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妄想家族 『帰省 その2』

不意に、母妹が放った言葉・・・・

「どうでもいいけど、あんた。プチ整形でもした?」
そう、母の顔を見て告げた

どうでもよくないよね? プチ整形

「なんで? してないけど」

「だって、目が二重になってる」
母と、母妹は似ていないが、腫れまぶちのDNAだけは濃い

母、苦笑い

「これは…」

老化現象だ!

半ばキレ気味に答える母(笑)

腫れまぶち姉妹、昔から「奥二重」であることを豪語してきた
だが母妹は、普段から寝起きのような鉄壁の腫れまぶちの持ち主だった

「だから片目だけなの?」
てか、片目だけプチ整形って、どうせやるなら両方やるだろ…という突込みはあえて置いといた

「疲れてるときは、瞬きすると両目とも二重になるよ」
母、若干得意げに答える
未だ二重を諦めきれない、姉妹の切ないコンプレックスであった

「なんで? あたしは瞬きしても二重にならない!」
母妹は何度も何度も瞬きしながら食い下がる

「だって、あんたの腫れまぶちは、いつでも二日酔いじゃん」
母、どや顔で、渾身の一撃

「失礼な! 飲んでねーし、起きてるわ!」
ガラガラ声(地声)で、ガツガツ答える母妹は下戸である

「お母さんも、そうだった。だからあんたももう少し大きくなったら、二重になるよ」
そうフォローしたのは母の母、つまりは姉妹の生みの親。彼女もまた眼力鋭い完全なる一重まぶたの持ち主だった⇐DNAの出どころ

確かに、母の母は、ある時期から睨みを利かせているような鋭い二重になった。しかも片目だけ(笑)

だが母は、母妹が「二重になることは絶対にない」と思っている


まだまだ未熟者ですが、夢に向かって邁進します