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10歳から最初の措置入院。『殺せ』という幻聴。
『霊』『霊感』の存在が全く否定されるのなら、私は10歳から統合失調症を罹患していたことになる。
妹の死と同時に『霊』が見え話せるようになった私は、二の腕に、梵字を最初はカッターで切りつけながら、やがては、線香で焼き付けるようになり、同時に水垢離をはじめ、学校へ行く前読経するようになった。
『霊』に飲み込まれず、『霊』を成仏させるためである。
学校の帰りや、日曜日、お寺の無縁仏を掃除したり、供養したり、水子地蔵尊へお供えしたり、お寺の無縁仏様の納骨堂に参り、2時間も3時間もお経をあげたりと言うことをしょっちゅうやっていた。
私の精神は穏やかで、どちらかと言うとおっとりした子供だった。
高校時代、韻文の執筆に精神力の全てを使っていた。
頻繁にアームカットを行っていた。
パニック障害のような症状も多々あった。
本屋で精神病についての本を立ち読みしまくった。
そこで初めて『幻聴、幻覚、妄想』という言葉に触れた。
自分に精神疾患を疑った。
病院に行った。
『心臓神経症』と言う思春期特有のものだと言われ帰ってきた。
将来の車の免許の取得を考えた時、両親に頼み込んでいわゆるメンタルクリニックと言うところに行った。
私は自分の不思議な体験を話した。
『幻聴はありますか?』と、尋ねられ、ありますと答えた。
大きな病院へ行ってくださいと言われた。
19歳になり、いわゆる守護霊と言うものと、話をした。
『死者であるあなたに頼る年齢ではなくなりました。卒業して1人でやってみます』
10歳からずっと頭の中に話しかけてきて、仏様の事など、私に指示してくれていた声が一切聞こえなくなった。
ただ、社会に出て行く喜びだけで、その時は夢中だった。
すぐに同棲と言うものを始め、街のメンタルクリニックにかかり、はじめは1種類だけの薬を出されて飲んでいた。
医学の知識などなかった。
薬も頓用で良いと言われていた。
妊娠した。
薬の服薬をやめた。
特に何も変わらなかった。
そのまま結婚して子供を産んで、前夫の会社がバブルの煽りを受け、倒産し、アダルトビデオの女優をやりながら、SM雑誌や熟女本などに原稿を書き続けていた。
忙しくて、忙しくて、精神疾患だの、霊だの、すっかり忘れていた。
つまりは、私は健康だったのだ。
前夫が飛び降りるまでは。
自殺幇助の疑いで事情聴取を受けた。
飛び降りた前夫の肉体の損傷箇所全部を聞かされた。
この2つで、精神が破壊されるには充分だった。
私は精神科にかかり、コントミンと言う統合失調症の薬とうつ病の薬を2種類処方されるに至った。
精神科にも入院した。
その後、子供を両親に預けようやくつかんだ連載『実録企画モノ』の執筆を必死でやった。
『霊』と言うものの存在がまた身近に現れたのは、この連載の後、遠野の山奥の神社に寝泊まりしながら、神社の逸話や神社が作られた当時の歴史などの取材をしていた時であった。
だが、それは東京へ帰って子宮に溜まった4ヶ月の胎児と同じだけの血の塊を堕胎する薬で産むようにして処理したところで終わった。
ストーリー漫画、中でもホラー漫画が描きたい。
あれこれと、ネームを切って企画を出したが、どれもこれも没になった。
山本直樹先生の『あさってdance』に衝撃を受けた。
担当さんと、次の漫画について意見を交わしているところに、当時のパートナーが『時代は疑似家族!これどうですか?母子家庭のどうしようもない親子の家に男がヒーローとして現れる!涙あり笑いあり!てんやわんやのドタバタあり!』そう話を振って、担当さんが食いついた。
当時のパートナーが話を盛り上げるだけ盛り上げて帰ってしまった。
その後、担当さんと話を詰めた。
私は、それならば母親を主人公にして、その成長物語を全10巻で描きたいと話した。
もちろん、山本直樹先生の影響もあり、その物語を描くのであれば自分なりに母親と子供がどうしようもないところから、成長していく漫画にしたいと言った。
プロであるなら、題材を投げられたら大きく盛り上げて完結させたい。
そんな意識があった。
当時のパートナーは、価値観がだいぶ普通とは離れていた。
お金に関しても、責任に関しても、貞操観念に関しても、性的な感覚に関しても、だいぶ普通から離れていた。
『私に1銭もお金を出さず、もともと付き合っている人がいるし、他のお姉ちゃんとも遊び回っていて、デート代だのプレゼント代だの、貸してと言ってもらっていく。この人のスポンサーのSMの相手まで当たり前のようになっちゃった。いや参った。ここで難問だ。この人をヒーローとして描くと私が潰れるな。1人のキャラクターに3人ぐらいモデルを作って、物語から時系列から全部フィクションとして描かないともたないな。自分が経験したエピソードはリアルさを出すのに必要だけど、相当脚色しないと描けないな』
そうやって苦心惨憺しながら『フィクション』を描いていた。
もちろん、話は事実と全然違う。
登場人物だってみんな頭をぐちゃぐちゃにして考えだした架空の人物ばかりである。
担当さんと、何度もネームを応酬しながら、物語と言うものを作っていった。
当時のパートナーが、この漫画を、自分への賛辞だと受け取ってしまった。
ややこしいなと思いつつも、こちらはそれどころではない。
連鎖に穴を開けられない。
話の展開をミスってはいけない。
とあるキャラクターの死。
その心情描写を、リアルに描きたい。
衝撃の展開である。
そこで私の頭が壊れた。
人の死を描くには幼すぎたし、心情描写を克明に考えていたらおかしくなってしまったのだ。
筆が止まった。
私は自分の子宮が腐ったから摘出しなければいけないと言う妄想の中に突っ込んでいき、精神科に回され、精神科であれもこれも妄想だとことごとく人格を否定され、『殺せ』と聞こえてくる止まらない声に襲われた。
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