青春、ここにあり。
中学時代の夏休み、当時在籍していた硬式野球のチームメイトの家にもうひとりの男と泊まりに行った。
1年か2年の頃だったと思う。
彼は将来のキャプテン候補で、誰より真面目に野球に取り組む男だった。
中学生なので当然実家に泊まりに行くわけだが、普段野球部内で見せる真面目な態度の反動か、母親に強く当たっていたのがなんとなく面白く少しショックでもあった。
(その3人組で私の実家にも泊まりに来たことがあったことを今思い出した)
彼の家に泊まりに行ったのは夏の暑い日だった。
壁中のポスターは野球関係のモノばかりで、彼らしさが滲み出ていた。
私の部屋はロック関係のモノばかりだった。
夜中にコンビニへ。
当然酒を飲むわけでもなくほとんど退屈しのぎで向かったのではなかったろうか。
今考えれば欲しいものを厳選して買ってたはず。
自由に使えるお金がないからだ。
今ならだいたいなんでも買える。
それは別にしあわせなことではない。
高くて買えないものは別に欲しいものではないのだ。
30も過ぎた頃だったと思う。
ふとその時のことを思い出し、Googleのストリートビューで検索してみた。
もう最寄駅の名前も当然その家も覚えていないのだけど、近くにあったとある大きな建造物のおかげで検索ができた。
うっすら記憶に残っていたコンビニまで歩いた用水路沿いの道を見つけた時には感動した。
その時にふと感じた。
自分はあの場面に「青春」を感じているのだと。
野球に限らず、スポーツ中心の学生時代を送ったひとならわかると思うけど、友だちと遊ぶ時間って滅多にないわけですよ。
夏休みにほんの数日あった短い休暇日の出来事だったと思います。
何気ない日が大切なんですよね。
大きなイベントが記憶に残るのかと言えば必ずしもそうではない。
ふとした場面が記憶に染みついていたりする。
昔付き合っていた彼女と別れて「何が一番記憶に残ってる?」と聞いた時、「色々あるけど、ナヤ君ちに泊まりに行ったことかな」と返された時はとても意外で、自分が大切なことを見落としていたような感覚を味わった。
てなことを書いていて今思った。
大きなイベントや自主企画とか。
そりゃもちろん勝負どころだけれど、そうじゃないイベントでも、その日たまたま来てくれたひとの人生にとても重要な一場面になることもあるかも知れない。
その想いでステージに上がらなくちゃ、ですね。
そう言えばまだギリギリ20代の頃、悩ヨシタカさん、そんなこと歌ってたわ
悩ヨシタカ & the Tagirians 2011.8.26
【たぎり記念日】
なるほど、大切なことに気付けた。
俺の大切な青春の1ページ、役に立ったよ。
ありがとうな、林www
またどこかで会えたらいいな。