母校でのコーチング研修まとめ「現状の明確化と効果的な目標設定」
こんにちは。スポーツコミュニケーションアドバイザーの田原直弥です。
自ら少年サッカーの指導に努める傍ら、スポーツ指導者資格更新研修を開催したり、指導者へ選手の力を引き出すコミュニケーションのアドバイスや目標達成を促すコーチングをしたりもしています。
今回は12月12日に開催した母校の鹿実サッカー部での研修内容を綴ります。11月に選手権が終わり3年生は引退した新チーム。新たな気持ちが入り混じる中で最初のコーチング研修を「現状の明確化と効果的な目標設定」と題して行いました。監督もスタッフも全選手も参加した今回。これからの具体的な行動がチームで気付くように設計しました。
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共通認識の2つ
研修のメインへ入る前に導入として、共通認識をもってもらいました。
1つ目は、気付き.発見を掴みにいく時間にすること。ある研究データから人が変化を起こす割合はアドバイスを受けるより自ら気付き.発見する方が高いと言われています。だからこの研修も僕が気付き促す役割になるから自ら気付きや発見を掴んで欲しいと共有しました。
2つ目は、選手と指導者の責任と仕事を理解すること。特に今回認識してもらいたかったところは赤丸で囲まれたところ。ゴールを目指すという取り組みにおいてお互いの仕事をはっきりさせる必要がありました。
チームのゴールを明確にする
それから、チームが目指すゴールはどこかという話へ。質問集を用いてペアワークを。
選手たちは今年の夏にも同様のワークを行っていて今回で二回目。度々行うことでゴール意識を顕在化させることが狙いです。夏には「選手権全国優勝」や「全国ベスト4」「鹿児島県優勝」と選手によって違っていたことが印象的でしたが、今回は新チームとなって全員が「選手権鹿児島県予選を優勝して全国大会へ出場する」ことをゴールとして自ら設定して、チームの意思決定を強く感じました。
現状を明確にする
ゴール設定ができたら今度は現在地の確認を。鹿実が選手権優勝した時(2004)の映像資料を全員で確認した後に、選手権全国大会で優勝するチームを100だと仮定し、今いくつか考えてもらいました。(映像資料は3分32秒まで)
考え方は、サッカーを要素と構造にチャンクダウンしたものをサンプルとして提供し、<攻撃・守備・フィジカル・チームワーク・戦術・ボールフィーリング・判断力・GK>ごとに数値を出すワーク型。ちなみに今年の選手権出場校の神村学園についても選手たちに数値を入れてもらい比較できるようにしました。
実はこの表の「今の鹿実」の項目は、選手たちが捉える攻撃は60、守備は50でした。ですが客観的に分析してもらうために監督へ話を振って監督自身に数値を入れてもらうようにしたところ表の数値になっています。選手と指導者の現状を捉える認識に差があったものの互いの理解を擦り合わせるいい機会になっていたと思います。
効果的な目標設定
現状が明確になったところで、次にどんな目標にどのように向かうかを具体化する時間を作りました。まずはシートに選手権に出場するために各項目でいくつの数値が必要なのか検討してもらいました。考え様によって一人ひとり様々でしたが引き続き監督に協力して頂き、現在と11月の数値はこのように決まりました。
そして、SMARTの法則に落とし込み効果的な目標設定を行いました。
例えば2月の九州大会の時点で数値がいくつになっていて、そのためにどんな基準を満たしていると良いか。チーム全体で共通認識が持てると行動も加速します。数か月後に2020年12月からどこまで進み、何を手にしたか、不足している部分は何か、どの優先順位で何を取り組むか等をこのワークを通して確認し積み重ねていくと着実なステップが歩めるはずです。
「対立」をおそれるな
これは研修のクロージングでの共有映像資料。よくTwitterでもよく流れていた映像ですが素晴らしい関係性をもっていると思っています。
設定したゴールや目標に対してチームで前に進もうとするとどうしても「対話」が必要になります。「対話」が増えると一人ひとりの思惑が交錯して「対立」することもよくあることです。それを乗り越えてチームを築き上げていってほしい。そんな想いを映像資料とともに最後選手へ伝えました。
研修後の選手に気付きや発見があったか全体で共有してもらったところ
「まだ熱さが足りない。もっと言い合いになってもいいから想いをぶつけていこう。」と発言もあり、目標に対して加速しそうな一面が見られました。
最後に
選手も指導者もこれからの具体的な行動に自ら気付いた時間になりました。
鹿実が最後に選手権にでたのは2007年。あれから13年です。2013年には僕もOBとして闘いましたが、選手権出場は叶いませんでした。それでも卒業して社会に出ると、ありがたいことに「また全国の舞台で活躍する鹿実を期待している」と多くの声を頂きます。
今年の選手からも「結果を出す」想いを十分に感じています。
引き続きご声援よろしくお願いいたします。
日本スポーツコーチング協会
スポーツコミュニケーションアドバイザー&コーチ
田原直弥