シンガポール&東南アジアで学んだビジネスのリアル:規制の変化、VCの事情、そしてネットワークの重要性
東南アジアというと、ひとくくりにするのが困難になるほど多様な文化や人種などが交わった地域となりますが、実際に起業するには、シンガポールや他東南アジアはどれほど有力な地域となるのでしょうか?
こんにちは!シンガポールで起業を目指している27歳、元アマゾンジャパン勤務のETです。最近、現地の大手アクセラレーターのマネジメントと飲みに行った際に聞いた話や、シンガポール及び東南アジア市場のビジネス環境についての個人的な学びをシェアしたいと思います。
これからシンガポールや東南アジアで起業を考えている方々にとって、少しでも参考になる情報をお届けできれば嬉しいです。
1. シンガポールと東南アジア諸国の規則は国ごとに異なる。
シンガポールはビジネスをする上で非常に安定した規制環境を提供していますが、東南アジア全体で見ると、国ごとの規則がかなり異なるという点が重要です。特に、マレーシアなどではビジネス規則が頻繁に変更されることがあると聞きました。
例えば、マレーシアでは政府の規制が急激に変わることがあり、そのため事業を運営している企業がしばしば不安定な状況に直面することも多いとのこと。実際に、現地の企業が直面する法的な変更に迅速に対応できるかどうかが、ビジネスの成功に大きく影響します。
シンガポールはその点、他の東南アジア諸国と比べて規制が比較的安定しており、国際的なビジネスハブとしての信頼性を誇っています。しかし、他国との連携を視野に入れる際は、こうした規制の違いを常に意識しておくことが重要です。
2. シンガポール市場は小さい。けれど、グローバル展開には理想的な場所。
シンガポールは非常に発展した市場を持つ都市国家ですが、その市場規模は他の大国と比べると小さいのが現実です。例えば、シンガポール国内だけをターゲットにする起業は、どうしても市場の限界にぶつかりがちです。
そのため、シンガポールで起業を考える際は、必然的にグローバル市場を意識した事業展開が求められます。シンガポールのマーケットをスタート地点として、アジアやその他の国々に進出するモデルが一般的です。
シンガポールはアクセスが良く、英語が公用語であり、ビジネス環境が整備されているため、アジア全体に顧客基盤を広げるためのハブとしては理想的な場所と言えるでしょう。もしシンガポールを拠点にビジネスを始める場合、国内市場だけではなく、周辺地域(特にインドネシアやタイ、フィリピンなど)のニーズも視野に入れることをお勧めします。
3. 東南アジアのVC事情:インドネシアの失敗とシリコンバレーとの差
シンガポールや東南アジアのベンチャーキャピタル(VC)事情は、思っている以上に厳しい現実があることを知りました。東南アジアのVCは、シリコンバレーに比べてまだ潤沢ではないという点が大きなポイントです。
コロナ禍の後、インドネシアには多くの投資が集まりましたが、その多くは実際には期待通りの結果を生まなかったとのこと。特に、インドネシア市場は規模が大きくて成長のポテンシャルも高いものの、政治や規制の不安定さ、インフラの問題などが足を引っ張る要因となっています。結果的に、投資家たちは期待したほどのリターンを得られなかったケースが多かったそうです。
また、シリコンバレーのように資金が豊富な市場ではないため、VCが投資を決定するプロセスは非常に慎重であり、リスクも高いという現実があります。これから東南アジアで資金調達を考える方は、この点をしっかり認識しておく必要があります。
4. VCは「ネットワーク」が全て。
最後に、東南アジアのVCの特徴的な点として、「ネットワーク」が非常に重要であるという話がありました。シリコンバレーのように、オープンで透明性の高い資金調達の環境とは異なり、東南アジアのVCは基本的に知り合い同士で投資を検討することが多いとのことです。
そのため、もし資金調達を狙うのであれば、業界内での信頼関係を築くことが最も重要だと感じました。実際、現地の大手アクセラレーターでも、投資家同士の強いネットワークや、過去に成功した企業の紹介が決め手になるケースが多いとのこと。
まとめ:アジア市場のビジネスチャンスと課題
シンガポールや東南アジアには多くのビジネスチャンスが広がっていますが、その一方で規制や投資環境、ネットワークに関する独特の事情もあります。私自身、現地での経験を通して学んだことは、「市場の規模」や「ネットワークの重要性」**が成功に大きく影響するということです。
これからアジアでビジネスを始めようとする方々には、事前にしっかりと情報を集め、現地の状況に応じた戦略を練ることが求められます。シンガポールを拠点にした起業は、確かに多くの可能性を秘めていますが、それを成功に導くためには、しっかりとした準備と適応力が必要です。
これからもアジア市場におけるビジネスの最新情報をシェアしていきますので、ぜひフォローしていただけると嬉しいです!起業を目指す皆さんと、共に成長できるような情報を提供していければと思っています。