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始まりは「クラーク・コレクション展」だった ~素人のオカンがアートに嵌った話~

私の大事な趣味の1つに美術館・博物館巡りがあります。
アートに嵌ったきっかけは10年ほど前、進学のために上京した娘の家探しの時このとでした。予定より早く適当な住まいが見付かり、帰りの飛行機まで半日以上時間ができたのです。

娘はお友達と遊ぶ!と言ってるし、どう時間をつぶそうかな、と思いネットで検索したら、ちょうど三菱一号館美術館好きな印象派の絵画展があっていることがわかり、1人で行ってみました。

*三菱一号館美術館。しばらく休館していましたが、11月23日から再開です!


もともと絵は好きで、若い頃貯金をはたいて行ったヨーロッパツアーの時も、パリでの半日の自由行動にオルセー美術館に行ったくらい、旅先でも美術館をあちこち覗いていました。地元にくる主要な美術展も大体観ておりました。田舎の地方都市に生まれ育ちましたが、母が絵が好きで書道や手芸などもやっており美術展もよく連れられて行っていたので、そういう素地はあったのでしょう。しかし絵画についての知識はあまり持っておらず、この頃はキャプションを読むこともなくサラッと観る感じでした。

ところがこの時の「奇跡のクラーク・コレクション」展がとにかく素晴らしかったのです!時間があったので音声ガイドを片手にじっくり鑑賞したのもよかったのでしょうが、印象派、特に好きなルノワールの上質な作品(しかもあまり目にしたことがない)が惜しげもなく展示されており、非常に幸福な豊かな気持ちになりました。あの時の感動は忘れられません。


今でも大事にとっているフライヤーとチケットの半券。


これが切っ掛けとなり、上京して娘のところに行くときに美術館を覗くことが楽しみになりました。時には、行きたい美術展の開催時期に合わせて上京したことも(笑)。
・・かくして、毎年期間限定で公開される尾形光琳の「燕子花図屏風」(根津美術館/2014年5月)を観たり、これも若い頃から好きだったラウル・デュフィの展示を観たり(デュフィ展/Bunkamuraザ・ミュージアム/2014年7月)、ルーブル美術館展でフェルメールを観たり(国立新美術館/2015年2月)。次第に、東京のみならず関西方面へも観たい美術展があると「遠征」して観に行くようになりました。それは新型コロナが発生し移動制限が出る前の2020年2月まで続きました。


*この2014年のBunkamuraのデュフィ展の一部がyoutubeに出ていることに気が付きました。以下にリンクを貼ります。


今にして思えば、子どもの1人が親離れしてちょっぴり淋しくなった気持ちを埋め合わせてくれたのがアートだったのかもしれません。
そして、乾いた喉を潤すかのごとくアートにはまっていた時期は、昔持っていた「感性」を取り戻すために必要な時間だったのではないかと思うのです。

コロナ禍が過ぎた今は、以前ほど「これを逃したら、次いつ観られるかどうかわからない。」との焦りがなくなりました。「観られるのも観られないのも、その時のご縁。」と達観できるようになったのです。これもひとつの成長だと思います。アラカンでもひとは成長するのです(笑)。

今回【灯火ArtWeek】という企画にあわせて自身のことを振り返ってみました。最近では展覧会の絵だけがアートではなく生活のいたるところにアートが存在すると思うようになり、私のアートとの付き合い方もまた変化しつつあります。そんな私自身の変化が楽しみなこの頃です。



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