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卒業アルバムの負担はまだ削れる


 卒業アルバムの作成は、小学校6年生担任の大きな負担となります。
しかし、やりようによっては少し負担が軽くなります。
 この記事では、以前私が6年生を担任し、卒業アルバム作成の負担を軽くするために行ったことをお伝えします。


主導権は渡さない

 最初の学級・学年懇談会で次のことを強調しました。ここが一番つらいところですが、しっかりと言うべきことを言わないといけません。もちろん、穏やかな表情で。
「卒業アルバムの作成は有志で行われます。学校が作成をお願いしているものではなく、保護者の方の有志で作成されます。購入することもできますし、購入しないということもできます。有志ですから、例えば転校生が購入することも可能です。ですから、もし今年も作成となったら担任と卒業対策委員の方を中心とした保護者の皆様と、一緒に作ってまいりましょう」
くらいのことを言います。
 たぶん、多くの保護者の方がこのことを知らないと思います。
 「自分事」としてとらえてもらいます。

「文集」は担任が 「アルバム」は…

 卒業アルバムには、子供たちの作文や「10年後の自分へ」のようなクラスページが載っている「文集」と、写真がたくさん載っている「アルバム」の2種類が1セットになって構成されている場合が多いと思います。
 「文集」は、担任が指導します。
 「作文指導」と思えば別に苦ではありませんし、当然の仕事です。
 クラスページも、実行委員を募ってその子たちに任せれば、こちらもさほど労力はかかりません。
 6年生としての「集大成」が現れるのが、クラスページなのではないかなと思います。

 一方、「アルバム」はどうかというと、こちらはつらい。
 膨大にある写真を、一枚一枚レイアウトしていきます。
 しかも、「誰が何回登場しているか」をカウントしながら。
 ここが6年担任を苦しめるところです。
 しかも、教師としての「納得感」もない。
 なんのためにこんなことやってるんだ、という感情です。
 ですから、私が6年生を担任したときにはここを保護者にやってもらいました。
 卒業対策委員の方は、何度か学校で作業をしてくださいました。
 「この子の名前がわからない」
 「双子の見分けがつかない」
など、何度かアドバイスを求められましたが、それでも楽しそうに作業してくださっていました。
 写真に納得いかず、直接写真屋さんと交渉までしてくださいました。
 できあがったアルバムは、ちゃんとみんな平等に登場しており、例年通りの仕上がりとなりました。

前列を作ったことが最大の効果

 卒業アルバムの作成を保護者と分担することによって、担任の負担はかなり減りました。
 また、「保護者とともに作り上げたアルバム」という、新たな価値がついたようにも感じました。
 そして、それよりも価値があったと感じるのは、「前例を作った」ということです。
 私が6年生を担任したとき以降、うちの学校では担任が写真選びをしていることはありません。
 どんな仕事も、「去年はどうやった?」というところから始まりますから、それが受け継がれていくことご多くなります。
 「卒業アルバムそもそもいらないんじゃない?」みたいな意見をtwitterで見ることがありますが、変えられるところから変えていくことで、負担も負担感も減りますよ。

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