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親にしか出来ないこと。
引きこもりのお子さんがいるお母さんと話した。
「本音を言えば、あの子が ただ、生きていてくれるだけでいい」
泣きそうな声でそう言った。
「でも夫は違うというの。学校に行かなきゃダメだと言うの。それであの子が、ドアを開けられないようにバリケードを作ってしまって…。中で死んでるんじゃないかって、何度も 覗きに行ってる」
私はこの話を聞いたとき、「いやー!ちゃんと生きる必要なんてないよ…」正直そう思った。
だったら私は何なのさ。
入浴困難が、今回はかなり厳しく長いこと風呂に入れてない。
毎日毎日、「今日こそは…!」とパジャマのまま、日々その繰り返し である!
仕事もできてない!!
風呂で頭がいっぱいだ!!
そしてそのうち 寒くなってしまって、余計 風呂に挫けた…!!
毎日朝から晩まで、この格闘で疲れ切り、いつも早く眠ってしまう。
もういっそ、精神科のデイの風呂、思い切って行ってみるか?!そこまで差し迫っている。
そして なんとか太るために、食パンを焼かずに何もつけないまま、むしゃむしゃ と食べている状態である。
このぐらい最低な人間もいるんだぞ-!!!
このぐらい底辺な人間もいるんだぞ-!!!
毎日毎日この繰り返しで生産性もなく、できることと言ったら 音声入力 ぐらいで、漫画なんて描けてないじゃないか!!!
引きこもりだったって、生きてりゃ そのうち、何かしら 興味が湧くものも出てきて、親がうざったくなり、アパートを借りて一人暮らしをするとか、そんなに遠くない未来、そういった意欲が湧く時だってある。
私にはもう一人、引きこもりの子供を抱えている友達がいるが、先日 その子は、長い時間をかけて、自分のやりたいことを見つけ、親元を離れて自立した。
「当たり前に」だとか「ちゃんとみんなのように」だとか、あまつさえ「社会的に立派に」だとか、そんなもんはクソ喰らえなのだ。
誰しもが、自分のキャパシティの中で生きている。
引きこもりだということは、今その子が悩んでるということだ。
道を見つけるまでの、準備期間だということだ。
「学校へ行くこと」それが本当に困難な子供だっている。
その困難をわかることが、他ならぬ 家族の役目だ。
その子は頑張っている。
学校に行けない自分と戦っている。
心がたとえ負けていても、今現に生きている。
生きていれば、生きてさえいれば、なんとかなるもんだ。
万が一 例え、ずっと引きこもりのまま、おじさんになっちゃった としてしまっても、部屋でゲームをやったり、漫画を見たり、エロビデオを見たり、それも人生だ。
劣等感を植え付けること。
これは一番やってはいけないことだ。
一番分かっているのは、他ならぬ、引きこもりの本人だからである。
「死ななければ、生きてさえいれば、それでいいんだ」
どこの母親も願うことだ。
私は歩道橋から飛び降りた時、母にこう言われた。
「例え一生に寝たきりでも、どんな障害が残っても、命さえあってくれればいい」
そして母は、私が退院したその日、一番にこっそり隠れて、病院の敷地を出た瞬間、私にタバコを吸わせてくれた。
ボビーは、退院したその日の、あのぐちゃぐちゃな顔のまま、私を抱いてくれた。
これらのことは、私は一生忘れない、最大の愛情である。
だから私は、ぐちゃぐちゃの顔のまま、日々笑ってスーパーにも行けたし美容院にも行けたし、自分の人生に絶望することがなかった。
「子供を絶望させないこと」「子供に寄り添うこと」「子供 に愛を伝えること」
私が、歩道橋から飛び降りた時、母や ボビー、親戚や友達から、これだけ愛情を受けた。
「私は生かしてもらった」
ちゃんと生きる必要はないのだ。
人並みに生きる必要はないのだ。
自分にできる生き方をすればいい。
引きこもりだって、部屋でゲームをしている最中 楽しいはずだ。
そんなささやかなことが、命をつないでいる。
子供はわかっている。
親に心配をかけていることは分かっている。
それで自分を責める。
だったらいっそ、引きこもりであっても、せめて 家族で、その子の生というものを、一番に喜び、それを伝えるべきではないだろうか。
出来損ないでいることが、一体何の問題があるという??
「自分は出来損ないだけど、親が生きていることを望んでいる。ただ命あるということ、それだけを望んでいる」
これは大きな一番の、いつか立ち直る原動力だ。
どんな生き方だっていい。
引きこもりのまま、何もなれず、歳を食ったっていい。
親の愛情さえわかっていれば、人生はそれで十分だ。
自分を責めることはない。
だから世の中の、引きこもりの子供を抱える お父さんお母さん。
誰よりも、一番自分を責めている、引きこもりのお子さんを、愛してください。
「何があっても、どんな状態になろうとも、生きていて欲しい」
だからそれを、どうかお子さんに伝えてください。
引きこもり お子さんに、ただそれだけを、伝えてください。
それがいつか、お子さんが自分の道を見つけるための、最大の原動力になると思います。
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