🔴いつも大安吉日66　〜世界がひろがった日だった〜

【世界がひろがった日】

「ここでは桜も梅もいっしょに咲くんだよ」
去年はじめて大日向でそんなことを聞いたときはそりゃーおどろいた

「GWに地区の花見もあるからねー」
つづいて出てきたその言葉にさらにびっくりしたのをいまでも覚えてる

あれから一年経って二回目の春
いっしょに咲く花は桜と梅だけじゃなかった
桃にやまぶき、水仙に芝桜、他にもたくさん

まとめて一気に花が咲いた
すごくきれいでうれしいんだけど、気持ちいい季節が一気にきて一気にいなくなりそうな気もして、ちょっと変な気分でもある

🔴失敗なんてないさ

ストーブもまったく必要なくなった
かけ布団もかなり軽くなった

春が一瞬で終わって初夏になったみたいだ
まだ寒かったし霜にやられないように室内に重ねて管理してた米の苗箱を田んぼに入れた

ひとつひとつ運んでいくと何枚かの苗箱におかしな跡がある

中身のない籾と土が下にポロポロ落ちてる
ねずみなのかなんなのか
水に入れる前にすでになにものかにやられてしまった

少しでよかったよ
こういう失敗をたくさん体験する
そんでそこから学んで改善していくもんだ
そうやってここでの暮らしをだんだんカタチにして積み重ねていく

失敗なんてただのドラマチックな演出だ
人生のおもしろさを引き立てるスパイスだ
（前日のカレー教室の名残）

ねずみたち小動物よ、オレは負けんぞっ
いやっ、エサ用にわかりやすい場所に少しだけ用意しておいてやるのもいいかもな

ギフトシェアの精神だ
ぼくもおとなな考えができるようになった

ならべた苗箱に満開になった桃の花びら
すでに散り始めてんのかな

🔴つらなる家族

大日向の仲間の畑の開墾と倒木の片付けに、前の日に区切りをつけたばかりのチェーンソーをまた担いで出動、そして完了
うちでの「畑で野菜をつくるためのに畑をつくる作業」も、ススキの根っこを抜いて凸凹になったところをならしてトラクターで仕上げる

作業後の洗い場の水がつめたくて気持ちいい

なんだかんだですぐに夕方になった
トラクター作業はとなりの畑でもまだ続く
そんなときは借りたまま
いつもは軽トラで三分のとなりの地区で借りて、トラクターで十分かけてうちに着く
作業終わりにトラクターでもどって、また軽トラで帰ってくる

昨日は別に軽トラを使う予定があった
軽トラまでは下り坂のみ

「そーげーん、チャリでビューンとやりますかー」
「行くっ」とこたえるそうげん
「こだちゃんも行くっ」
なんでもアニキといっしょが好きなんだ
しかしそこでは終わらない
「ふーちゃんもいきたいー」

これで五分の用事が無限に延びる可能性はものすごく高くなる
んっ、ちょっと待てよ
うちにはまだ下にひとりいるぞ
いまはとってもとってもかわいい、ただただかわいいぼくちゃん
でもしっかりチンボコがついてる
上のふたりのようになってしまうかも
あと何年かしたらぞろぞろカルガモの親子みたいになってるかもな

まあ、やつらといると何が起きるかわからないのはたのしみでもあるんだけどね
一応声かけるタイミングは見計らっていくように気をつけておこう

扱い方ひとつでやつらはどうにでもなる

🔴どこまでも広がる世界

ふーちゃんを荷台にのせて下り坂をビューン
去年天気のいい日は学校までチャリだった

軽トラにはすぐに着いた
ふたりはもちろん物足りないようだ
ぼくのチャリとふーちゃんを荷台にのせる
「どーしよっか」
まずここの聞き方を次は気をつけよう
「〇〇のうちいきたーい」
約20キロ離れた佐久のともだちの名前がでちゃったよ

もう夕方だからすぐに暗くなる
それなりに距離もあるから行けるところまでは行ってみるか

軽トラで伴走しながら一気に大日向をぬけた
とくに楽しそうには見えない
ただチャリをこいでる

なにを想ってるんだろう
こっちに話しかけることもなく、景色をたのしむ様子もない
腹が減るとかのどが乾くとか暗くなっちゃうとかってのは一切なさそうだ

いまただチャリをこぐのみ

横断歩道ではたまのことを気にかけてくれる
はなれるたまのことを気にしてもくれる

トンネルを越えて田んぼ道を越えてまだ行く

助手席にうつったふーちゃんがウトウトしたころに目的地に着いちゃった
日が伸びたとはいえすでにあたりは暗かった
ともだちの家もまた暗かった

つかれてたからか、ともだちがいなかったことにもそれほどの反応もなかった

ぼくもチャリでの遠出がすきだった
卒業旅行に草津温泉に行ったり、東京の親戚のうちに突然ともだちと行ったりした　
ズームインのガラス越しにチャリで登場したこともあった
いまでもその道中のことまでしっかり覚えてる
ただこいでるだけだった

「自分の足だけでどこまででも行けるんだ」
それがうれしかったんだよな

ずっと伴走しならがらふたりを見てた
ほんとおっきくなったよ　
チャリがもうちっさくなった

ぼくは今朝はやく家を出ていま安曇野にいる
おおきいチャリをくれる人がいたんだ

すごいタイミングだよね

これでさらに遠くを見るようになるかもな
どんどん世界を広げていってほしいね
知らない世界をたくさんみてほしいね

さあ今日も朝からいい出会いがあったぞ
みなさんもすてきないちにちを

五穀豊穣　子孫繁栄　
大安吉日や　さかいひろし
#大安吉日や #佐久穂町大日向 　
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#ぽん菓子 #出張ぽん菓子
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