アラベス1

ラ・リーガ第23節 デポルティーボ・アラベスVSエイバル(08.Feb.20)マッチレビュー バスクダービー連戦①

イントロダクション、バスクダービーと実況

降格圏を抜け出したい両チームの対決。何年か前かはどちらもセグンダにいた。バスクダービーと言えば、長くプリメーラにいるレアル・ソシエダとアスレチック・ビルバオの戦いとして有名だが、アラベスとエイバルもバスクのクラブであるが故「バスク・ダービー」となる。

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上は2年前の画像なので現在のプリメーラのクラブとは違いますが、バスクはこの4クラブ。ソシエダやビルバオほどバスク色が強くは出ていないチームだが、ダービーならずとも負けたくはない状況。

http://www.sdeibar.com/ja/notice/mendilibar-va-a-ser-un-partido-igualado-con-mucha-pelea

苦しい状況でも歴戦の将は涼しい顔をしている。難しい試合になると予想して戦法を変えたメンディリバル監督。

アラベスの監督ガリターノは3年前に、レガネスを初のプリメーラに押し上げた監督。今度は降格争いのクラブを救う事が出来るのか。

レビューとは関係ないが実況の原大悟さんは、良くサッカーを知ってらっしゃるし、解説者が付かない中で一人で喋る試合がDAZNでは多い中、声の湿度が気持ち良く、イヤホンを付けて観戦しているので、原さんの落ち着いた感じが好きである。エイバルの実況が多いので、今後もよろしくお願いしたい。

スタメン

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(画像:アラベス公式Twitterより)どこかで聞いた事あるような名前ばかりだったが、気になったのはレアル・マドリ―の下部組織で育ったパチェコ。さらにドイツやイングランドで活躍したFWのホセル。キャリアハイに並ぶ9得点をあげている。さらにはスコットランド代表のバーク。外国籍の南米系の選手が多い中、リーガでは珍しい。

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(画像:エイバル公式Twitterより)エイバルはブルゴスとビガスのセンターバックは変えずに、乾とテヘロを先発から外す選択をした。エスカランテが久々に戻ってきたが試合には出ず、画像ではディオプの1ボランチ。乾のところにオレジャーナ、テヘロの位置には復帰後初先発のアルビージャ。

試合開始

結局試合に入って並びを見てみると、下の図のような感じになっていました。

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ほぼミラーゲームの4-1-4-1的な状態。アラベスのほうは守備時フェイサがカラマサを押し上げるような形で4-4-2に。ただ、引いている訳ではなくボールの出た所に、積極的にプレッシャーをかけにいくようなゾーンとマンツーマンを併用した守り方でマークのいない選手は、空いているスペースを消す役割をしていて、なかなかうまく攻める事が出来ないエイバル。

そのやり方を理解した上で、前にかける人数を増やしマークを付けさせてスペースを作り出したかったエイバルだが、前半は特に目立った攻撃をする事が出来なかった。前に人数をかける事で、中盤をショートカットした単調な攻めになる事も多く、エンリクの空中戦勝率も決して高くは無かった。

エイバルの攻撃、飛ばされる岡村?

アルビージャがディフェンス向きの選手である事からか、最初は左サイドからの攻撃を主に狙っていて、意図的にアルビージャが中央に寄りスライドしてアンヘルを押し上げ3バックになっているようにも見えた。乾がいない事でドリブルでのデュエルもあまり見られない。オレジャーナは、全然関係ない所でナバーロに吹っ飛ばされていて、「めちゃイケ」の岡村がいじめられているかのようになっていた(笑)ボタンの付いている2ndユニフォームの為、より子供感が出ていた。

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アラベスは逆にアンカーのディオプの両脇に、ホセルやM・ガルシアやカラマサの誰かを配置し、そこにボールを放り込んで、他の二人がセカンドボールを拾って前へと運ぶ狙い。やっている事はエイバルとそう変わらないのだが、ホセルが192cm、他の選手も180cm台でターゲットが多い。バークやビダルなどにもボールが飛んでいた。

しかしどちらもチャンスをそれほど多くは作れなかった。エイバルはP・レオンが個人技で突破を図ろうとするも上手くいかず。ディオプがワンアンカーだとボールの展開力に乏しく、横に流すばかり。

アラベスも前半終了間際、アンヘルの後ろを抜けてオーバーラップしてきたナバーロが、鋭いシュートを放つがドミトロビッチがナイスセーブ。

前半終了

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(画像:Sofascoreより)右がエイバルで左がアラベス。珍しくボール支配率が上回っているエイバル。しかし攻めあぐねてボールロストという状況が続き、ハッキリ言って前節とは全く異なる、見ていてつまらない前半だった。数値ほどの差が無いというか微妙にアラベスがボールが足元に納まっていて優位かなと、思ったのもつかの間。

後半開始


46' In:Lucas Pérez  Out: Ljubomir Fejsa

アラベスは負傷明けのペレスを投入。ホセルの次に点を獲っているFWだ。(8得点)バークとビダルも左右入れ替わっている。攻撃的なアンヘルの後ろを、足の速いバークに走らせようという意図か。

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カラマサが下がって、ペレスがホセルに並んで2トップを組む形でスタートした後半キックオフ。その13秒後に試合が動いた。

ビガスのパスをビダルがノートラップで前に返し、ブルゴスがコントロールに失敗。それをすぐさまホセルが拾いペレスへ。

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自分達が耐えて掴まなければいけない1点を、気の緩みから失ったエイバル。ペレスはワンタッチ目がゴールネットを揺さぶった。

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46' 1 - 0 Goal: Lucas Pérez  Assist: Joselu

その後、アラベスはポジションチェンジが功を奏し、早い切り替えしでアンヘルの裏をバークが走りチャンスを作る。

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さらにコーナーキックから、カラマサのクロスがマガジャンの頭にドンピシャのタイミングで送られたがドミトロビッチがファインセーブ。

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Out: Pedro León  In:Charles Días 57'

FWのシャルレスが入り2トップになったエイバル。P・レオンのところにクリストフォロ。エクスポジトが下がって2ボランチのいつもの体制に。またまたミラーゲームの形となったが、ターゲットが増えたからといってボールを前に運べないエイバル。しかし、ボランチにエクスポシトが入った事でいつものように3人、4人でサイドからボールを自分達のペースで回せるようになってきたのだが。

開幕時は5番手だったブルゴス、落ちなければいいが・・・

この日のブルゴスは今までチャンスを掴みとって、自信に満ちていたブルゴスとは違った。アラベスの2点目となるシーンのきっかけとなるのも、ブルゴスの目測を誤った飛び出しからだ。

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ボールがアラベスの左SBドゥアルテから出て、ペレスの動きに騙されたブルゴス。ボールはサイドに張っていたビダルへ。この時動いたアルビージャも悪かったのだが。

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ビダルにビガスが、騙したペレスに騙されたブルゴスが付き、中央に入ってきたホセルにはアンヘル。画面では同数だったがペレスは後ろからバークが走ってくるのを察知していた。

ホセルがグラウンダーのクロスをスルーし、バークが押し込む。残り25分で2点のビハインドとなったエイバル。

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ルーニーに似た走りのバーク

このバークの走る姿が、若き日のウェイン・ルーニーのようでなんだか好きになってしまった。ウエスト・ブロムウィッチ(WBA)からのローンだそうなので現在2部のWBAが昇格してプレミアで姿を見られるのだろうか。その前にラ・リーガで成功をつかんで欲しい。


66' 2 - 0 Goal:Oliver Burke  Assist: Aleix Vidal


Out: Pedro Bigas  In:Pablo De Blasis  71'
71' In:Édgar Méndez  Out: Oliver Burke

攻撃するしかなくなったが、攻め手の無いエイバル。選んだカードは乾では無くデ・ブラシスだった。

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守備的なアルビージャをセンターバックで起用。攻撃的なデ・ブラシスをサイドバックに。アラベスはバークのところにそのままメンデスを入れる。入ったばかりなので、右サイドの動きは活発になるが依然としてあまり効果的に攻められないエイバル。アラベスは守備固めに、エイバルはより活性化の為に最後のカードを使う。

乾投入後、すぐに反撃開始


Out: Sebastián Cristóforo In: Takashi Inui  83'
83' In:Martín Aguirregabiria  Out: Joselu

エイバルはオレジャーナが右サイドへ、左に乾。アラベスは5バックに。普段から5バックには慣れているはずのアラベスだったが、オレジャーナがポジションチェンジした事に気がついてなかったのか、ありえないくらいどっかりとゴール前を空けてしまう。

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いじめられっ子ようやく反撃。乾にも入って早々アシストが付いた。


Assist: Takashi Inui  Goal:  Fabián Orellana 2 - 1  83'

ようやく乾にボールの納まりどころを見つけたエイバルだったが、5バックに1点入れるのがやっと。おまけにシャルレスがM・ガルシアに肘を入れてしまい、治療に時間を使われジ・エンド。

試合終了、落とした勝ち点1

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http://www.sdeibar.com/ja/notice/el-eibar-cae-ante-el-alaves-2-1

正直今回は「策士、策に溺れる」という印象。エクスポジトがアンカーならまだしも、ディオプでは前線と守備が分断されてしまったような感じだった。しかし、ミスが無ければ、勝ち点1は獲れた試合だっただけに勿体ない。早くエスカランテとキケ・ガルシアが戻ってきてくれるといいが。

次節もダービーマッチ。レアル・ソシエダをホームに迎えるバスク・ダービー。そしてその次は、カンプノウだ。乾がスタメンに戻るのか。ディフェンスの入れ替えはあるのか。厳しい戦いが続くエイバル。落とした勝ち点1は大きいかも知れない。

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