良きゲームとの出会いに感謝を(世界でいちばんNGな恋 感想)
はじめに
「世界でいちばんNGな恋」とは2007年にHERMITから発売された美少女ゲームである。2018年にはリメイク版「世界でいちばんNGな恋 ハピネスモーション」が発売されている。
今回、このゲームをプレイするきっかけはDLSiteでウィルプラスのまとめ買いセールをしていた際に知り合いから薦められたからである。シナリオライターが好きだったのもある。
感想
率直な感想としては
今このゲームに出会えてよかった。
面白いゲームに出会ったときはもっと早くに出会いたかったと思うことが多いが、ノベルゲームに関しては一概にそうともいえないと思う。
これは筆者が勝手に考えていることだが、ノベルゲームはプレイする年齢やその周囲の環境によって感情移入のしやすさや今後への影響度が変わるものだと考えている。プレイする人や時期によってゲームの評価が変わるはそのためではないだろうか。
実際、私は卒業手前に「はつゆきさくら」をプレイしたので「卒業」というものに関して特別な想いを持つことができたし、今でも印象深いゲームになっている。
今回は主人公の設定が筆者に近いものであり、共感できることが多かった。
30歳手前のギリギリ20代ということで人間関係や恋愛についてなど少し考えることもあり、それがネタにされていることが刺さった。また、出身が岐阜県であるというのも共感ポイントである。
ここからはよかったと思うポイントについて綴っていく。
舞台設定(シチュエーション)
本ゲームの舞台は「テラスハウス陽の坂」という平屋のアパートである。
「陽の坂」の大家代理である陽坂美都子という少女のために奔走しようとするが他の住人やヒロインのごたごたに巻き込まれるといったシナリオである。と言えば聞こえはいいが、もう少し詳しくかみ砕いて書くと29歳バツイチの男をJCと大人が取り合うといったシナリオである。
うーん、ドロドロ。
愉快な隣人やほぼ同居している舞台でのラブコメ、人間関係というのは日常パートも映えるので古来から良いとされる。(筆者がめぞん一刻好きなのもあります。。。)
魅力的なヒロイン
これに関しては筆者の趣向が大きく出ているが
甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる低身長キャラ(ロリキャラ)
めんどくさい女
涙が似合う負けヒロイン
これが全部そろっている。
甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる低身長キャラ(ロリキャラ)
ちっちゃいのに頑張る娘(それも自分のために)はホントに可愛い。
それをコンプレックスに思っているとなお良い。
本作品の場合それがメインヒロインなのだから最高。
美都子ちゃんの魅力に関しては後述でも書いていく。
めんどくさい女
本作品のヒロインは全員めんどくさい女だと思う。それがいい。
特にルートが確定してからの以下のめんどくさいムーブが好きである。
・自身の恋を諦めきれていないのに他のヒロインの手助けをする
・過去にすがる
・隙あらば主人公に迫る
具体的には、ルートから外れた後でも主人公のことを思ってくれている夏夜さんや姫さんがいい味している。さらに隙あらば主人公を狙おうとする夏夜さんかなり好き。
涙が似合う負けヒロイン
これは主に美都子ちゃんであるが、良い女というのは女は涙が似合う。
他ヒロインルートで見せてくれた涙が美都子ちゃんをより引き立たせてくれる。彼女が自分の想いに気づくその瞬間が美しい。
単純に私が女の子の泣き顔が好きだというのもある。
三角関係を重視したシナリオ
本作の魅力はどのルートでも起こる三角関係であろう。
美都子以外のヒロインのルートでは主人公とヒロインが大人の立場で恋愛をしようとするがそこに子供の恋愛観の美都子ちゃんが割り込んでくることでそれぞれの感情が揺れ動く。
筆者が特に印象に残っているのは夏夜ルートの夏夜と美都子が一緒に風呂に入って会話するシーン。美都子ちゃんに対して夏夜が大人げなく現実をぶつけるところが最高にドロドロしていて好き。
どのルートでも存在感がある美都子ちゃんが決して嫌なキャラでなく、可愛いと思えるキャラに仕上がっていてやはり中心はこの娘なんだと思わせてくれるのが流石である。
最後に
2007年発売と少し古いゲームであるため、絵がいまどきでなかったり、受け入れ辛いという人もいるだろうが、三角関係や歳の差を超えた純愛ものが好きという方にはかなりオススメできる作品である。
ゲームに限らず出会いは一期一会である。
出会いのチャンスを逃さないようにしたいものである。