見出し画像

(vol.15) 指導者に必要とされるスキル『5つのみる』と『5つのきく』

どんな偉大な選手であれ、功績に優れた選手であれ、緊張には必ず直面している。

と、あるスポーツ心理学の先生が教えてくれました。

あの2000本安打を達成したイチロー選手であれ、試合前に吐くこともあったそうです。

どんな選手であっても、緊張したり不安を感じたりすることが必ずあります。

選手の異常な状態に気付くと、指導者は選手に応じた効果的なコミュニケーションをとって最良な状態にさせることができます。

上記の条件であれば、緊張をほぐしたり、不安を取り除いたり。


選手の状態を認知する。

これが指導者として、必要なスキルの一つではないでしょうか。

それは異常であっても、ささやかな変化であっても。

「あれ?この選手、いつもと違うな。」と

その都度、選手の心境や状態を認知できていますか?

認知するためには、

みる』と『きく

というスキルが大切になります。

今回は、指導者がどのくらい『みる』と『きく』ができると望ましいか書いていきます。


1.5つの『みる』

『みる』というスキルをさらに細分化してみようと思います。


まず、『みる』という言葉、5つ漢字で書けますか?


見る 視る 観る 診る 看る



それぞの意味を書くと、

見る•••視覚でものを捉えること。
無意識でも、ものを認知している状態。一般的に使われる感覚。【  see  】


視る•••注意深く
じっとみつめている状態。【  look  】


観る•••時間と変化
時間によって移りかわるものを認知する状態。【  watch  】


診る•••表の情報から内面を推察すること
病状や健康面、さらには心理面を調べる状態。


看る•••お世話、支援
気を配って、見守っている状態。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『みる』には5つの意味があって、スキルが微妙に違います。これらすべてを合わせて

『みる』というスキルです。

選手のことをよく『みる』ことはできてますか??



2.5つの『きく』

次に『きく』という言葉。これも5つに細分化できます。

5つ、漢字で書けますか?


聞く 聴く 訊く 利く 効く


それぞれの意味を書くと、

聞く•••音として捉えること
無意識に耳に音が入ってきて認知する状態。一般的に使われる感覚。


聴く•••真剣に注意深く
耳と目と心で音を認知している状態


訊く•••尋ねる、問うこと
たずねて、答えを求めて、相手の考えなどを認知しようとする状態


利く•••識別すること
感覚の違いを認知する状態


効く•••効果的に働きかけること
『きく』ことで、相手にリラックスさせたり、考えを整理させたり、行動を弱くさせたり強くさせたりと、効果的な働きかけをする状態。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『きく』にもいろんな意味があるんです。

5つ合わせて『きく』というスキル

全ての意味で『きく』ことはできていますか?

3.『診る』と『看る』、『利く』と『効く』を強化してほしい。

以上の説明を簡単にまとめたものです。▼


いかなる人も、日常生活では、

「聞く、聴く、訊く」や「見る、視る、観る」はしています。

だからこそ、
“指導者という育成のプロ”の方々こそ、それ以上のスキルを持っていて欲しい

そう思うんです。

特に「利く、効く」と「診る、看る」のスキルです。


選手の声のトーンボリューム、発する語彙を「利いて」、また、

選手の表情態度、姿勢、行動を「診て」、

選手の〈 緊張感やモチベーション、不安、恐れ、勇気** **〉など感じ取ってほしいです。


選手と話す時には、迷いを感じた選手がいれば

迷いを取り除いて、やるべきことが明確になるように、選手の話に対してうなずいたりフィードバックしたり、アドバイスしたりしながら「効いて」ください。

どうしても、調子が悪いときには「看て」、もとの状態に戻れるようにサポートしてください。


利く、効く」「診る、看る」ができて、それに対する適切なアプローチができると、選手は最大限のパフォーマンスが発揮できると思いませんか?


直接、選手に調子を「訊いたり」、選手の日常会話を「聴いたり」しながら、選手の状態や心境を「利く」。必要であれば「効く」ようにしましょう。

選手の様々な部分を「視て」、「観て」きたことで蓄積された情報から「診る」ようにしまょう。

これらの積み重ねが、関係性を深め、パフォーマンス向上の発端となります。


4.最後に


『みる』も『きく』もコミュニケーションの一つです。

効果的なコミュニケーションは関係性を深めるだけでなく、

選手のパフォーマンスも最大化させます。


現在、活動が自粛されている中で、選手たちの心境や状態はどうでしょうか。

『みて』『きいて』

感じ取った情報をもとに、選手に応じたアプローチをしてみてください。

スキル次第では、活動再開と同時に、選手のモチベーションに火をつけ、トップギアで再始動できるでしょう。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?