妄想家族 『かわいい奥さん』
母はいつも無益な刷り込みをしている
それは結婚してからというものずっと、自分に都合のいいように・・・・
「お父さん、かわいい奥さんに塩取ってくれる?」
「お父さん、かわいい奥さんが肩を揉んでほしいって」
「お父さん、かわいい奥さんは新しいバッグを探してるみたいよ」
これは、母が父とする会話の一部
母は自分の呼称を「わたし」ではなく「かわいい奥さん」といい、
いちいち「かわいい奥さんが…」「かわいい奥さんに…」と三人称のようにして父に語り掛ける
極めつけはメールである
タイトルに「○○○○円也」と入力し、欲しいものの写真を添付
本文に「かわいい奥さんにお似合い」「かわいい奥さんの必須アイテム」「かわいい奥さんのためのバッグ」・・・・などなど、ありとあらゆる講釈を並べて送り付ける
すると、「検討します」「要相談」などと、およそOKとは言えない回答が戻ってくる。が、どうしても急を要する場合の母は、仕事中の父に交渉電話を持ち掛ける
父、80%の割合で勝てません
近頃その裏技を、あろうことか娘がトレースし始めた
しかし娘にはまだプライドがある
決して自分を「かわいい娘」などとは呼称せず、用件だけを打ち付ける
そうして本文に「○○○○円 ⇒ ○○○○円、セール品」とだけ入力し、自分の欲しい品物の写真を添付する
年頃の娘を持つ父の脳みそは、ウニである
年頃の娘を持つ父の脳みそは、わかめであり、昆布である
年頃の娘を持つ父は、妻よりも娘に甘い
ゆえに、「仕方ありませんね」「給料日まで待ってください」と、ほぼほぼOKに近い回答が返ってくる
それが非常に気に入らない母は、更に便乗・・・・
「わたしはあなたのかわいい妻よ!」
娘の二の次とはなんたること!!・・・・と。よって、
父、散財・・・・( 一一)
最近の父は「調子が悪い」と言い訳をし、携帯の電源を切っている
否” 無駄な努力!
母はめげない。愛ある眼差し(限りない闘争心の塊)をすべて父に傾け、新たな攻防・・・・いや愛ある限りのおねだり(戦略)をす(練)る。そして刷り込み、更に刷り込み、隙あらば刷り込み!…すりこむすりこむすりこむ
「あなたはと~ってもしあわせね。こんなにかわいい奥さんと結婚できた」「毎日飽きることがないでしょう。こんなにかわいい奥さんと結婚できた」「あなたは人生において、いつでも『今がしあわせ』って答えられるわね。あなたの隣でかわいい奥さんがいつもしあわせそうに笑っていられるから」
母は、殺し文句も忘れない(;^_^A
まだまだ未熟者ですが、夢に向かって邁進します