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経済関係、日本史がメイン。あと書評とか。

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  • 一度は読んでみたいあの古典

    どうせみんな読んでなくて適当に警句らしきものを引用してるだけでしょ?なら自力で読むしか無い。

  • 教科書嫁と言われて

    経済学の教科書、補助教材を実際に使用した感想。

  • ミルトン・フリードマンを「読む」

    主にミルトン・フリードマンに関する本を読んだ感想。随時追加する予定。

  • 戦後経済史

    戦後経済史についてあれこれ

  • 「リアル北斗の拳」時代としての日本中世

    日本中世史に関する本を読んだ感想など

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「レンズを変えろ!」 ビル・ミッチェル講演会 in Tokyo潜入記

ステファニー・ケルトンに続き、大物MMTerの来日講演二回目。ということで今回は衆議院第一議員会館で開かれたビル・ミッチェル先生の講演会に行ってきた。 (講演会でのミッチェル先生の姿) 講演会での話題は、主流派経済学批判、主流派というレンズを捨て去り、MMTというレンズで物事を見よという認識の転換、気候変動に関する話題が中心であった。MMTの心構えを説くという「MMT(現代貨幣理論)の第一歩」と言っても良い。いきなり、マニアックな金融オペレーションの話や国債廃止論などを出

    • 【小ネタ】『GDPの計算式』(笑) Part1

      相変わらず、大昔のファミコンのRPGに出てくる村人のように同じことしか言えない池戸万作氏であるが、 彼のお噺によると、 『支出面からみたGDP』を算出する「GDPの計算式」(これ言葉自体、彼の単なる造語である)は、Y=C+I+G+NXである。 上式は単純な足し算だから、政府支出の項目のGを増やせば『支出面からみたGDP』は必ず増加する。 「三面等価の原則」により、『生産面からみたGDP』も増加する といったようなものだ。 大学1年生が前期の授業で使うような初級のマ

      • セイ法則について私が知っている2,3の事柄 その①

        セイの法則ってそういう話じゃないから。節分の後で大量に売れ残った恵方巻きやコミケ終了後に段ボールいっぱいの刷りすぎた同人誌といった「ある特定の財の売れ残り(これを部分的供給過剰という)が存在する」といった話ではなく、「市場全体を含めた財の売れ残り(これを一般的供給過剰という)が生じない」というのが、正しい『セイの法則』の解釈である。 1. セイの販路説 ーセイ自身は「供給はそれ自ら需要をつくりだす」とは実は書いていない。ケインズの著書『雇用・利子および貨幣の一般理論』で名付

        • 【個人的メモ】M→P、それともY→M?

          ※飽くまで教科書レベルの考察です。 数量方程式 「インフレはいつ、いかなる場合も、貨幣的な現象である」であると言ったのはミルトン・フリードマンであるが、この発言の背景には、彼が復活させた貨幣数量説がある。貨幣数量説をあらわす数量方程式はアーヴィン・フィッシャーによる交換法定式がもっとも有名だろう。 MV=PT (M:マネーサプライ、V:貨幣の流通速度、P:一般物価水準、T:取引量) 取引量Tの代わりに、実質産出量を示すYを用いた数量方程式がもっとも多く使われる。 M

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        • 悪いインターネットヲチ
          2本

        記事

          【小ネタ】レジーム・チェンジ=金融政策の転換?

          今や大恐慌研究の古典と化している、ピーター・テミン『大恐慌の研究』を10年ぶりに読み返していた。 テミンの『大恐慌の教訓』をネットで検索して、以下の記事が引っかかったのだが….. アメリカにおいて、金本位制離脱による平価切下げを大恐慌からの脱出手段の一つとしてテミンが挙げているのは確かだが、テミンの「レジーム転換」(本書では、レジームを"Policy Regimes"としている)は、金融政策の転換という狭い範囲ではなく、戦前の正統的財政政策から、テミンが独自に定義するある

          【小ネタ】レジーム・チェンジ=金融政策の転換?

          【小ネタ】貨幣成長と人は云うけれど.....

           たまにtwitterの経済クラスタで見かける「貨幣成長が大事」という言葉。この「貨幣成長」という言葉はどうもしっくりこなかったので、彼らの参照元だと思われるグレゴリー・マンキューの教科書で貨幣成長について確認してみた。  貨幣成長は、『マンキュー マクロ経済学Ⅰ入門編』の第5章 「インフレーション:原因と影響と社会コスト」にある「インフレーションと貨幣成長」というコラム(P.154~P.157)で取り上げられている。マンキューは、このコラムで、フリードマン=シュワルツの貨

          【小ネタ】貨幣成長と人は云うけれど.....

          【小ネタ】紙幣を詰めた古い瓶

          質問きてた! Q:ケインズ『一般理論』の第10章の「紙幣を詰めた古い瓶」の喩え話は、財政政策と金融政策の同時一体発動を指したり、政府紙幣を指したり、あるいは現金給付を指すと言われてますが、本当ですか? 結論: ケインズはそんなことを書いていない。 「紙幣を詰めた古い瓶」の喩えが出てくるのは、『一般理論』の第10章「限界消費性向と乗数」。第10章は全6チャプターから成り、最後のチャプター6でこの喩えが出てくる。第8章にて、消費性向が一定であるときに、雇用量の増加は投資の増

          【小ネタ】紙幣を詰めた古い瓶

          実学志向の高まりと共に床屋政談への嫌悪感が強まっている。実学志向と床屋政談はトレードオフ。

          実学志向の高まりと共に床屋政談への嫌悪感が強まっている。実学志向と床屋政談はトレードオフ。

          【感想】井上弘貴『アメリカ保守主義の思想史』 混迷を極めている「トランプ以後」のアメリカ保守を知るには最適な本

          本書の概要2016年大統領選において、アメリカの主流派の保守主義者たちはドナルド・トランプの不支持を表明していたが、カトリック保守のパトリック・デニーン(『リベラルはなぜ失敗したのか』の著者)ら一部の保守知識人たち、トランプの支持を表明した。彼らは「新しい伝統主義者たち」と呼ばれている。 従来のアメリカ保守派は、経済的リバタリズム、客観的な道徳秩序の存在を主張する伝統主義、そして反共主義を三本柱とする融合主義を掲げていた。「新しい伝統主義者」たちは、共和党の主流思想である融

          【感想】井上弘貴『アメリカ保守主義の思想史』 混迷を極めている「トランプ以後」のアメリカ保守を知るには最適な本

          「レンテンマルクの奇蹟」前夜ー2つの通貨改革案

           ドクトル・マイヤー(注:オスカー・マイヤー, 当時のドイツ民主党議員)自身は、民主党の前幹部であるが、次の伝説に対して極めて鋭く反対している。つまり、当時彼の党の同志であったドクトル・シャハトは、帝国銀行の監察部が一致して反対投票したのに反して、1923年12月に政府によって帝国銀行総裁に任命されたのだが、その彼がマルク安定の功績があるとかその父であるという伝説に反対した。  ドクトル・マイヤーは続ける。「彼が帝国銀行総裁に任命された時、幸運なことに、レンテン・マルクはす

          「レンテンマルクの奇蹟」前夜ー2つの通貨改革案

          【小ネタ】金融政策のレジーム転換? サージェント『四大インフレーションの終焉』に書かれていること。

          トーマス・J・サージェント『合理的期待とインフレーション』に収められている「四大インフレーションの終焉」から日本のリフレ派経済学者・エコノミストは、"金融政策のレジーム転換"という教訓を引き出しているが、本論文を読む限り、書かれている内容のほとんどが財政政策のレジーム転換の話であることに注意が必要だ。"財政金融政策"という言葉は出てこなくもないが、「四大インフレーションの終焉」論文に限った話では、2箇所しか出てこない。 イントロダクションイントロダクションにおいて、四大イン

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          【レビュー】浅田統一郎『マクロ経済学基礎講義 第2版』(中央経済社, 2005年)

          今回はこちら 分野:マクロ経済学 分類:教科書 レベル:やや難な初級 特徴:定理の証明が厳密で丁寧。通常の市販の教科書では扱われないポスト・ケインジアン経済学の定理が多数載っている。 目次は以下の通り。 第1章 国民経済計算の基礎 第2章 短期における国民所得の決定 第3章 貨幣の需要と供給 第4章 IS-LM分析 第5章 投資と消費 第6章 総需要・総供給分析(IS・LM分析の拡張) 第7章 開放経済のマクロ分析 第8章 経済成長と景気循環 ネットで調べて見ると、経

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          今更、マンデル=フレミング・モデル再考②:水平なLM曲線と開放経済

          今回は、水平なLM曲線を持つIS-LMモデルを開放経済に拡張したマンデル=フレミング・モデル(MFモデル)について。通常、MFモデルは、IS-LMモデルにBP(Balance of payment : 国際収支)曲線を導入して、IS、LM、BPの3つの曲線から均衡条件を求めていくが、BP曲線の代わりにカバーなし金利平価を導入したほうが理解が容易である。 カバーなし金利平価金利平価説とは、金利と外国為替レートに関する為替決定理論で、いずれの国で資金を運用しても全く同じ運用収益

          今更、マンデル=フレミング・モデル再考②:水平なLM曲線と開放経済

          今更、マンデル=フレミング・モデル再考①:水平なLM曲線と閉鎖経済

          本稿では、開放経済モデルであるマンデル=フレミング・モデルの前段階として、閉鎖経済における水平なLM曲線とIS-LM分析について述べる。 2020年4月に発売されたオリヴィエ・ブランシャール『マクロ経済学 第2版』(原書第7版)では、第1版から多くの改訂がなされている。その一つがはしがきで書かれているように、右上がりのLM曲線ではなく水平のLM曲線が導入されていることだ。 改訂された第5章では、IS-LMモデルの説明の仕方について修正を行っている。金融政策を考える場合の伝

          今更、マンデル=フレミング・モデル再考①:水平なLM曲線と閉鎖経済

          【レビュー】安藤至大『ミクロ経済学の第一歩』(有菱閣, 2013年)

          今回はこちらのレビュー 分野:ミクロ経済学 分類:教科書 レベル:入門 特徴:数式をできるだけ使わず多数の図表による説明が特徴。余剰分析の例が多数載っている。 今では定番である、「有菱閣ストゥディア」シリーズのミクロ経済学入門書。数式がほとんど出てこず、多くの図表が載っており、視覚的に大変わかりやすい教科書となっている。本書は大きく分けて、4部で構成されており、第1部はミクロ経済学の導入、第2部は完全競争市場という条件下での余剰分析、第3部が完全競争市場の条件が満たされな

          【レビュー】安藤至大『ミクロ経済学の第一歩』(有菱閣, 2013年)

          【解題】1998年のミルトン・フリードマンへのインタビュー (R.E.パーカー「大恐慌を見た経済学者11人はどう生きたのか」に収録)

          1910年代前後生まれのアメリカの大御所経済学者たちへのインタビュー集。有名どころでは、ポール・サミュエルソン、ミルトン・フリードマン、チャールズ・キンドルバーガー、アンナ・シュウォーツ、ジェームズ・トービン、ワシリー・レオンチェフへのインタビューが収められている。本書のミルトン・フリードマンへのインタビューが抜群に面白かったので紹介しよう。 経済学者たちを救ったニューディール政策ケインズ経済学を攻撃したフリードマンであったが、ニューディール政策は経済学者たちにとっては「神

          【解題】1998年のミルトン・フリードマンへのインタビュー (R.E.パーカー「大恐慌を見た経済学者11人はどう生きたのか」に収録)