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10秒で読める、あたりまえ小説(超短編)



   肩にもたれかかる彼女の長い髪からいい匂いがした。少なくとも、これだけは自信を持って言える。僕たちを乗せたこの列車の行き先は、きっと終着駅なんだ。



   山岡先生はうつむきがちなクミに向かって力強く言った。
「ほら、前に進もう。まず一歩を踏み出せば、きっと以前より前進しているはずだ」



   室内に響く雨音がいつもより大きく感じた。佳恵が出て行ってからもう7日が経った。それはつまり、1週間過ぎたということに他ならない。



   僕にはわかるんだ。笑顔のキミを見て、みんなはきっとすぐに理解するだろう。「あ、笑ってる」ってね。



   そうして、ついに僕たちは事実を知った。未来のことは誰にもわからないこと。そして、過去のことは誰でもわかること。



   あの日、彼が言ってくれた言葉が今でも頭から離れない。
「後ろを振り返るな。後ろを振り返ったらきっと前が見えない」



   自転車で転倒して強く尻を打った私は、帰宅後、そっと下着をおろし、鏡ごしに見てみた。なんとショッキングなことに、尻がまっぷたつに割れているではないか。



   受話器ごしの有美は声を震わせていた。
「私は決めたの。あなたを待ち続けるの、ずっとずっと。待ち合わせ時間まで」



   高橋先輩は、煙草を咥えながら空を見上げた。
 「新人君、いいからよく聞け。この会社で上にいく方法は2つしかない。階段か、エレベーターだ」




右足を出して〜♪左足出すと〜♪・・歩ける♪ あたりまえ体操〜♪ 覚えてますか。COWCOWさんの「あたりまえ体操」。一時期すごく流行ってましたよね。うちの子は今でも大好きです。


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TAGO|タゴライン/コピーライター
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