少女と風船/それいけルサンチマンズ

暖かいその手 離れ 漂った
そこから始まる物語

泣いている少女と
困っている風船の
距離は遠ざかる
想い 届かない

どんどん小さく
青に飲まれていく
同じ冷たい風が吹く

翼が備わって飛べるのならば
すぐにでも手を繋ぎに行くのだろう
もしも もう一度触れたのならば
二度と離さないのだろう

泣き止まぬ少女
困っているお母さん
催促するけど
その場 離れない

どんどん大きく
風船 膨らんでいく
同じ冷たい風が吹く

翼が備わって飛べるのならば
すぐにでも探しに
はためくのだろう

「あれじゃないと嫌なのママ」
雲の上で割れる 赤いバルーン

空から満身創痍の欠片
満面のスマイル 虹色少女
もしも もう一度触れたのならば
二度と離さないのだろう

暖かいその手 離れ 漂った
そこから始まる物語のおわり

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