宛先
おばあちゃん、元気にしていますか。僕は相変わらず完璧主義な所が治っていません。
おばあちゃんはいつも僕を肯定してくれたけど、おばあちゃんみたいに肯定してくれる人は、ほとんどいなくなってしまったよ。
おばあちゃんは、よく旅行に行く人だったから、こうやって会えなくなってしまってからも、僕はおばあちゃんがまた旅行に行っているだけのような気がしています。
おばあちゃん、今世界ではね、ある病気が流行していて、みんなあまり外に出られないんだ。
それでさ、僕は仕方なく部屋の掃除とかしているんだけど、そしたらおばあちゃんが何年も前にくれた1000円札を見つけたんだ。
この1000円はおばあちゃんが英語を勉強している僕に
「英語のいいサイト見つけたから、たいちゃん、みてごらん!1000円でみれるらしいから」
ってくれた1000円だよ。覚えているかな。
この1000円は、おばあちゃんのことを思い出させてくれるから、僕は多分ずっと使わないと思います。
それとね、おばあちゃん。
僕は今本を読むのが好きなんだけど、多分それはおばあちゃんのおかげだと思います。
調布駅南口に真光書店がまだあった時に、おばあちゃんは僕に「イルカと海の旅」って本を買ってくれて
あの本、実は当時の僕にはすごく難しくて、途中で何度も挫折しそうになったんだけど、おばあちゃんが買ってくれた本だったから、頑張って読めたんだ。
それがとても誇らしくて、僕はそこからたくさん本を読むようになった気がしてるんだ。
おばあちゃん。
おばあちゃんがさ、女の子を部屋に連れて来た時は、ドアを少し開けておいてあげなさいって教えてくれたのとか
おばあちゃんが旅行で自分のために買ってきたお土産とかも結局ほとんど全部僕と弟にくれちゃうこととか
今でも鮮明に覚えているよ。
おばあちゃんは、僕に今でも色んなことを教え続けてくれています。
それを伝えたくて、今日は手紙を書きました。
最後に
おばあちゃんはいつも笑顔でいたよね。
僕も誰かといる時は、笑顔でいたいと思ってます。
旅行中のおばあちゃんへ