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ラ・リーガ第20節 エイバルvsアトレティコ・マドリー(19.JAN.20)

申し訳ないが、絶対負けると思っていた。アトレティコと言えば日本でも馴染み深いレアル・マドリ―、バルセロナに次ぐラ・リーガの強豪。最近ではすっかりCLの常連となった。堅守のイメージが強かったシメオネの4-4-2だったが、リーガの未来を切り開くジョアン・フェリックスを得て攻撃的に変化している最中との事で今シーズン、アトレティコのサッカーを見るのが初めての僕はワクワクしていた。

前回対戦はビセンテ・カルデロンで、3-2と惜しくも敗れているエイバル。前半を2点リードで折り返したにも関わらず、逆転を許した。過去の対戦成績を見ても、ここ五年までしか確認できなかったが、勝利なしのエイバル。放送中に実況の方から、一度もアトレティコに勝った事が無いと発覚。キャプテンのエスカランテの負傷欠場や、守備の要オリベイラの出場停止など勝てる要素が見つからない。前節バレンシア戦はオリベイラのおかげで失点を1に抑えたようなものだった。(0-1の敗戦)

しかし明るいニュースが無いわけでは無い。木曜日にフィオレンティーナからMFのクリストフォロがレンタルで加入する事が発表された。セビージャやヘタフェでもプレー経験のある26歳。買い取りオプション付きという事でエスカランテの穴をうめる活躍が出来るか。負傷から帰ってきたアルバレスの調子が今一つなので活躍の場はありそう。

スタメン

写真はエイバル公式twitterより

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普段の4-4-2から4-2-3-1へ変更。たまに使うメンディリバル監督の戦術である。アトレティコの4-4-2に対してミラーゲームには付き合わない様子。中盤でボールを敵の自由にさせない意図があるのかと思ったが果たしてどうか。出場停止のオリベイラの替わりにブルゴスが入ったが、ビルバオ戦でR・ガルシアにやられた為にフェイスガード着用。

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また、右サイドが主戦場のオレジャーナがトップ下に起用されている。クリストフォロもベンチ入り。

一方のアトレティコはこちら。

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モラタ、フェリックスの強力2トップを筆頭に代表級が顔を揃える。中でも僕の注目は左SHのスペイン代表ビトーロと控えにいるロドリゴ・リケルメ。この二人に流れを変えられ、前回敗れているらしかったからだ。メンバーを見るにつけグリーズマンが居なくなった事など微塵も感じさせない。

お互い、前節から今節の間にエイバルはコパ・デル・レイを1試合、アトレティコはスーペル・コパをバルサ、R・マドリ―と2試合戦っている。そのくらいのハンデがあっても勝てる気がしなかったのだが・・・。

試合開始

雨のイプルーア。何故か前半開始から、エイバルの得意なロングボール大作戦に付き合ってしまうアトレティコ。雨で細かいパスをミスするのを嫌ったのか、モラタをターゲットにボールを出すシーンが何度も見られる。

5分に乾が得たファールによりP・レオンのフリーキック。

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雨でスリッピーになっている為、枠に入るように打ったがGKオブラクに弾かれる。狙いは良かった。突っ込んできたエイバルFWエンリクがもう少しで触れていれば入っていた。

解説の幸谷さん、さすがのご指摘

しかし、そのあと10分にコーナーキックからエンリクが頭でファーのブルゴスの前にボールを落とし、それを押し込む。

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解説の幸谷さんが「アトレティコはマークが外れやすい」と言われていたその通りで簡単にエンリクをフリーにしてしまったアトレティコCHトーマス。エイバルも今季セットプレーからの得点が多い。僕が普段、戦術分析している金沢も同様だ。武器は多いほうが良い。


10' 1 - 0 Esteban Burgos  Assist: Sergi Enrich

アトレティコはその後もモラタへのパスが多いが、なかなかゴール前までボールを運べない。エイバルSBテヘロやアンヘルの上がった裏を突くように攻め上がれる時はあるが、決定機を逃してしまう。

エイバルのマンマーク気味な守備からの激しいプレス

エイバルは相手にボールが渡ると攻撃的プレッシャーとマンツーマン気味の守り方でパスコースを切りながら間合いを詰め、ボールを奪おうとする。幸谷さんいわく、シメオネ監督から「ボールを上にあげるな」と指示が出ていたようだが、プレッシャーが強くロングボールを蹴るしかない状況を作っていた。

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ハードワークを繰り返しながら、相手にペースを握らせないまま前半を終えたホームチーム。アトレティコも引いた守備の局面では4-4-2でセットしていたが、かなり前がかりにプレッシャーをかけてきていたので、どちらも疲労が後半に響いたのかも知れない。

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前半は、ほぼ互角といったところだろうか。後半はシメオネ監督はどうやってくるのかと思っていたら、やはり地上戦中心に攻めてきた。

後半のアトレティコ、バリエーション豊富な攻撃

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①アリアス(SH)のオーバーラップを使いセンタリングを上げる

②モラタ(FW)のポストプレーを利用しエレーラ、コレア(SH)がモラタ(FW)を追い越す

③サビッチ(CB)に戻しもう一度組み立てる

④サウール(逆サイドのSHorSB)にダイレクトにクロスを入れシュート

⑤モラタにボールを預けフェリックス・ビトーロ(サウール)・エレーラなどで細かいパスを回し崩す。

など、バリエーション豊富な攻撃パターン。とにかく選手の質の高さでガンガンエイバルを殴り始めたアトレティコ。

ビトーロ、フェリックスが2ライン間に入り込みファールをもらう。25メートル以内の危ない位置のFKも、なんとか事無きを得るエイバル。

前半のハイペースが影響しているのか、エイバルは攻勢に出る事が出来ない。しかし、アトレティコも残り20分でガス欠気味になってきた。


  Atlético Madrid Out: Héctor Herrera  In:Renan Lodi 73'


Eiber 74' In:Sebastián Cristóforo  Out: Pedro León



Eiber 80'In:  Pablo De Blasis  Out: Fabián Orellana
Atlético Madrid Out: João Félix  In: Sergio Camello 83'

アトレティコは交代で3トップのような形になるが、エイバルも交代中に息を吹き返す。加入したばかりのクリストフォロが、上手くファウルを貰って時間を稼ぐ。

期待のJ・フェリックスはテクニックは素晴らしいが、フィジカルがもっとついてくれば怖い。運動量・ゴール前での動きは良かった。まだ20歳。期待は膨らむが今は辛抱。

アトレティコも、交代カードを切ったものの、一息ついてしまったせいか動きが悪くなってしまった。


Eiber 87' In: Charles Días Out: Sergi Enrich
Atlético Madrid Out: Vitolo In: Oscar Clemente 87'

期待していたロドリゴ・リケルメ出番なし。イプルーアの雰囲気が、段々と勝利を期待し、チャントのボリュームが大きくなる。

このまま終了かと思いきやトドメを指したのは、エイバルの若き司令塔10番エクスポジトだった。

あんまりやる気のなかったエイバルのコーナーキック。PA内に4人しか入らず、出来るだけ時間を稼いで守りきる作戦だったのだろう。追加点は絶対に避けたいアトレティコは、10人がPA内に。こぼれ球がPAのすぐ外にいたエクスポジトの前に転がり、ミドルシュートをズドンで勝負あり。


90' 2 - 0 Edu Expósito

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試合終了、やはり金沢と似ている

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お祭り騒ぎのイプルーア。順位は16位と已然、降格争いの真っただ中だが、18位セルタとのポイント差を6に広げ、一先ずは安心。というかアトレティコからの初勝利、エスカランテとオリベイラ不在、プレッシャーを激しく掛けた守備と連携がビッグクラブにも通用した事で、大きな自信となった事だろう。後半にかけての猛攻で数値では殆ど負けているエイバルだが、勝ちは勝ち。

http://www.sdeibar.com/ja/notice/el-eibar-se-impone-al-atletico-en-una-noche-magica

途中エクスポジトがアンカーで左に乾、右にアルバレスのようになっている事もあり、相手のポジショニングによって上手くバランスを取っていたエイバル。エンリクが1トップにも関わらず自陣の深いところにまで戻って守備に参加していたところも献身的で見逃してはいけない所。こういう全員攻撃全員守備のようなところも金沢に似ているのだ。ただ、連動性や運動量はエイバルのほうがもちろん上だ。

次節はセルタに乗り込む。勝ち点を重ねて降格圏を離れたい。その前にコパ・デル・レイもある。ギリギリで勝ち残ったみたいだから少し不安だがリーグ戦同様粘り強く頑張って欲しい。良い試合だった。

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