気持ちはわかる。しかしちょっと待って!
「うちの子が帰ってこないんです・・・。」
学校には、保護者からそんな電話が来ることがあります。
たまにですが、1年に数回あるんじゃないかなという印象です。
「帰ってこないのですが電話」には、おおまかに2パターンあります。
その①「学校から帰ってこないのですが。」
下校時刻を過ぎ、いつもなら帰ってきているはずの時間に帰ってこない。
心配になった保護者の方が、学校に電話をする。
こういうときは、たいてい道草をくっているということが多いかなと思います。
「帰ってきました。友達と遊んでいたようです。申し訳ありませんでした。」
なんて電話がそのうちかかってきます。
みんな一安心です。
たまに、居残り勉強などをやらされているなんてことも。
こっちの場合は、担任が先に家庭に連絡をすればよいのです。こっちの手落ち感が強いように思います。
もう一つのパターン。
こっちは、「気持ちはわかるけどさあ…」というものです。
その②「遊びから帰ってこないのですが。」
残業しているとこんな電話がかかってくることがあります。
「うちの子が遊びに行って帰ってこないのですが。」
すると管理職はこう指示をします。
「(担任)先生、〇〇くん帰ってきていないんだって。ちょっと近く見てきてもらえる?」
職員室に残っている全職員に言われることもあります。
なんだったら、帰宅していても電話がかかってくることもあります。
これ、どう思いますか?
ここにちょっと待ってポイントがさらに2つあると思うんです。
ちょっと待って①「連絡すべきは警察じゃないの?」
親としては、心配で心配で、子供のことをよく知っている学校に電話をかけたくなる気持ちはよくわかります。
そして、いきなり警察に電話するほど大げさにしたくない気持ちもわかります。
しかしです。
教師は捜索のプロではありません。
絶対に警察に連絡したほうがいいです。
それこそ、事件や事故に巻き込まれている最悪の事態を考えるのならば。
子供が交通事故にあったらまずは救急車を呼ぶでしょう。
家が火事になったら、まずは消防車を呼ぶでしょう。
そしてそのあと、学校に知らせてくださると思います。
警察に連絡すると、無線で一瞬にして情報が共有されるそうです。
地域の治安を守るのは警察です。
そちらを頼ったほうが絶対に安心です。信頼できます。
ちょっと待って②「なんで捜索を命令するの?」
そしてもう一つのちょっと待って。
それは、管理職が担任や職員に捜索を命令することって、そもそもどうなの?ということです。
多くの場合、それは時間外になります。
「子供が帰ってきません」と言われたら、
「わかりました。それでは、我々も探してみます。お子さんが行きそうなところは・・・」
と、当然のように捜索を請け負います。
教師は基本的に皆いい人です。
かわいい自分の学校の子供がいなくなったと知ったら、心配です。
ですから、捜索を命令するのも、実際に捜索をするのも、気持ちはわかります。
でも、そうやっていい人で、見境なく仕事を請け負ってきた結果、教師の仕事はブラックと言われるまでになってしまったのではないですか?
最近では学校の電話に留守番電話の機能をつけるところも多くなりました。
まさか、「留守電を聞いて捜索を命令する」なんてことはないですよね・・・?
以上、ちょっと待ってポイントを2つ書きました。
先ほども書きましたが、教師は皆、基本的にはいい人です。
子供のためなら、どんな苦労も厭いません。
ですが一方で、これまでの慣習に疑問を持つ先生もいます。
徐々にではありますが、教師の働き方も変化してきています。
「子供の捜索」という教師の仕事について、みなさんどう考えるでしょうか。