中、ハマスに両親を殺害されながらも、パレスチナとの平和を訴えるイスラエル人の活動家を招いたウェビナーを開催いたします。 その活動家は、マオズ・イノンさんと言います。エルサレムやテルアビブでアブラハム・ツアーという旅行会社を運営する起業家でもあり、最近はTEDにも出演しました。 2023年10月7日、マオズさんの両親はハマスに殺害されました。しかし、その直後にBBCの取材

    • 【解説】イスラエルで"ゼネスト"  混乱の背景と分析(9月2日時点)

      イスラエルでは9月2日から、経済界がビジネスを停止する「ゼネスト」に入った。イスラエルでゼネストが起きるのは、2023年3月以来。イスラエル社会がいま、なぜ混乱に陥っているのか、背景と現状分析です。 <大前提> 2023年10月7日以来、イスラエルとハマスとの戦争が続いているが、その間、ネタニヤフは「軍事圧力だけが人質解放につながる」とし、軍事作戦を続けることで「ハマス殲滅」と「人質解放」という2つ目標、そして「完全勝利」を達成すると主張。 戦闘の結果、ハマスの軍事組織

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      • 【まとめ】イスラエル・パレスチナ関係を学ぶ おすすめの本

        私はエルサレムに暮らして3年となります。パレスチナ人はもとより、イスラエル人については、国際法違反の入植地に住むいわゆる宗教極右から、パレスチナとの和平を訴える左派まで、広く対話を重ねてきました。 今回のイスラエルとハマスの戦闘を受け、改めてイスラエルとパレスチナの関係、ひいてはイスラエルとアメリカの関係を知りたいという形に、個人的におすすめの本を紹介したいと思います。 まずは、イスラエル・パレスチナ関係における大御所、立山氏の三部作。 立山良司『イスラエルとパレスチナ

        • ドイツの”口閉じ”パフォーマンスに感じるちょっとした居心地の悪さの正体

          私は大学でドイツ語を専攻。ドイツ文学にも親しみ、ドイツで短期的に仕事をしてその社会を見たこともある。その著者が今回のドイツ代表が、日本戦の前に「口を閉じる」行動をしたことにどこか居心地の悪さを感じた。それが何から来るのか正体を探ってみた。 目次 変わるドイツ社会 「寛容」のメルケル時代 カタールW杯の問題 居心地の悪さの「正体」 変わるドイツ社会 私がドイツ語を始めた頃は「移民国家」ではなかった。 当時はちょうど2006年の母国開催のワールドカップ開催で、下馬

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          メディアのポッドキャストに将来性を感じるワケ

          私は今後5年くらいは、メディアの音声コンテンツに将来性を感じています。 以前にも朝日新聞ポッドキャストの意義についての記事を書きましたが、それから7か月がたち、いよいよコンテンツが充実してきました。 新聞やNHKなどの「トラディショナルなメディア」では、記者は会社に入ると同時に地方に赴任し、そこで警察を担当して「事件」を取材します。誰にも助けを求められなかった孤立死や、望まない妊娠による殺人、寒さを凌ぐための万引きなど、社会で起きている最も目を当てたくない現実を目の当たり

          メディアのポッドキャストに将来性を感じるワケ

          エンパシーマネジメント 打撃と回復にみるAirbnbの解雇メッセージ

          解雇のメッセージが話題に新型コロナが感染が拡大して、世界中の人の移動がストップして旅行産業が大打撃を受けた2020年5月。民泊サービスのAirbnbは当然のように解雇に乗り出し、全世界の25%の社員の解雇を決めた。 経済状況が悪化するなかで会社を存続させるためには致し方ないことだろうが、これまで一緒に事業を成長させてきた仲間の首を切るというのは、経営者にとっては苦渋の決断だと思う。しかも、パンデミックのまっただ中となれば、そのネガティブなインパクトは計り知れない。 だから

          エンパシーマネジメント 打撃と回復にみるAirbnbの解雇メッセージ

          衛星画像がメディア報道に与えるインパクト

          先月下旬にインド洋のモーリシャスの沖合で座礁した商船三井が運航する貨物船から、油漏れが確認されました。会社はプレスリリースを出していますが、写真までは出していません。 地球の反対側のはるか遠い島国で起きたことなので、いくら日本のメディアとはいえよほど大事にならない限り、現地には取材にいかないでしょう。海外メディアの多くも、AFP通信が配信した、陸からの写真を載せている程度です。 そこで公開されたのは、アメリカの衛星企業「Maxar Technologies」が撮影した、上

          衛星画像がメディア報道に与えるインパクト

          NHK炎上をきっかけに、メディアのダイバーシティを考える

          メディアがダイバーシティ・レポートの時代米紙ニューヨーク・タイムズは先月、自社の「ダイバーシティ度」に関するレポートを出しました。 なぜ、メディアがダイバーシティに関する報告を出すのでしょうか。タイムズは、その効果について次のように記しています。  The diversity of our staff makes our report deeper and richer, and better able to address the needs and experienc

          NHK炎上をきっかけに、メディアのダイバーシティを考える

          「朝日新聞ポッドキャスト」がもたらす意味

          メディアにボーダーはないテレビ | 新聞 | ウェブメディア ユーザー側からすれば、そんな垣根はとっくに取り払われているが、メディア側からするとそうではなかった。 しかし、いまメディア側はそうとも言っていられなくなった。デジタル戦略に力を入れる日経新聞はとっくに音声コンテンツに力を入れているし、 朝日新聞はこのたび、「朝日新聞ポッドキャスト」なるものを始めた。 NHKでも、ラジオで放送した番組を聴くことができる「聴き逃し」を配信しているが、掲載期間は限られるようだ。

          「朝日新聞ポッドキャスト」がもたらす意味