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自虐『オスカルな女たち』
さて、今回は無理矢理「振り返り」をしてみたいと思います
なぜカラオケで、あの選曲にいたったのか・・・・気になりますよね?
あ、気にならなくてもいいんですけど、書ききれなかった諸事情を後日談という形で楽しんでいきたいと思います~(=゚ω゚)ノ
さて、下記が4人の選曲になります
それでは、それぞれの選曲理由について、4人に語っていただきましょう
4人の選曲
1巡目 玲 : 「かもめはかもめ」研ナオコ
織瀬: 「夜に傷ついて」アン・ルイス
真実: 「止まらないHa~Ha」矢沢永吉
つかさ: 「真夏の夜の夢」松任谷由実
2巡目 織瀬: 「やさしいキスをして」ドリームズカムトゥルー
真実: 「も~れつア太郎 op」桂 京子・大竹 宏
織瀬: 「ジュテーム」坪倉唯子
つかさ: 「はがゆい唇」高橋真梨子
3巡目 真実: 「夜桜お七」坂本冬美
織瀬: 「LOVE&TRUTH」YUI
つかさ: 「ストロベリータイム」松田聖子
玲 : 「あなたのキスを数えましょう」小柳ゆき
4巡目 真実: 「誰がために」成田賢
つかさ: 「すきすきソング」水森亜土
織瀬: 「グローイング・アップ」堀江美都子
つかさ: 「愛をこめて花束を」Superfly
「ね、玲。なんで唯一の選曲が研ナオコ? まこちゃんは知ってるみたいだったけど…」
そう確かに、玲は「どうせ1曲しか歌わない」と言ったのだ。
「あぁ。昔、家庭教師がね、よく歌ってたのよ」
「家庭教師?」
幼いころの玲には家庭教師が3人いた。そのうちのひとりは当時40代の独身女性で、主に習いごとの送り迎えを担当していた。その家庭教師の車の中で、いつも流れていたのが「研ナオコベスト曲集」だったのだ。
「当時は気づかなかったけれど、あれは生意気な私に対する皮肉だったってことがあとからわかったのよ。『あきらめました』って、つまりは私をどうにか従わせることをあきらめたって意味だったのよ」
「ぶはっ…なんだそれ」
「失礼よね…」
「そうじゃない。玲、自業自得だろ」
「あなたの方が失礼ね、マコ」
「おりちゃんのアン・ルイスもちょっと気になったよね」
「なにが?」
「確かにね『あぁ無情』とか『六本木心中』じゃないところが…」
カラオケでは定番であろう曲名を並べる真実に、
「YAZAWAチョイスのマコはそうでしょうね」
玲は呆れ顔で返した。
「いいだろうが、永ちゃん! Ha~Ha」
好きだ…というわりに真実は、歌えるのはこの曲と「時間よ止まれ」だけだという。
「なに? まこちゃんはやっぱり…」
「べつにヤンキーじゃない。偏見だ。このハスキーボイスを活かすための選曲だし」
「ハスキーボイスが聞いてあきれるわね。ただタバコやけなだけじゃない」
「黙れ、玲」
「で、なんで『夜に傷ついて』なんだ?」
興味津々の真実に、
「だって…。夜に傷ついてるじゃない? あたし」
と、真顔で返す織瀬。
「自虐? 織瀬、それは…」
痛い顔で織瀬を見下ろす。
「やだ、冗談よ。あれはねぇ、あたしの失恋したときの定番なんだ…」
「織瀬失恋したの? そっちもそっちで…」
今度はつかさが痛い顔をする。
「そうじゃないけど『かもめはかもめ』の次だったから…流れで」
「じゃぁその次のドリカムは?」
「それはつかさの流れで…テキーラ、みたいな、キスをして♬…から連想しただけ」
と、さわりを歌ってみる織瀬。
「へぇ、なんでも行けるのね。前の人の曲から自分の曲の選曲するんだ…」
「だって、得意な歌もないし雰囲気壊さないように」
「相変わらず気ぃ使いだなぁ、織瀬は」
まったくしょうがない…と、織瀬の頭をポンポンする真実。
「それより『もーれつア太郎』だよね」
冷めた視線を真実に送るつかさ。
「いい歌だろうが。あれは、名曲だ」
「いい歌だけどね。あとに続けないよね。しかもア太郎からの坂本冬美って、ずるいよね」
「ずるい? じゃぁ、次からはつかさを筆頭にはじめようぜ」
「だからしょっぱなはダメだってば。声裏返っちゃうから。まぁ…まこちゃんの次じゃなきゃいいよ」
「じゃ、この次はあきらめました~♪…からの、つかさね」
楽しそうに織瀬が答える。
「いやいや、タイトル変わってるし」
「あら、やだ。そんなに何度も聞かせはしないわよ」
「なに勿体ぶってんだよ」
「おりちゃんのYUIもなかなかかわいかったよね」
「あれはね、サビの部分を歌いたいために頑張って覚えたの」
「へぇ~そうなんだ」
「つかさの聖子ちゃんもよかったよ」
「そう? 聖子ちゃんはあれが一番好きなんだ」
「わかる気がする~」
「なんだなんだ、その馴れ合いは」
「だって、マコちゃんの次の選曲が『誰がために』だもんね~」
さらに冷めた視線のつかさ。
「いいだろうが」
「でもなんで?」
笑いながらもその理由が知りたい織瀬。
「知らない言葉がいっぱいだから」
「なにそれ」
「だって『誰(た)がために』なんて言葉、わざわざ使うか?」
「使わないね」
「だろ? 気になって覚えちゃたんだよ」
「よく言うわよ、歌詞間違えて記憶していたくせに」
玲は腕くみして真実を見る。
「それは、仕方ないだろ。子どもだったんだから」
「え? 歌詞間違えるところあった?」
興味津々のつかさ。
「マコにはあるわよ。たしか『夢見て走る 死の荒野』ってところよ」
そう玲がいうと、真実はおもむろに歌い出した。
「なみだでわたるちのた~いがぁ…ゆめみてはしる火の粉~おいや~♪…だよ」
ぎゃははははは・・・・
「夢見て走る火の粉?って、まったく意味わかんないけど…?」
「子どもにはそういう間違いよくあるだろーが!」
「だけど、おいや~って。盆踊りみたい」
ケラケラと笑って見せる織瀬。
「それを言ったらつかさの『すきすきソング』だってどうよ? ひみつ、の、あっこ、ちゃん⤴…じゃないところよ」
調子よく歌いながら真実が訴える。
「確かに!」
織瀬と玲がつかさを振り返る。
「え? あっこちゃんって言ったら『すきすきソング』でしょう」
とつかさがいえば、
「すきすき言ったら『一休さん』だろう」
と真実が切り返す。
「はぁ?」
「どっちもどっちでしょ」
最後はバッサリと玲が切る。
「そこからの堀江美都子…なんで? あたしなら『キャンディ💛キャンディ』に行くところだけど…」
つかさが織瀬に迫る。
「もしくは『ゴレンジャー』だな」
と真実が続く。
「それはないわ~」
つかさが引き気味に真実を見る。
「ごれんじゃ~? 真実らしいね。…あれは『わたしの足長おじさん』の主題歌だったの。あたし、子どもの頃から足長おじさんずっ・・・と欲しかったんだよね~。足長おじさんずっ・・・と待ってた」
力いっぱい答える織瀬。
「随分とリキ入ってんなぁ~」
「あんまりいいことなかったからね」
「今も待ってんの?」
問われて「まさか」と答える織瀬。だが、
「…うん、半分本気」
「やっぱり」
「玲の『あなたのキスを数えましょう』はどうして?」
「そうそ、あの低~~~い小柳ゆき」
皮肉めいた視線で玲を見る真実。
「初めて聞いたのが、男の人だったんだもの…そりゃ低くもなるわよ。最初はテンポもスローでね…私にはおどろおどろしい印象だったわ。あまりにインパクトが強すぎて、本人の歌を聞いても、私にはあれが耳に残って…」
「また昔の男かよ?」
「そういうわけじゃないけれど、あれを聞かされて、本当にキスを数えてみたいと思ったのよ」
真顔で答える玲。
「なんか、怖い。玲」
だれのキスを数えるの? 今までの人?…と、織瀬が尋ねれば、
「そりゃ。・・・・言えないわね」
と勿体つける玲。
「玲には謎が多いわね」
つかさがクスリと笑う。
「あら、女は謎が多い方が魅力的でしょ」
「出たよ…玲語録」
「男の人って…だれ?」
最初に聞いた歌は誰が歌ったのか…と、当然の疑問を投げかける織瀬。
「主人よ」
え~~~!?
「なによ? 別におかしくないわよ…あ~いう女が好みなんだから」
「好みだからって…」
「それで、おどろおどろしい曲なわけか…」
想像して身震いを覚える真実。
「締めのSuperflyはね、あたしの3人に対する感謝の気持ちよ」
両手を広げて、つかさは満面の笑みを浮かべて答える。
「愛をこめて花束~よ」
「きれいにまとめるね~」
「ちゃん、ちゃん、ってね♬」
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![ひらさわ たゆ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/8494871/profile_82044a6c85d7ec6ceaed909e65354473.jpg?width=600&crop=1:1,smart)