地を這うくじら 13 ひらさわ たゆ 2021年8月4日 20:22 物心ついた頃から、わたしにはそれが見えた。いや、おそらく、生まれたときから見えていたのであろうそれらが、物心ついた頃になにかの拍子で覚えた「くじら」なのだと認識したのだ。どのように見えるのか、というと、あらゆるところに見えている。視界が邪魔されるほどではないが、それは海の中に在るのと同じように、地面の下、壁面の中、はては空の雲に重なって泳いでいるのだ。しかしながら水中ではないために、わたしにはそれらが這っているように見えるのである。*野やぎさんの冒頭3行選手権に参加させていただきます ダウンロード copy #小説 #短編小説 #ファンタジー #くじら #冒頭3行選手権 #野やぎ 13 まだまだ未熟者ですが、夢に向かって邁進します サポート