サチコさん、ごめんなさい。
サチコさん、ごめんなさい。
きっとあなたは私のことを知らないと思います。
それはそのはずでございます。
私もあなたを知りません。
なので安心してください。私はあなたに対して直接的には何もしていません。
しかし、それでも私は謝りたいのです。謝らなくて仕方がないのです。
率直に申し上げます、
全てをあなたのせいにしているのです。
状況がよく分からないことでしょう。
しかし本当なのです。
みなさまこんな経験はございませんでしょうか?
家で1人ゲームをしている時、ご飯を食べている時、テレビを見ている時、そんな時にふと「過去の恥ずかしい体験」を思い出す。
このような状況になった時、私は
「サチコーーーーーーーーーーーー!」
と叫んでしまうのです。
サチコさんを呼ぶことによって恥ずかしい記憶を全てあなたのせいにしてしまっています。本当に申し訳ありません。
しかし、ここまで謝ってきましたがおそらくあなたはあまり納得なさってないと存じます。
もちろんです。ごもっともです。
なのでこれからは私の名前、「タグチ」を使ってもらって構いません。
いや、使ってください。全てを私のせいにしてください。
そうでないとサチコさんではなく、私の気持ちがおさまりません。
ですのでサチコさん、もしあなたが何か過去に行った軽率な行動を思い出してしまい、香ばしい感情になった際にはこう叫んでください。
「タグチーーーーーーーーーーーー!」
気持ち良いですよ。赤の他人の名前を精一杯叫ぶというのは。
終