NEW AGE #37
先日NHKのSONGSに佐野元春が出ていた。
小さい頃から母親の影響で音楽は洋楽を聴くことが多かったけれど、それでも元春はよく聴いていた。これは姉貴の影響。
当時姉貴は元春のことを「顔はブスだけど、歌は最高」と言っていた。わざわざ「顔はブスだけど」などと言う必要があるのかと思ったけど、姉貴は根っからの「面食い」なので、姉貴の基準に当てはめれば、世の中の男性の多くは「ブス」になってしまう。だから、あまり気にしなかった。
実際僕は顔が「ブス」だとは思わなかったし、ライブパフォーマンスは最高にかっこいいと思っていた。
このNHKのSONGSで元春は「NEW AGE」という曲について語っていた。今のこのコロナ禍の混沌とした世の中においてメッセージ性のある曲として取り上げられたようだった。
この「NEW AGE」という曲は、元春が20代の頃に単身ニューヨークに渡り、そこでレコーディングして持ち帰ったアルバム「VISITORS」に収められている曲だ。
「VISITORS」というアルバムは、当時ニューヨークでムーブメントとなっていたHIP POPやRAPを取り入れたもので、日本初のRAPなどと言われ日本の音楽界に衝撃を与えたが、一方で、元春ファンを大いに困惑させるものでもあった。
「ガラスのジェネレーション」や「SOMEDAY」など、キャッチーなポップロックを期待したファンは裏切られた気分になり、当時は賛否両論巻き起こったようだった。
その中に収めれた「NEW AGE」という曲は僕も好きな曲の一つだけれど、正直何を歌っているのかは良く分からなかった。
そもそも元春のリリック(歌詞)は、詩的で、比喩的表現を多用するので、ロマンチックではあるけれど、大体において、何を言ってるのか分からないことが多い(個人的にはそういうところも好きなのだけれど)。きっと当時は英語の歌(歌詞の意味が分からないという意味で)を聴いてる感覚で元春の歌を聴いていたんだろうと思う。
「NEW AGE」に話を戻すと、この曲が何を歌っているのか分からなかったけれど、当時アメリカで起こっていた60年代のカウンターカルチャーを起源とするNew Age Movementと何か関係があって、カウンターカルチャーだったHIP POPから着想を得たものかなと何となく思っていた。
しかし、このSONGSの中で元春が語っていた内容は、それとは全く関係がなかった。
元春は、
と言っていた。
まさに、今のコロナ禍にぴったりの曲じゃないか笑。
元春は20代の頃から、自分より年齢の下の世代を少年少女(Boys&Girls)と呼び、自分の弟や妹のように接するところがある。
当時自分が想像した暗い未来においても、この少年少女(Boys&Girls)のニュージェネレーション(新世代)が新たな未来(NEW AGE)を切り開いてくれると信じていたのだろう。
そう、我々人類は常にニュージェネレーション(新世代)に期待している。
その当時の元春が思い描いた世界観をイメージして、改めてこの曲を聴いてみようと思った。
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