ラ・リーガ第28節 R・マドリーVSエイバル 第29節 エイバルVSアスレティック・ビルバオ リーグ再開2戦を見ての雑感
アレ?エイバルはアウェーのはず・・・
えらくスタジアムが小さいと思ったら無観客試合の為、下部組織が使用しているエスタディオ ディステファノだった。それにしたってマドリーのレジェンドの名前が付いたスタジアムだ。エイバルのイプルーアより綺麗な感じがする。
マドリ―戦は運が悪かった。再開初戦のとしては相手が悪すぎた。思えば2月23日にバルサ相手に0-5。そのあとレバンテに勝ったものの降格争いをしているマジョルカにホームでまさかの敗戦。中3日で行われた無観客のソシエダとのバスクダービーにも敗れてサンチャゴ・ベルナベウに乗り込まなければいけなかったのだから連戦よりかはマシだったのかもしれない。しかし解説の戸田さんがおっしゃる通り、マドリーの選手達のコンディションは予想以上に良かった。
セルヒオ・ラモスやヴァランを一人にさせないカゼミーロの動きが抜群で前半は全く良いところを見せられなかったエイバル。ベンゼマやモドリッチのチェイシングによりボールを前進させられないエイバルは、苦し紛れにロングボールを出すしかない。また復帰したアザールも果敢にパスカットを狙うなど状態は良好。マドリーの1点目はクロースがここしかないというゴール左隅を狙った見事なゴールだったが、その前にしっかりとアザールがエイバルのアルバレスを引き付けてタメを作り、ベンゼマの飛び出しをお膳立てしている。
メンディリバル監督も、ここまで相手が仕上げてきたとは思っていなかったであろう。エスカランテがカード累積による出場停止だった事もあり、手持ちの駒がある程度揃っているにも関わらず、あえてマドリーと同じ4-3-3で勝負に来た事を考えると、激しいプレッシャーをかけ、マドリーが50%くらいの仕上がりで来ている事を見込んで前半を0-0、悪くても1-0くらいで折り返してペドロ・レオンと乾を投入して勝ち点をもぎ取りたかったのだと思う。しかし、目の前の白い巨人が見据えるものは1位バルサを引きずり下ろす事であり、さらには8月再開予定のCLだ。
エイバルには一人でピボーテを出来る選手はいない。ポジション的にインテリオールやデランテーロであっても、全員が連動したデフェンサでなければならない。単純に前に人数をかけたいからといってピボーテを一人に任せる事は、結果的に前でのバランスを失い自滅してしまう。結局ピボーテの穴を埋めに行かなければいけないからだ。ミラーゲームにしてしまった事でスター軍団の実力に呑まれてしまっていたようにも見えた。
後半は選手交代で自らバランスを崩し、さらにはマルセロの動きが鈍った事でボールを持てる時間が増えたエイバルだったが、結局勝ち点を持ち帰る事は出来ず。
乾は出場出来なかったビルバオ戦
そして中2日で迎えたビルバオとのバスクダービー。結果から言うと2-2のドローで貴重な勝ち点1を得た。VARによるPKでお互い1点ずつを取り合ったが、エイバルの1点目は相手ゴールエリアでセルジ・エンリクが身体を張ってマイボールにし、オレジャーナの上げたクロスは反対のゴールライン際までいってしまうが、それをペドロ・レオンがワンタッチで上手くゴールに飛び込んでいたキケ・ガルシアに合わせるという、いかにもエイバルらしい全員得点というゴールだった。
悔やまれるのは激情型のメンディリバル監督が暴言を吐いたという事でレッドカードを貰った事。2-2になる前に流れを引きもどす為にカードを切れば良かったと思うのだが、5人も交代枠があるにも関わらず80分まで交代させなかったのは疑問が残る。
しかし、やはり4-4-2がエイバルには合っていると再確認した2試合であった。下位のチームも振るわなかった事で順位の変動は無かったが、効果的な選手起用と交代のタイミングがジャブのように後々に響いてきそうなリーグ終盤、次節はヘタフェ次々節はヴァレンシアと上位対決が続く。