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ラ・リーガ第24節 エイバル VS レアル・ソシエダ(11.MAR.20)

この伝説を抜きにラ・レアルは語れない

レアル・ソシエダといえばシャビ・アロンソやヴァレリー・カルピンといったレジェンドを思い出す。しかしこのサムネの2人はソシエダの歴史の中で際立った存在である事は確かだ。

ニハト・カフヴェジとダルコ・コバチェビッチの2トップ。02-03シーズンのソシエダはこの2トップのゴール量産で、優勝まであと一歩という所まで行った。ニハトが23点、コバチェビッチが20点といういまではちょっと考えられない数字。この小さいトルコ人と、187cmとそこまで高身長ではないユーゴのFW。しかし並ぶと大人と子供ではないが、近所のヤンチャ坊主とお兄ちゃん的な雰囲気でバスクでも大人気だった。

その頃には及ばないが、ソシエダは二部に落ち、また一部に舞い戻りまたインパクトを残す4位にまで登ってきた。ウィリアン・ホセ、オヤルサバル、ポルトゥ、イサクなどまんべんなく点が獲れるメンバーはコパ・デル・レイでR・マドリ―をも破った。中2日での開催となったイプルーアに観客の姿は無い。世界がコロナで我慢している。バスクダービーでさえも。

スタメン

画像はサッカーフォーメーション2019-2020さんから

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エイバルはCBのイリベイラが出場停止の為に右SBをしていたアルビージャがCBに。コレアが久々の出場。乾が先発に復帰。オレジャーナが右に移ってP・レオンがお休み。中盤もディオプを休ませアルバレスに。4-1-2-3になっているが4-2-3-1のような形でエスカランテがトップ下。ターンオーバーがどう出るか。あ、クリストフォロもベンチだった。

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ソシエダもイサクとポルトゥをターンオーバーか。僕の大好きそうな、カンテラ出身のバレネチェアを見たかったのだが、今回は見られず。

フォーメーション

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ざっくりとフォーメーションの噛み合わせを見ると、こうなります。ソシエダは結局4-1-4-1のような形でメリノとサンガリが攻撃時2シャドー化。エイバルとしてはソシエダのアンカー、スペルディアのパスコースを切りながらCBへのプレッシャーを仕掛ける事となりますが、第1プレッシャーラインを超えるとアルバレスかエクスポシトが前に出る、もしくはエスカランテが下がって守る。どちらにしろ激しい上下動が求められる訳です。一方エイバルが攻める時は、スペルディアの脇を使ってボールを前進させたいというせめぎ合い。果たしてどうなりましたか。

アンダー世代の国際試合とか見ているので、特に観客がいない事に寂しさは感じないが、イプルーアに誰もいないのは、やはり違和感を感じてしまう。

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エイバルの狙い、采配に不安

試合開始から前節、攻めに攻めまくってノーゴールだったエイバルのペース。(下の図で白ソシエダになってますが青です)

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左サイドからはキケにロングボールを預け乾・エクスポシトがセカンドボール回収、アンヘルと共にサイドから崩しにかかります。右からはコレアとオレジャーナのパス交換でオレジャーナが突破を図るかパスの出口としてエスカランテが絡んでいくような形。

前々節あたりから、右SBとしてのアルビージャのボールの切り替えし方など、前進する工程で良い面が見られたので、ボールを持ちすぎるオレジャーナのパートナーが、あまり試合に出ていないコレアという点で不安は少しありました。CBはブルゴスでは不安なのでしょうか。一時期の抜擢が、嘘のように無くなってしまったメンディリバル監督のブルゴスへの信頼。

マイボールになるとすぐに一度ホセにボールを預け、2列目の4枚が上がっていくソシエダ。去年までなかった怖さ。

計算外の失点

早々に不安が的中。コレアのオレジャーナへのパスミスを見逃さず、オヤルサバルがカットし流れるようにホセ→ヤヌザイへ。あがってきたサンガリへパスを出そうとしたヤヌザイのボールを、ビガスがPA内で手に当ててしまいPK&イエロー。

これをオヤルサバルが落ち着いて決めソシエダ先制。無観客で喜びも爆発させられないソシエダイレブン。

自らペースを乱すエイバル

その後もエイバルのペースで試合は流れるも、決め手を欠くエイバル。ソシエダは得点を急がなくても良くなり、エイバルの様子を伺いつつ隙をねらう。

左サイドで乾が倒されFK。アンヘルのキックにキケがヘッドで合わせたボールが今度はソシエダのスペルディアの手に。

このPKをオレジャーナが決める事が出来ず。このちびっ子はエイバルのリズムを作るが壊す事もするので厄介だ。

ソシエダが中盤をコントロール

徐々に前がかりになって、アルバレスが一人でボールを捌くにつれ、縦に長くなってしまいボールがつながらなくなってくるエイバル。ファールでボールを止めイエローを貰う場面が増えていった。

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メリノやサンガリが状況に応じて上下するので、サイドから崩したいが、あまり人数をかけられないエイバル。乾が左へ抜け出した時もあったがキケやエスカランテとタイミングが合わずチャンスを作れない。

結局膠着状態のまま前半が終わる。前半でイエローが5枚。嫌な予感のする試合だ。

後半の修正点

後半からエイバルが変わった点は、最終ラインにCHアルバレスが降りてきてボールを受けるようになった事と、コレアとアルビージャが入れ替わるようにして攻撃に変化をつけてきた事。やはりアルビージャのほうがボールのキープ力が高く前進しやすい。攻撃は右サイドに偏っていた気もするが、逆サイドの乾をフリーにさせたかったのか。それにしても乾を生かせなかったが。

さらにはオフェンシブサードに入ってすぐあたりから、両サイド共にクロスを入れるようになったという点もあった。あまりサイド深くまで入りこんでも、ゴールに迫れなかった前半。

一方ソシエダは、オヤルサバルが中に絞るような形でホセと入れ替わるようにしていた。これが相手によって柔軟に出来るから、スコアラーが偏らないのだなとわかる。

コレアの奮闘

それにしてもエイバルのSBロベル・コレアはオヤルサバルとのマッチアップはなかなか見応えがあった。攻撃面では少しアルビージャに見劣りしていたが、1対1でオヤルサバルを自由にさせていなかったのは良い材料だった。

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うん、でも手を上げてちゃいかんぞ(笑)

ディオプより頑張っていたアルバレスがOUT

エイバルはCHのアルバレスを下げてCFのシャルレスを投入。点が欲しかったので、仕方ない策ではあったと思うがこれが結果的に敗因に繋がったのではと思う。

アルバレスの位置にはエクスポシトが入り、シャルレスは最前列。前々節2ゴールのシャルレスに望みを託したが、プレスバックや競り合いの強さなどはエンリクの方に分がある。しかし今日はそのエンリクは招集外だった。

ポルトゥの判断の速さ

やがてエイバルが支配していた時間は過ぎ去り、ペースはソシエダへ。ポルトゥが交代で入った事も大きかった。追加点のアシストもポルトゥ。

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ポルトゥがスッと開いたCBの間に入りこみパスを受けると、あとはホセが決めるだけ。

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これが一瞬を見逃さない選手の所作だ!(笑)

悲しみのサイレン

その後エイバルは乾を下げてキケ・ゴンサレスを投入。2部で得点王だったキケ・ゴンサレスだが、乾の位置に入れてどうするのか。悪い時のエイバルと迷走している采配が全て出てしまった試合。最後の最後で相手のハンドからPKをシャルレスが決めるも、エイバルの得点の際に鳴るサイレンのような音が、雨のイプルーアに悲しく響くだけだった。

スタッツと次節は白い巨人

画像はSofa Scoreより

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同じような試合を2節連続で見たような気持ちだったが、マジョルカにはあと一歩、ソシエダには抑え込まれたという感じだった。支配率は高いが、想像性の無い攻撃。ベストなメンバーが組めなかったとはいえ苦しい。乾を生かせる攻撃(CFが相手DFを引き付けて1対1を仕掛けられる空間を作る)も出来ていない。

ひきずっている暇無くサンチャゴ・ベルナベウに乗り込まなければいけない。唯一の好材料は無観客。うるさいマドリニスタがいない事だ。ベストな布陣でのぞむのか。成す術無く連敗してしまうのか。崖っぷちの試合が続く。

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